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いきなりスタートまでとんぼ帰り!?〜1日目前編(2023最長片道切符編-6)

どうもこんにちは!

最長片道切符の旅、ついに1日目の始まりです!

そして、1日目から前後編に分けます笑

スタートは日本最北端の駅

7月15日早朝、夜行バスを降り立つとそこは日本最北端の駅。昨日の夕方に出発して朝到着しているのが、正直すぐ真に受けられません。

実は今年の2月に来たばかりで、久々に来たって感じがしないのが自分でも怖いです。近所の公園よりも来る頻度が多いです笑

日本最北端ですから当然朝はかなり涼しい、というか少し肌寒いくらい。

こんなもん片手に稚内に居ることそうそう無いぞ...

駅に着いたのが5:15頃だったので、ホームには始発の普通列車が止まっていました。これに乗って南下を始めても良かったのですが、稚内駅で切符の入鋏をもらいたかったので見送ることに。

始発の5:21発名寄行き普通列車

稚内駅は、1本目の特急列車サロベツ2号の出発前から営業が始まります。つまり、駅の営業時間外であるこの時間は駅員による改札も行われません。

というわけで特急列車の入線まで待つことに…

最北端の線路のモニュメント

稚内駅は、以前少し北の位置にホームがありましたが、新駅舎の開業により現在の位置へ動きました。昔はさらに北に線路が延びており、現在防波堤ドームがあるところに、当時の樺太にあった大泊というところまで結んでいた鉄道連絡船の玄関駅、稚内桟橋駅がありました。

終戦と同時に連絡船の役目を終え、その跡には防波堤ドームだけが堂々と佇んでいます。

防波堤ドーム(撮影時期は冬)


特急列車が入線

駅の営業が始まると発車標の電源も入ります。

6:20頃、旭川行きの特急サロベツ2号が入線。

駅員さんは基本改札する時は、客から受け取ったその場で切符片手に、スタンパーで入鋏印を押して渡すのが普通です。しかし、こんな切符ではそんな簡単に行うことはなく...

切符の出発駅・経由路線・使用開始日等々を確認していたのか、裏でほんの少し時間をかけて入鋏。

この入鋏印を待っていました!!

特急サロベツ号や宗谷号に使われているキハ261系、その走行性能は電車特急並みです。

6:36発 旭川行き特急サロベツ2号

この列車に乗って、途中の音威子府まで乗車します。なぜ音威子府で降りるのかは...降りてからということで。


稚内を出発!

6:36、稚内駅を出発。総距離約11,000km、長崎県・新大村駅までの最長片道切符の旅がスタート!

高性能のディーゼルエンジンを唸らせながら日本最北端を後にします。

南稚内を過ぎると抜海の区間まで、日本海とその上に浮かぶ利尻島・利尻富士を望むことができますが...あいにくの曇り空で写真に納めるのもしなかったほどでしたね〜

こりゃ見えんって思いふけただけで、写真自体も撮った記憶もないですから笑

幌延を過ぎると、天塩川に沿って宗谷本線は続きます。

そして稚内駅出発から2時間。
08:37、列車は音威子府駅に到着です。

ここで、最初の途中下車。

〈1本目〉
稚内 06:36発
↓  特急サロベツ2号 旭川行き
音威子府 0837着


音威子府からまさかの乗り物に

さて、音威子府で降りたのには理由がありまして、あるものに乗っておきたかったからです。

それは、この音威子府から出発する日本最長の路線バスです。

音威子府の駅舎内には、宗谷バスの切符売場が併設されています。

そこには時刻表もあり、この音威子府からは旭川・札幌方面や枝幸方面への都市間バスが運行されています。都市間バスなら、高速バスタイプの車両で運行されるので、長距離走るのは納得できます。

1番左の「天北線」というのが路線バスの時刻案内になるのですが、その中に...

そこには「稚内」の2文字が!

なんとこの音威子府と稚内を結ぶ路線バスが、稚内発の便も含めて1日に1往復運行されているのです。

その所要時間はなんと4時間超え

こんな路線バスがあるのかと驚きを感じると思われますが、実はこのバス路線は2023年9月30日をもって一部区間で廃止になってしまいました。

なので、廃止前乗っておこう...
ということで、次はこれに乗ります。

しかも終点の稚内まで



(は?...いやいや、ついさっき稚内を出て2時間もかけて音威子府に着いたっていうのに。)

そうですね、確かにさっき稚内を出発しましたね。


(また稚内まで戻るのかい?)

その通りでございます。


(そのバスの出発11:20だけど、それまで何すんの?)

待ちます。※まだ朝の9時


自分で言うのもなんですが、狂ってますね笑


「まさかの乗り物」が登場

2時間以上待って、ついに姿を現しました。

これが、稚内まで4時間以上走り続ける日本最長路線バスでございます。見た目はごく普通の路線バスですが、真の顔はただのバケモノ路線バスです。

そして確かに前面には「稚内駅前」と表示されています。

この路線バスは宗谷バスが運行しており、その路線名は「天北宗谷岬線」。この名前にも意味があります。


隠れた裏の顔とは?

このバスには裏の顔もあります。その「裏の顔」とは一体何なのか…

それは、鉄道代替バスです。

このバスに転換された鉄道は、現在の宗谷本線より先に開業したルートでした。宗谷本線より迂回するように、オホーツク海側に向けて延ばされた「天北線」という路線です。

JTB時刻表1988年3月号より

音威子府駅から中頓別、浜頓別、鬼志別を経由し、現在の南稚内駅で宗谷本線ルートに回帰する稚内駅までの路線が1922年に全通。その4年後に、天塩中川、幌延、豊富を経由する現在の宗谷本線の区間が全通しました。

音威子府の資料館に展示されている路線図

音威子府駅の駅舎内には天北線の資料館が併設されており、営業時間中は無料で見学することができます。

JTB時刻表1988年3月号より

天北線は廃止前まで、札幌から直通の優等列車も運行されていました。ですが、1980年に国鉄再建法が制定、国鉄のローカル路線運営の見直しが進み、天北線も廃止検討の対象に指定されました。

国鉄民営化された翌年、1989年5月1日をもって天北線は廃止されました。その代替交通として、宗谷バスによる代替路線バスの運行が開始。

青が変更前の天北線ルート、小石・沼川を経由していた
赤が現在のルート

天北線と同じルートで運行されていましたが、収支状況の悪化により2011年に、鬼志別から先は宗谷岬を経由する観光客需要のルートに変更されました。

しかし浜頓別以南の利用状況が乏しいこともあり、2023年10月1日をもって音威子府・浜頓別間が廃止されてしまいました。

当該区間では、中頓別町・浜頓別町によるデマンドバスが運行されています。


鉄道の代替路線バスさえも維持することができない状況にまで、地方交通の衰退が進んでいることが見て取れますね。

前年の2022年にも、伊達紋別・倶知安間を結んでいた国鉄胆振線の代替バスも一部で廃止。標津線代替バスの一部である中標津・厚床間も2023年10月1日をもって廃止されてしまいました。


→→→後編に続く


後編以降の記事はこちらから

1日目後編の記事はこちら↓↓↓
(更新したら貼ります!)

最長片道切符編のサイトマップはこちら↓↓↓
(更新したら貼ります!)


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