ヒカキンが寿司ネタにされていた話
夏にスシローに行きました。
最近なにかと話題になっているスシローですが、私は好きです。
CMの「スシロー!」という男性の声がいいですよね。
あと寿司が美味しくて、ほとんど100円。企業努力の賜物であり、めちゃめちゃ享受しています。
ある盆に帰省し、地元のスシローへ入店。
すると入口前の柱たちにたくさんのイラストが貼られて飾られているんですよ。あまりにビターっと貼ってあったので「お札かな?」と思いましたが、絵でした。
それもキッズたちの絵でした。あら可愛らしい。
知らなかったんですが、スシローはこんなキャンペーンをやっていたんですね。
小学六年生までを対象とした食べたいお寿司のイラスト懸賞企画。
実際に店舗で取り扱ってるメニューはもちろんのこと、架空のオリジナル寿司も大歓迎のようだ。
子供達の豊かな想像力で描かれた寿司達に私は大興奮でした。
その後食べた寿司は忘れてしまったけど、この子供達のイマジネイチョンはとても心に残るものだった。
その中から個人的にとても良かったものを紹介していこうと思う。
(プライバシーに配慮しペンネームを消しています)
知られざるキッズ寿司の世界
やっぱ寿司だよね
まずは王道。見た事のあるお馴染みの寿司ネタが目に飛び込んできた。
スシローといえば天然インド鮪。期間限定メニューの「天然インド鮪8貫盛り」や「天然本鮪と天然インド鮪 食べ比べ」など、いろいろな所でインド鮪の文字を見る。
やっぱキッズも好きなんだなインド鮪。みんな大好き天然マグロ。そりゃあこんだけ頑張ってればね、みんなマグロの虜になるよね。
お皿も彩りがあって美しい。ステキなマグロのイラストでした。
この子のマグロ好きは並大抵じゃないと思う。
なぜなら、
たぶん「天然インドまぐろ」の作者と同じだ。
「天然」の筆跡やお皿のカラーリング、そしてマグロ好き。
マグロのイラストで複数応募をキメていた。
この店舗にはとんでもないマグロフリークが潜んでいた。
ラッセンがたくさんのイルカの絵を描くように、この方はたくさんのマグロの絵を描き応募している。スシローのラッセンだ。
しかもこのラッセン、なかなかにミーハーで、どうやら「天然とろびん長」は2022年GWの限定メニューのようなのだ。
ナイスラッセン。ナイスマグロ博士。スシローのマグロソムリエであってくれ。
そして広めてくれ、教えてくれ、マグロのこと。
ラッセン以外にも、他の作者による素晴らしいイラストがある。
スシローがかっぱを当選させていた。
それはさておき、お皿のカラーリングの豪華さ、キュウリのグラデーション、海苔の質感、シャリの詰まっている感じ。
これは選ばれるな、と思った。「スシロー」ロゴが真っ赤で目立つのもかっこいいと思った。
かっぱ巻きでなく、描きたかったのは「かっぱ」。
AIに描かせたのか、AIに題名を付けてもらったのか。鶏が先か、卵が先か。
お寿司の奥は深い
ここまでが実在するお寿司達。スシローで食べられるネタ達だ。
ここからはスシローでは食べる事のできない子供達のイマジネイチョンに刺激を受けることになる。
子供達の思い描く寿司達はとても不思議で、とても可愛い。
大人には作れない世界がある。ルパン三世のBメロみたいな寿司達をどうぞ。
まずは「さーよん」。めちゃくちゃ可愛い。
「も」の字が左右逆になっているので、異なる名称になった。
おそらくフランス料理に影響を受けている「さーよん」。
中央のお寿司の周りにオシャレなソースがカラフルに配置されているので食べるのが勿体無い一品。
…のようにも見えるが、たぶん世界各地から集めた6つの石を使って封印を解く的な、そっちのワクワクRPG展開を寿司に落とし込んだ可能性もあるなと思った。
「赤は情熱、青は冷静さ、ピンクは優しさの心が閉じ込められていて…」
想像が膨らむ。
