TVアニメ『未ル わたしのみらい』に登場するロボットデザインの軌跡を辿ってみた!
こんにちは!TVアニメ『未ル わたしのみらい』宣伝担当です。
前回のエントリーでご紹介した「YANMAR DESIGN みらいのけしき展」に展示したTVアニメ『未ル わたしのみらい』に登場するロボットは、名前を「MIRU」と言います。このロボットの魅力的なデザインには、実はたくさんの物語が詰まっています!
今回は、ロボットのデザインがどのような過程で現在のものになったのかをデザイン画とともにご紹介します。
デザインの軌跡をまとめた動画はこちら。
~ 現在のロボットデザインが完成するまで ~
1.デザインの原案をもとに、ロボットの造形を言語化する
まずは、アニメ制作チームがヤンマーのデザイン哲学が詰まったロボットの原案を元に、「ヤンマーはこのロボットで何を表現するのか」「そもそも、このロボットはどのような存在か」「どんな活躍をするのか」など、ヤンマー担当者へのヒアリングを実施しました。
その内容を咀嚼しながら、ロボットデザインの造形に関する特徴を言語化し、コンセプトシートへまとめていきました。
シート上では、「社会課題に厳しく」「人に優しく」というキーワードから「戦わないロボット」というコンセプトを打ち出したり、「剛健性」「生物的」というキーワードから、ロボットの造形に関する方向性を定めていったり、斬新なロボット誕生に向けてアイデアをまとめていきました。
なお、ヤンマー本社は大阪、アニメ制作チームは東京のため、作業はすべてオンライン。オンラインホワイトボードでやりとりしながら作業を進めていきました。
2.ロボットデザインのコンセプトモデルをつくる
ここからアニメ制作チームにコンセプトアーティストとして、ガンプラのパッケージイラストなどを手がける井口佑さんがジョイン!
コンセプトシートをさらに噛み砕きながら、ヤンマーと制作チームの間でロボットのイメージを細かくすり合わせ、より”アニメのロボットらしい”造形へと近づけていきます。原案をベースに、より躍動感のある洗練された造形を追求しながら、細かなディティールを施していきました。
このときに誕生したコンセプトモデルは、「Anime Expo® 2023(以下、AX)」の出展に向けてスタチュー化しました。AXではスタチューの展示とパネルセッションを開催し、ヤンマーがアニメプロジェクトを大々的に発表!会場が熱気に包まれました。
3.アニメの世界観へ融合させるために、ロボットデザインとアタッチメントの設定を作りこむ
ここから一気に、アニメ制作が本格的に走り出します。ロボットデザインについてさらに詳細な作り込みを行うために、アニメの中でどのように活躍していくのかを軸に具体的な設定を詰めていきました。
同時に、ヤンマーならではのアイデアと物語に合わせたアタッチメントのラインナップを再定義し、アイデアを具現化していきました。
4.ロボットデザインとアタッチメントデザインが確定!
デザインのアイデアが固まってきたところで、今度は井口佑さんがロボットデザイナーとして本領を発揮します。
ロボットのアタッチメントをアニメの世界観へフィットさせるため、何度もアイデアと設定をアニメ制作チームとヤンマー間で協議しながらデザインへ反映。その都度、改良を重ねていきました。
最終的に、斬新だったアタッチメントのコンセプトを新たな時代の道具として活躍できる造形へと刷新し、デザインが完成しました。
3で決めた設定から、ロボットの造形も細部までアップデート。顔から関節部分、足先の造形に至るまで、ヤンマーと制作チームが密にコミュニケーションを取りながら、細かいディテールを詰めに詰め…アタッチメントを含めたロボットデザイン画の決定稿が完成しました!!!
5.モデリングで、アニメに登場するロボット完成へ!
4で描き起こしたデザイン画の決定稿をもとに、CGモデル制作会社へアニメ用の3Dモデルの制作を依頼。
デザイン画を立体に起こした際、イメージの齟齬が生じないよう、デザイナー、モデラーと議論を重ねながら造形していく作業を行い、実際の3Dモデルを動画や画像で確認しながら最終化していきました。
……現在のロボットデザインが完成!!
約1年の月日を経て丁寧に、細かく細かく調整を重ね、アニメの世界に降り立った未来のロボット。
立体化したロボットは生命力に溢れ(ロボットなのに!)、今にも動き出しそうです。さて、アニメの世界ではどのような活躍を見せてくれるのでしょうか…?乞うご期待です!!
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