カナダが提供している英語学習プログラム LINC

私が初めてLINCの登録をしたのは2017年。

たった3年前ですが、その時にはいくら検索しても日本語の情報が見つからなかったんです。3年間でたくさんの情報発信ツールができたなあとしみじみ思っております。

今回は私が受けたカナダの移民向け英語プログラム2種類について書きたいのですが、まずはそれぞれの概要を書かねばと思いまして、この記事は「LINCとはなんぞや」についてです。

LINCとは 

Language Instruction for Newcomers to Canada の略です。

カナダに移民、難民としてきた人たちに提供されているプログラム。

LINC provides basic language skills とあるのですが、アセスメントを受けてレベルが一定以下でないと受けることができません。

一定以下とは、CLB Canadian Language Benchmarks という国の指標があり、12段階に分けられています。LINCはこのCLB8までしかクラスがありませんので、テストで8以上であれば受けることができません。カレッジへ入学できるのが8くらいとよく言われます。(もっと下でも入れるカレッジはあります)

そしてこのプログラムは18歳以上、PRもしくはRefugees、移民か難民ですね。Citizenshipを取ってしまった時点で通学できなくなります。実際にCitizenshipのセレモニーに参加したクラスメイトは辞めていきました。まだまだ勉強したかったのに・・・と言っていましたが。

なんといっても学費はすべて税金で賄われています。つまり無料

手続きの流れとしては、自分の住んでいるエリアの最寄りのアセスメントセンターにアポを取って行き、レベルチェックを受けます。Reading/Writing/Speaking/Listeningの4項目です。

実は私はこのアセスメントをバンクーバーではなく他州で受けています。LINCはカナダ全土で共通のシステムなんですが、実際は対応に結構バラつきがあります。テストを受けるとすぐに結果がもらえたりもらえなかったり、自分のレベルのクラスがある学校一覧表を渡されて自分で登録しに行くとか、カウンセラーに紹介された学校にしか登録に行けないとか。バンクーバーでは一覧表が渡され、開講時間やチャイルドケアの有無によってある程度自由に選べます。

そして何より、他州で結果を受け取った際には「4項目の結果のうち、一番低いレベルのクラスに登録」と言われました。バンクーバーでは、ある程度平均のクラスに入れてもらえます。私はリスニングが壊滅的で5/5/4/3のような結果だったのですが、他州ではこれでレベル3に入れられるところでした。(実際には引っ越しの予定が半年後にあった&チャイルドケアの空きがなかったために学校への登録はしませんでした)。結局、テストの結果は1年間しか有効でないため、上記の結果を持参してバンクーバーではレベル5でウエイトリストへ登録しつつ、登録は完了している状態ですがテスト結果が切れる前に再テスト受験となりました。1年経つと何もしてなくても伸びるもんですね。6/5/5/4に上がってました。ちなみに入学できたのは登録から1年4か月後です。チャイルドケアも無料なので、かなり待ちます。後々クラスメイトに聞いたら、待ちなしで入れたという人も多かったので子供を預ける必要のない人はそこまで心配する必要はないかもしれません。

このプログラムを受ける際には、長期の休みは学校の春、夏、冬休み以外は取れません。帰国など長期で休みたい場合は一度退学する必要があります。遅刻や宿題の提出にも厳しい。と通ってた人に聞いたことがあったのですが、入ってみれば意外とそうでもありませんでした。毎日のように遅刻してくる人もいましたね。あとは学校の校風のようなものや先生にもよると思います。

授業は週2-週5、パートタイムとフルタイムがあり、夜間通えるところもあります。レベルが1上がるのにだいたい600時間の履修が必要となっていて、パートタイムなら約1年です。ただしそれは本人のやる気次第ですし、実際私は1年(春夏冬の3ターム)でレベル5からスタートしレベル7に入りました。テストのようなものが一応ありますが先生によりけりです。日々の授業の理解度を汲んでくれる先生もいます。

授業内容はレベル5-6だと日本の中3-高校英語の復習という感じです。ただしプログラムがNewcomers向けなので、実生活に則した内容になっています。銀行へカナダの年金や預金、投資プログラムについて聞きに行ったり、カナダの教育制度について学んだり、その中で英語も学んでいく感じです。なので授業で習った単語が良くニュースに出てきたりして、学習が活きてると感じやすいです。

良くない点もいくつかあるのですが、母国で資格を持っていてカナダでもその職業に就きたいとか、バリバリ勉強したい人には物足りないようです。それで他の学校に移る人も結構いました。あとは単純に先生との相性が良くない場合もあります。LINCは月ごとの学習テーマ(教育、家族、金融、健康etc)は決まっているものの、どういう教材を使うのか、内容の詳細については先生に委ねられているので、日本の授業のような「THE・勉強」スタイルの先生もいれば、やたら立ち上がって歩き回らせてゲームしまくる先生もいます。宿題の有無も先生次第です。

私はLINCに参加した時点でカナダ歴は5年弱、クラスの中でも結構長い方でした。クラスメイトのほとんどは3年以下で職歴がない人が圧倒的に多いです。そしてほとんどが家族のサポートを受けて移民した人もしくは難民です。個人で(BCPNPで)移民した人は、クラスメイトとして出会った30人程度の人々の中でたった1人だけでした。レベル6では移民も難しい時代ですからね。私はカナダでの職歴もあり子供もいるので、LINCで習う英語以外の内容については少し退屈でした。みんなにとっては役立つカナダ情報だったと思うので、本当にNewcomersの人にはとてもいいと思います。5年弱とはいえESLには行ったこともなく、職歴と言ってもほとんど日本人としか仕事をしていなかったので英語力はハナクソでしたが、1年でみるみる伸びたと感じます。基礎の部分をしっかり固められたのと、何より語彙力が増えました。わからなくても別の単語で言いたい単語を説明できるようになったのは大きいなと思います。

今はCOVIDの影響で新規生徒の受付を停止している学校もあるようですが、興味のある方はまずはアセスメントセンターへ電話してみることをお勧めします。

Vancouver, North Vancouver, West Vancouver, Richmond, South Delta, Burnaby, New Westminsterにお住まいの方はこちらです

Western ESL Services LINC Assessment and Referral Centre
#208 – 2525 Commercial Drive
Vancouver, BC V5N 4C1
Tel: 604-876-5756 Fax: 604 876-0134

【追記】

政府のホームページにある詳細によると、オンラインでCLBのアセスメントが受けれるようになっていたみたいです。

Language classes funded by the Government of Canada https://www.canada.ca/en/immigration-refugees-citizenship/services/new-immigrants/new-life-canada/improve-english-french/classes.html



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