無料で受けられるESL Pathway Program

※11/1追記しました

ひとつ前の記事ではLINCについて紹介しました。

今回紹介するのはVancouver Community Collegeで受けられるESL Pathwayというプログラムです。

Pathway Programと名のつくものはカナダの大学や専門学校、語学学校などにたっっっくさんあって、留学生でも受けられるものからPRやRefugees限定、Citizenshipを持つ人でも大丈夫なコースなど様々です。そして学費もピンキリ。主にCollege, Universityに入学するため、特定の仕事用の英語を身に付けるためのプログラムで、IELTSやCELPIPを受けなくても、そのプログラムを修了していることで入学条件の英語レベルを証明できます。なので、このコースのサーティフィケートはどの大学で有効なのかという案内が必ずあります。受ける際には要注意です。

私が受講したのはVCCESL Pathwayというプログラムです。PR, Refugees, Citizenshipが対象で、修了するとVCCの様々なコースに入学するための英語力を証明できます。Langara Collegeでも一部のコースへ入学する際に使えるそうです。コースによってレベル6でよかったりレベル8が必要だったりするので、すでに希望の進学先が決まっている人は調べてみると良いでしょう。VCCのコースを検索するとコース概要の中に

Admission requirements Successful completion of Grade 10 or higher and English 10, or equivalent and English Language Proficiency 


などと書いてあります。Grade12が高校3年生で履修する英語なので、Grade10は高校1年生相当です。各科目のことをEnglish10, Math10などと呼ぶんですね。他のコースでは

・Grade 12 graduation or equivalent ・English 12 with a B or equivalent

とあって、なんのこっちゃという話なのですが、要はカナダの高校卒業資格に必要な科目の一つであるEnglish12を持っているか、それに相当する英語力が必要だよ。とか(ざっくりいうと)そんな感じです。ちなみにカナダの高校を卒業していなくても、大学入学などに必要な科目を修了できる制度もあります。私が知っているのはVancouver School Board(教育委員会)が主催しているAdult Educationのプログラムで、CitizenとPRはレベルチェックのアセスメント$20とテキスト代$100を支払えば無料で受講でき、好きな科目だけ、もしくはカナダの高校卒業資格(Dogwood Diploma)を取得できます。VCCのPathwayでも、レベル8を修了するとVCCへ入学する際にはEnglish12と同等だとみなされます。

申込するにはちょいちょいお金がかかる

話が少し逸れましたが、ESL PathwayプログラムのTution(受講料)はLINCと同じくこれまた無料です。ただしApplication FeeやStudent Union Feeなどが必要になるので、私はトータルで約$110支払いました。ですが約13週間のコースなのでかなり格安です。こちらもIRSSという政府の機関から出資を受けているプログラム(のはずです)。VCCの生徒の一員になれるので、ライブラリやチューターを利用できたり、現在はオンラインクラスになっていますが、通常時は一定の通学条件を満たすとU-PASSが購入できます。$41で3zoneのバスパスが購入できるものなのでかなり便利。

ちなみに私はLINCのサーティフィケートを持っていたのでレベルチェックテストは不要でした。しかし英語レベルを証明する認められた書類を持っていない人はアセスメントを受ける必要があり、現在はオンラインでの受験だそうです。Duolingoの英語テストを受けられます。こちらはVCCのテストではないのでどなたでもお金を払えば受けられます。費用は$49(USD)です。

Duolingo English Test   https://englishtest.duolingo.com/applicants

プログラムの仕組み

上記で受けたテスト結果のレベルによって5から9までのコースを受講できます。基本的にReading&Writing(以下R&W)もしくはListening&Speaking(以下L&S)の2コースと、Experiential Learningというコースがあります。R&WとL&Sはレベルが違っても大丈夫です。週4の1日3時間、週2の1日3時間などがあり、午前、午後、夜間が選べますので、午前はR&Wで午後はL&Sだったり、秋のタームはR&Wのレベル7で冬タームにL&Sのレベル7を受けたりする人もいるとのことでした。ちなみにR&WとL&S、クラスは別ですが両方受講して合格とみなされないとそのレベルの修了にはなりません。

