見出し画像

【インターン体験記】自分のデータ分析が意思決定に活用される様子を間近で体験ー 理系院生が語るミラティブでデータアナリストとして働く魅力

はじめまして!2024年6月〜2024年9月にかけての約4ヶ月間、株式会社ミラティブでデータアナリストとして就業型インターンシップを経験した三木 貴弘と申します。

この記事では、理系院生の私がミラティブのインターンで経験したこと、感じたこと、そしてミラティブでデータアナリストとして働く魅力について書きたいと思います。ミラティブに興味のある方や、インターン先を探している方の参考になれば幸いです。


自己紹介

私は埼玉大学大学院理工学研究科/機械科学専攻の1年生です。大学院ではVRやMR関連の研究を行っており、現在は点群データの機械学習について研究しています。

趣味は筋トレやテニスなど、体を動かすことで、これまでに山登りやしまなみ海道サイクリング、フルマラソンなどにも挑戦してきました。

そんな私が、なぜミラティブのインターンを選び、どんな経験をしたのかをご紹介します。

ミラティブの選考を受けた理由

私がミラティブの選考を受けた理由は以下の2点です。

  • プロダクトに興味を持ったから

  • 意思決定を支援するためのデータ分析経験を積みたかったから

1点目に関して、「ゲームを通じて誰かとコミュニケーションをとることで、インターネット上の居場所となる」というコンセプトが非常に魅力的だったからです。

私は小学生の頃、ゲームが好きでよく放課後に友達と通信対戦などをしていた記憶があり、それをスマホアプリで実現しているのが面白いなと思いました。また、研究でVRを題材にしているため、メタバース関連の企業に興味を持っていたのも理由の1つです。

2点目に関して、大学でデータ分析の講義を受講する中で、「データ分析は手段であり、課題解決に繋げてようやく価値になるものではないか」と感じていました。

しかし、講義では提示されたデータを指示通りに分析するといった受動的な学びになっており、データを用いてどのように課題解決を行うか、イメージしにくいという課題がありました。そこで、意思決定を支援するためのデータ分析経験を積みたいと思いました。

以上の2点から、興味があるプロダクトのデータアナリストとして事業に深く入り込み、事業の意思決定に携わる業務をしたいと考え、ミラティブの選考を受けました。

ミラティブでやったこと

私が担当したのは、配信リスト改善プロジェクトです。配信リスト改善プロジェクトとは、ユーザーさんの状態に合わせた配信リストを表示することによって、ユーザーさんがMirrativ内で仲間・推し・ゲーム友だちなどができるきっかけを増やすプロジェクトです。

※Mirrativでは「おすすめ」や「ホープ」など、さまざまなタブがあります。配信リストとは、それぞれのタブに表示される配信一覧画面を指します。

配信リスト改善プロジェクトの中でも、私は「パーソナルレコメンド施策」を中心に携わりました。私が入社した当時、おすすめカタログにおいて、自分の好みの配信者さんを探しづらいという課題がありました。

その課題に対して、一部の視聴者さんに限定して、普段視聴している配信者さんに近しい配信者さんが表示されるレコメンドロジック(推薦アルゴリズム)を作ろうということになりました。

さまざまな業務を経験した中で、2つの業務テーマを紹介します!

1.レコメンドロジック検証の対象者数試算

これは最初に取り組んだタスクです。レコメンドロジックを検証するにあたり、どのくらいの人数の方を対象にするかを意思決定するために、現状の分析を行いました。

初めていただいたタスクということもあり、どこのテーブルにどのようなデータが入っているかや、SQLクエリの作成に苦労しましたが、分析チームの社員の方に何度も質問をし、毎回Webミーティングで丁寧に対応いただき、スムーズにキャッチアップすることができました。

リモート環境下でもすぐに質問でき、かつ手厚いサポートを受けながらタスクを進めることができ、非常に大きな成長の機会を得られたと感じています。

2.レコメンドロジックの改善提案

これはインターンの中でも特に思い入れのある業務です。

▼背景
業務の内容を説明します。まず前提として、配信者さんに属性がつけられており、各属性は口調やキャラクターなどさまざまなカテゴリに分類されています。

そこで、どのカテゴリの属性が「視聴者さんと配信者さんがコミュニケーションが生まれるきっかけ」において重要か、データを用いて示唆出しをするといったタスクでした。このタスクでは、定量評価と定性評価の両軸で分析し、示唆出しを行いました。

