『響け!ユーフォニアム3』 第三回「みずいろプレリュード」 視聴者ノート
絵コンテ・演出を担当されたのは以西芽衣さん、リズと青い鳥・目覚めるオーボエ・泣き虫サクソフォンなど過去の名作回からの引用や思わせぶりなカットが多く、山田尚子シリーズ演出が抜けた不安を一蹴してくれるようなコアな京アニファンを唸らせる回だったのではないでしょうか。
黄前久美子
進路を麗奈に聞かれて「未定」と・・・「音楽続けたら嬉しい」とも言われていましたが、冒頭のシーンへ繋がることを考えると、彼女はどうやってバトンを繋ぐ道を見つけるのでしょうか。廊下に掲示してあるチラシ達も示唆的です。
久美子の"全員" / "優しさ" 志向いつ始まったのか思い出せないのですが、なぜかこだわっていますね。全国金賞ですら高いハードルなのに、なぜ”みんなで"というハードモードを選ぶのか自分には理解ができませんでした。黄前相談所の”目指している所が同じで、ちゃんと話せばなんとかなる”というロジックだけで押し通せるのかは疑問が残ります。
OPのカットで一番おかしいと思っていた高坂麗奈と黄前久美子が反対方向を向きながら泣いているカット。2人の大事なことが少しズレているのが見えてきた3話ですが、いつか衝突しないと全国金賞の夢も叶わないでしょう。
義井沙里
耳を出すのは本音なのかもしれないし、左側なので本音を隠しているのかもしれない。解釈が難しいカットでした。髪をかきあげの演出はリズと青い鳥で"みぞれ"が行っていました。
初心者に辞めさせない、高坂麗奈との間を取り持とうとしてきた彼女らしいカット。リズと青い鳥でいえばリリリンの役回り。リリリンも今や一年生係となりました。鎧をこじ開けたと思えば、わざわざ久美子がでしゃばらなくても問題解決できたような予感もあります。
京都アニメーション作品にはキャラクターにとって心理的安全性が高い場所というのがあります。リズと青い鳥では"生物学準備室”。今回は神社の自宅です。そこまで押しかけられていて、最大のピンチとも言えます。背景に置かれている数々の物も"素数"や安全性を表現するものが多い印象でした。
全体的に"みぞれ"の演出、リズと青い鳥や目覚めるオーボエが下敷きになっているようなカットが多かったですね。この子は気持ちが救われたので無害化されそうですが、ボスが残っていますね。
メガネ
前回はお姉ちゃん思いの暴走キャラという感じでしたが、しっかりと策士 = メガネキャラの伝統を引き継いでいます。
高坂麗奈
高坂麗奈は北宇治高校吹奏楽部の目標に向かって頑張っていますが、背景がそんな彼女にバッテン・・・。
高坂麗奈が信用できるのは、こういう状況で本質を見誤って無いところ。3期の物語の土台を支えているのは圧倒的に高坂麗奈です。彼女がいなければ全国金賞の夢もスローガンになってしまう。現実社会でも目標にコミット、夢に手をかけようとする人が一番大変なんだけどね・・・京アニさんの演出は心なしか手厳しく、共感は集めにくいキャラクターだからこそ自分は応援したい。
黒江真由
久美子と真逆に人のことは気にしない"ひろゆき"みたいな事言ってましたね。自分も外部コンサル的な立ち位置で仕事するときには、あえて文化や歴史などを度外視した発言もすることもあるので少し共感してしまいました。彼女は天然ぽい不思議なキャラクターなのが不思議ですが・・・。
いろいろとロジカルな持論を述べた後に「極端だったよね」と左髪をさわり、極論を言ったつもりではないという演出。京都には髪の触り方で本音を伝える文化があるのだろうか・・・・ちなみに彼女の異様さは以下の記事で書いています。
まだまだ部外者という感じですが、サンフェスやオーディションなどの実力勝負の演奏が絡んでくるシーンで一悶着ありそうです。
その他
京アニファンのオタク友達の(パ)さんがめちゃくちゃ面白い考察していたのでリンクを貼っておきます。
時計の針の謎
相変わらず学校の中でだけ時計の針が描かれていません。
おまけ
引用
「響け!ユーフォニアム3 」より引用させていただきました。
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