社長の仕事10選
社長の仕事とは何か?
早速はじめよう。
1.社長は一体何をする人か?
そもそも「社長は何をする人か?」と一度でも考えたことはあるだろうか?
社長の仕事の一つ目は、「社長の仕事とは何か?」を自問自答することである。
例えば、次の2つは特に大事な社長の仕事だと思う。
事業を永続的に安定させる
やりがいの提供
なぜ「事業を永続的に安定させること」が大事なのか?
生活が安定することで安心して仕事ができるから。
人生設計もやりやすいから。
なぜ「やりがい」が重要なのか?
「安心」だけでは人生がつまらないから。
生きている実感は、次の2つの瞬間に湧く。
1.強く必要とされた時と、
2.自ら設定した困難を乗り越えた時
2.何のために事業を行うか?事業目的を心得る。
「社長は何をする人か?」を自問自答したら、次が事業の目的を明確にすることだ。
たとえば、事業の目的とは次のようなものがある。
会社をM&Aで高く買ってもらう
事業を永続させる
個人的な金儲け
上場をめざす
一人の見知らぬ人の笑顔のためにやる
従業員一同の生活の安定と向上のため
親を喜ばせるため
「何のために」事業を行うかが明確でないと、働く動機の低下、倫理観の低下をもたらし致命的な経営判断のミスを起こす。
3.ぶれない軸(経営理念)を確認する
さて、事業の目的の次にやることが、社長自身の生き方の軸を定めることだ。
軸が定まっていないと経営判断がブレる。
そして、軸がぶれていると、信頼を無くし、重要な場面で間違った判断をくだす。また、優柔不断となる。
経営者は判断の連続である。
判断軸を持っていない社長の決断は遅い。
そして決断の遅さはリスクである。
あえて決断をしないという決断と、優柔不断で決断できないことは全く違う。
下記は、稲盛氏の軸である。
この軸があるだけで、事業を行う基準が明確になる。
少しでも私心があれば、その事業には手を出さないという判断が下せるのだ。すばらしい軸だと思う。
ブレた経営をする社長は、下記の定義が定まっていないことが多い。
次の3つの言葉をに腹に落とし込んで欲しい。
社長が腹に落とし込むべき3つの言葉
「幸せ」とは
「お金」とは
「成功」とは
ぶれない軸を作るために定義すべき言葉
働くとは?
命とは?
生きる目的とは?
こういった哲学を熟考することで判断力が著しく向上する。
4.安定収益を得る「構想」「仕組み」「ビジネスモデル」の研究
次が、安定収益を得るビジネス構想だ。
イノベーションによって、安定していた既存事業が短時間で消えることは多々ある。
時代は常に移り変わる。日々の売上を増やすことも大事だが、安定して収益を入る構想や仕組みを熟考してほしい。
そのために、すでに安定して儲けている事業をよく研究すること。
下記を参考にしてほしい。
儲かるビジネス13選
5.「戦略」と「戦術」の違いの理解と整理
ビジネス構想の次に大事なのが「戦略」と「戦術」。
「戦略」と「戦術」を明確に区別できているだろうか?
ざっくりではいけない。
戦略と戦術が整理されていないと、成果の出ない指示を出し、従業員一同の汗と努力を無駄にする。
逆に、鋭い戦略は、少しの努力で、最大の成果を上げる。
ミルキヅクの頭の中は以下のピラミッド図のように整理されている。
情報が整理されていると、いったい自分は、どこの何を強化しようとしているのかが良くわかる。
6.会社の強みを深堀する
戦略・戦術を明確に区別し整理したら、次が自社の「強み」の把握だ。
この世は競争社会に見えるが本質は役割分担の果し合い。
だとすれば、各自の強みを活かしきることが自然の摂理。
「強み」とは、いくつくところ「あきらめないこと」であるが、何が得意であるか、または、何で役割分担を果たしていきたいか覚悟を決めることが大事だ。
覚悟を決めるとは、そこに命を捧げるという意味である。
今は「強み」を持っていなくても、「強み」にしたいことを決意し、そこに戦力を集中させてもよい。燃えるような情熱があれば、3年~5年でノウハウが蓄積され、10年後には、ダントツ1位になっていく。
7.事業のポジショニング(事業戦略の熟考)
強みを把握した後は、ビジネスの立ち位置を決めること。
ビジネスが儲かるかどうかは最初の立ち位置で決まってしまう。
事業を引き継いだ社長は、立ち位置が決まってしまっているので、変更は難しいと思うかもしれない。
が、既存事業の「コア技術」を磨きつづけてほしい。
神は細部に宿る。
すべての業界において、未発見のお宝情報や技術が埋没していると信じている。それは挑戦し続けた者しか見ることができない。
一度アンテナが立つと、日常生活の中にヒントを見つけだす力が爆上がりする。
8.売れるための販売方法の研究
『ビジネスの立ち位置』の次が、販売方法だ。
物が売れなければ、そもそも経営は成り立たない。
「売り方」を体系的に理解している社長は強い。
売り方の指示を出せる社長は頼りになる。
逆に言えば、「とにかく、お客のところに行って来い」というあいまいな指示では駄目だ。
会社は粗利益で生きている。その粗利益を生み出す方法をよく研究してほしい。売れてなんぼだ。
9.人材育成をどう考えるか?
販売方法の研究の次が、人材育成だ。
会社の根源は人である。
会社には事業部があり、部は課になり、課は係となり、係は班となり、班は、人で構成される。
「人」は、会社のブランドを創る。
ブランドはそれ自体が販売力となる。
特に中小企業は人が集まらないからこそブランドは人材採用においても人を引き寄せる。
最後は人と言われる。
その「人」の育成に関する独自の哲学を持ってほしい。
さしあたり、人をうまく育てた先人の知恵に学ぶと良い。
10.人材採用はどうするか?
最後は人材採用だ。
自社内の人材だけで事業が完結できればよいが、事業の目的達成のためには、時として、スキルを持った人の採用を積極的に行なわなければいけない。
出会いを大切にして、将来お仕事を一緒にしたい人のリストを整理しておくとよい。
いろいろな媒体があるが、社長の理念が魅力的であればあるほど優秀な才能が集まってくる。
理念とは、人類のために社会をどうしたいのかという哲学である。
やることはたくさんあるがやりがいのある仕事である。頑張ってほしい。