▼前提
以下、配信者 $${i}$$ が特徴 $${A}$$ を持っているかどうかをブール型で表し、変数 $${l_{iA}}$$ とします。変数 $${l_{iA}}$$​ は次のように定義されます:

$$
l_{iA}\in \set{ 0,1 }
$$

ここで、 $${l_{iA}=1}$$  であれば配信者 $${i}$$ が特徴 $${A}$$ を持っていることを示し、 $${l_{iA}=0}$$ であれば持っていないことを示します。
特徴の数を $${n}$$ とすると、各配信者に対して $${n}$$ 個の要素が存在する、ベクトル $${L_i}$$が配信者ごとに定義されます。これは次のように表せます:

$$
L_i​=[l_{iA1}​​,l_{iA2}​​,…,l_{iAn}​​]
$$

また、$${L_i}$$ が存在する配信者を $${N}$$ 秒以上視聴しているなどの条件で、視聴者側にもベクトルを定義することができます。

$$
V_j​=[v_{jA1}​​,v_{jA2}​​,…,v_{jAn​}​]
$$

レコメンドにおいては、と $${L_i}$$ と $${V_j}$$ の内積 $${I_{ij}}$$ が最大化するようなペアを見つけて推薦します。

$$
I_{ij}=L_i・V_j​= \displaystyle\sum_{k=1}^n l_{iA_k}・v_{jA_k}
$$

しかしながら、上記を毎回計算すると非常に計算コストがかかるため、より特徴として有意な $${A}$$ を見つけられないかということにチャレンジをしました。 $${A}$$ の数が少なければ少ないほど計算量も少なくなりますし、アノテーションも楽になります。

定量評価
私の入社前に、全ての $${A}$$ において $${I_{ij}}$$ を計算し、レコメンドとして提案するリリースがされていました。しかしながら、全ての $${i,j}$$ のペアで計算することは難しかったため、一部のユーザーさんに絞ってトライアルという形でリリースされていました。

私はその視聴データを分析し、「コミュニケーションが生まれるきっかけ」にどのような $${A}$$ が寄与しているのかということを調べました。それを精査することで、少数の $${A}$$ でレコメンドを成立させられるのではないか?ということです。

まずは、レコメンドされたペア $${i,j}$$ に対して、視聴時間 $${d_{ij}}$$ を定義しました。 $${d}$$ の大きさに関連する $${A}$$ はどのようなものか調査しました。

$$
d_{ij}=視聴者 j が配信者 i を視聴した総視聴時間
$$

このように定義し実際のデータを集計してみると、長時間の $${d_{ij}}$$ に顕著に現れる $${A}$$ が複数出てきました。数十の $${n}$$ に対しては十分少ない個数の $${A}$$ を特定することができ、計算量の削減には非常に効果がありそうだと感じました。

次に、本当にこの $${A}$$ が大きな寄与度を持つ変数なのかどうか定性的にも評価するために、下記のような定性評価を実施しました。

定性評価
定性評価に関しては、自分自身でも多くの配信を実際に視聴しました。その中で、自分だったらどういう属性をつけるかや、配信を見て感じたことなどを含めて主観的に評価しました。

このタスクでは、実際に私自身も3時間以上配信を視聴し、データだけでなく視聴者としての感覚や反応を踏まえた上で、いくつかの示唆を導き出しました。

結果
最終的に、定量評価と定性評価の双方を合わせて結論を導きました。結論としては、定量・定性の両面で一貫した傾向が見つかり、信憑性の高い示唆出しができました。

具体的には、有効なレコメンドに寄与する属性 $${A}$$ の特定ができるようになりました。詳細は公開できませんが、一連のデータの傾向や示唆は個人的にはミラティブらしい要素が強く表れているなと感じました。

確かにそうやって配信を見たり、データを見たりすると、その特徴によって自分自身も配信者さんとどれくらいコミュニケーションするか決めているな...という実感もありました。

$${n}$$ 個の $${A}$$ を評価しなくとも精度の高いレコメンドができることが判明し、計算量を大幅に減らす示唆を得られたことは大変いい結果だったなと思っています。

このタスクを通して、データ分析においては、数値的な情報だけでなく、イチユーザーとしての感覚や直感も大事な役割を果たすことを学びました。データが示す結果と、自身の視聴者としての体験を合わせて検討することで、より深い洞察を得ることができました。また、このタスクではメンター兼執行役員の坂本さんにもお褒めの言葉をいただき、とても嬉しかったのを覚えています。

ミラティブで感じたこと

1.前提を揃える大切さ

SQLのクエリの書き方に関してわからないことがあるときに、メンターの方への質問の仕方が非常に重要だと感じました。

特に、相談相手は自分のタスクの詳細や背景を知らないため、相手が理解しやすいように、まずは自分のタスクの背景や目的をテキストベースで整理してから相談することが大切だと学びました。