授業は結構大変と聞いていた

課題が多いとか早くてついていくのに苦労するとか話を聞いたのですが、個人的な感想だとオンライン授業のせいも少しあるかなと思いました。私の場合週2日は2.5時間のオンライン授業を受けて、残り2日は課題(タスク)があり、締め切りまでに終わらせるという流れです。私は基本的にめちゃくちゃ後回しタイプなのですが、もともとリーディングとライティングは苦手じゃないので自分で尻を叩いて頑張れば大丈夫でした。L&Sはどんな感じなのかわかりませんが苦手なのでおそらく地獄でしょう。それとLINCを受けていたのも大きいと思いました。Pathwayが最初だと英語での授業に慣れる時間が必要だし、少しつらいかもしれません。(私もLINCの最初は授業についていけないというより、品詞の英語での名称や過去分詞や受動態、三人称単数etc.って英語でなんて言うんだよっていう部分で苦労しました)。PBLAというテストが週に1-2回あって、制限時間内にエッセイを書いたり、ビジネスメールを読んで質問に答えたりしました。エッセイは週に1本くらいのペースで書いていました。お題は制限時間が始まる直前に発表されるので瞬発的な文章力が必要です。日本語だとしても苦手な人はたくさんいますよね。このPBLAの結果によって次のレベルへの進級が決まります。

LINCとの違い

一番言われるのは学習速度です。今回私はLINC6を修了してR&W7に入ったので、自分のスキルは6.0だと思っていました。これが7.0になると7を卒業(Complete)できるわけですが、意外にもPBLAはすべて合格をもらうことができました。テストにより結果が一目瞭然なので、試験慣れしているかどうかも関係あると思います。LINCではレベルアップに約1年(個人差有)という指標だったので、2つのスキルに限定されたクラスで課題が多く難易度が高い分、噂どおり早く進級できるように感じました。

また内容は完全にアカデミックで、単語のレベルやテーマは難しくなったと感じました。「エッセイを書く」こと自体がアカデミックではあるのですが、今までは生活に則した英語だったので、ニュースを読んでいたら習った単語が出てきたり、実際に使える単語が多かったので反芻して覚えることが出来たんです。Pathwayで習う単語は全然頭に入りませんでした。(私のモチベーションが上がらなかったのもあります)  エッセイのテーマは私の書いたものだと、カナダ全土とBC, ON, QCにおける電気自動車の売上台数の増加率のグラフを見てなぜBCの増加率が高いのか考えられる理由を3つ書きなさい。というもの。ここでその週の授業で練習した、Thesisの書き方やエッセイの構成という部分を生かしながら2時間半で書き上げます。ここは余談かつ私の不満点だったのですが、授業時間は11:30までなのにエッセイの制限時間が12:30とかなんですよね。私は子供の送迎があるので11:45には家を出ないといけないのに、基本の授業時間外にもやらないといけないなら初めに言ってほしいなと思いました。なので私はいくつかのテストを人より約45分短い制限時間でこなしました。合格だからよかったけど。

PathwayとLINCどちらがよいのか

決め手はいくつかありますが、まずお子さんのいらっしゃる方で預かってもらう必要のある方はLINC一択です。VCCにもチャイルドケアがありますがウェブサイトによると月$1000くらいするようです。ACCBという補助がBC州から受けられますが、進路に急いでいる方や経済的に余裕がある方以外は無料のLINCの方が生徒の母数が少ないので待ち時間も少なく済むと思います。

日本で資格を持っていて、カナダでもその資格を活かすためにカレッジに入学したい方などはPathwayの方が、その名の通り近道になります。

U-PASSやチューターなど豊富な特典やリソースを利用したい人もPathwayがいいですね。LINCを開講している団体でもTax filingや必要書類の翻訳など様々なサービスを無料で受けられますが、低所得者向けのみだったりするので団体によってばらつきがあります。

【追記(11/1)】先日私の講師が解説してくれたのですが、VCCの各コースのRequirementの中には「CLBスコア」で認定されるものと「VCCのPathwayプログラムの修了」でしか認定してくれないものがあるとのことでした。例えばCulinaryのプログラムはEnglish 10 or equivalentが求められています。これは正式なCLB7のスコアがあればよい(正確にはWritingのみ6でも可)ので、LINC7を修了してもOK。しかしMedical Office AssistantのようなEnglish 12 or equivalentが求められる一部のプログラムではLINC8を修了してCLB8(English12相当)を取得しても、申込時には認めてもらえません。必ずVCC Pathway programでレベル8を修了する必要があるそうです。詳しことはアドバイザーの人たちへアポを取ればお話を聞くことが出来ます。進路が決まっている方はこのルールに注意する必要があります!

私は今回LINCでのクラスが満員で受けられず、オンライン授業になったことでスケジュールも変更になったために、元々登録していたクラスが受けられなくなったのでPathwayプログラムに移行しました。R&W7を修了してもL&S7を受けないと修了できないと聞いたのがつい先週の話で、もともと今期で終わりにしようと思っていたのですが来期はL&Sを受けるしかないかな~と考えています。そちらも受けた際にはレビューしたいと思います。

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