さらに、相手がどのような立場で、どんな情報が必要かを想像しながら質問することで、よりスムーズなコミュニケーションが取れるようになりました。これは単に情報を提供するだけでなく、相手の視点に立つことで、より効果的なやり取りができるという大きな学びでした。

また、ミラティブには「わかりあおうとし続けるガイドライン」という行動理念と行動指針の具体的な実践ガイドがあり、このガイドラインでも「前提を揃える」行動が推奨されています。他にも日々の仕事で推奨される具体的な行動が記載されており、社内全体で「わかりあおうとし続ける姿勢」が浸透しています。

2.発信しやすい環境

ミラティブのSlackでは個人のtimes(社内Xみたいなもの)があり、個人の学びや気づき、今困っていることなどを気軽に投稿しています。

気軽に発信できるため、timesを通じて誰がどんな業務に取り組んでいるのかが把握できました。また、直接相談するほどでもないけど、ちょっと困っていることがあれば、投稿することでゆるやかに協力を求め、誰かが声をかけて助けてくれるという良さがありました。

また、個人的には「meetくれ」と打ち込むと自動的にGoogle MeetのURLが送られてくる仕組みがあったので、コミュニケーションが非常にスムーズに行えて、リモート勤務の場合でも相談のハードルが低い環境だったのは良かったです。

3.ドメイン知識の大切さ

タスクで仮説立てをしていた際、分析チームのメンバーの方に相談したところ、回答が明確で解像度が高く、特にMirrativというサービスに対する深いドメイン知識が分析結果の質を大きく左右することに気が付きました。

特に、いきなりデータに飛び付いて定量的な分析をする前に、まずは定性情報から仮説立てて見るべき指標を絞ることが大事だと学びました。

データアナリストとして、データを十分に活用し、有効な分析結果を得るためには、まずしっかりとした仮説を立て、それに基づいたシナリオを練り上げることが不可欠です。

ドメイン知識があることで、特定機能の成り立ちやユーザーのマクロ的な傾向を理解できます。したがって、より具体的かつ信頼性の高い仮説を立てることができ、有益な分析結果を得られることを学びました。

ミラティブのデータアナリストの魅力

1.意思決定の場に入り込める

他職種と比べて、データアナリストはビジネスの意思決定に関わる会議に参加する機会が多く、私はインターン生でありながらも、毎週1回経営陣の方々との会議に参加させていただきました。

会議では、データに基づく分析がどのように戦略的な意思決定に影響を与えるのかを間近で学び、Mirrativへの圧倒的な熱量と解像度の高さを実感することができました。

実際のビジネス課題に対してデータを提供し、その結果が経営判断にどのように反映されるのかを間近で見ることができるのは、データアナリストとしての大きな魅力だと考えています。

また、データドリブンな意思決定をサポートし、自分の分析が企業戦略に具体的に貢献していると感じることができるのは、非常に魅力的だと感じました。

2.リアルタイムでデータを見れる面白さ

Mirrativはライブ配信プラットフォームであるため、ユーザーさんの視聴データなどをリアルタイムで確認できるのが非常に面白いです。

データアナリストとして、業務でデータがどのように集約されているのかわからなかった場合、実際に自らアプリを操作しながら、BigQueryでクエリを実行し、その結果としてデータがどこに集約されるのかを即座に確認できることも魅力の1つです。

リアルタイムでデータを見られることで、実際のアクションとそのデータの反映を直接結びつけて把握することができ、データがどのように扱われているのかを体感できる楽しさがあります。

3. 魅力的なプロダクト

Mirrativは、配信者さんと視聴者さんが双方向にコミュニケーションを取り合い、複雑なコミュニティと経済圏を形成するユニークなライブ配信プラットフォームです。
このような1つの社会の成長や変化を観察するかのような面白さをリアルタイムで分析できることは非常に魅力的だと考えています。

また、コミュニティサービスのため、多種多様なユーザーさんがいらっしゃるので、分析の切り口が多くやりがいがあります。配信者さんや視聴者さんの気持ちをリアルタイムで把握し、そのデータを元にユーザーさんが何を感じ、どのように楽しんでいるのかを深く分析することができるのはライブ配信プラットフォームの魅力だと考えています。

最後に

以上がミラティブでのインターン体験記になります。データアナリストとして裁量権の高い仕事を与えていただき、その結果として4か月で圧倒的な成長を遂げることができました。
自分の分析が実際のビジネス戦略にどのように反映されるかを間近で体験し、データドリブンな意思決定のプロセスに深く関与できたことは、私にとって大変貴重な経験でした。
メンターの坂本さん、keityさん、角永さんをはじめ、お世話になったすべての方々に心から感謝申し上げます。
ミラティブでは現在インターンを募集しているので、気になった方はぜひ応募してみてください!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?