よく見てみるとお皿上部に書かれているのは「寿司ネタ名」ではなく「作品名」。
確かにどれも素敵な「作品」だ。
「えび」も良かった。一生懸命描いたんだろうな、というのが伝わる。
すごく線や色が薄いのだが、そのディテールがなんとなく甲殻類っぽい、虫っぽい感じがするのだ。ザリガニっぽくも見えるな、と思った。
文字は左が緑、見切れている右側が青になっており複数色を使う意匠が見て取れる。ナイスだ。
ここから少しずつキッズのイマジネイチョンが増幅されていく。
願望が出てきた。
「どちらかといえばペンネームっぽいな」と思ったその作者の思いはペンネームではなく作品名になった。
ちょっと言葉のリズムに「遠くへ行きたい」を感じた。
やっぱりみんな大好きマグロ。
マグロをただ描くんじゃなくて、「食べたいんだ」っていう思いを伝える。
その情熱が我々を動かす。
この作者なりのコマーシャルなのかもしれないと思った。
「なとーまきのなとおが」。
余韻を残す作品名だ。
お寿司の部分も納豆巻きが2つセットではなく1つだけ。半分食べちゃったのかもしれない。
そのうえで何か思うことがあって、美味しんぼの栗田ゆう子のように「納豆巻きの納豆が…」と。その思いが作品名に現れたのかもしれない。
教えてくれ。納豆巻きの納豆がどうなったんだ。続編を描いてくれ。
読ませるタイトルだ。
最高にかわいいお寿司もあった。
「にじにじ」と「ぼれんぼれん」だ。
Kawaiiスシの二大巨頭として君臨した2つのネタ。
めちゃくちゃかわいい。
「にじのお寿司が食べれたらな」、もうこれでかわいい。
大人の考える虹のお寿司とは比べ物にならないくらい純粋な気持ちが現れている。
Blenderを使った3DCGで作るリアルな虹寿司なんかより、この「にじにじ」のほうが200倍いい。
「ぼれんぼれん」はイマジネイチョンの究極たるところで、多次元世界から寿司を見るとこうなのかもしれないと思った。
形も色彩も常識に捉われないところが、子どもの良さだなと思う。
だが、そんな「ぼれんぼれん」よりも常識に捉われない寿司があった。
HIKAKINが寿司になっていた。
HIKAKINへの愛がカニバリズムを生んでしまった。
「あなたのことが好き。だから、食べないといけないの」
恐ろしい論理で寿司皿サイズに小さくなってしまったHIKAKINは、ちょっと左寄りに描かれていた。ゲストが登場するスペースを意識していた。
対偶は「あなたのことが好きじゃない。だから、あなたを食べないといけなくないの」。
ダンスフロアに華やかな光が差し込みそうな日本語表現になった。
起きたら寿司になっていた。そんなグレゴール・ザムザを感じる作品だったが、寿司になってしまったのは彼だけではなかった。
パパも寿司になっちゃった。
しかも、ねぎとろによって。
黒点付きのマグロっぽいそれは、マグロではなくパパ。
しかも創造主はねぎとろ。
「マグロとお皿の文字の赤はパパの赤なのかな」と深読みしてしまう。
高級感あるお皿に一貫の大きなパパ。
真面目に解説するとおそらくスシローで販売されていた「特ネタ本鮪赤身」の一貫バージョンなんだと思う。黒点はわさび。
「パパ…帰ってきて…」
納豆巻きの納豆がどうなるより、パパの安否が心配だ。
こどもスシロー、最高
この他にもたくさんの絵が飾られていた。
「こんな寿司が美味しかった」「こんな寿司が食べたい」
思い想いの角度で描くイラストはどれもイマジネイチョンに溢れていて飽きなかった。
大人になると「こんなことしたら面白いんだろうな」みたいな心が芽生えてしまうものだが、子どもはそんなことも考えずに非常にピュアだ。
ボケやウケ狙いのない純粋な世界。
大人が戻りたくても戻れないユートピアがそこにはあった。
来年のイラスト達も楽しみだが、まずは食欲の秋。
目の前に現れる旬の魚達を楽しみにしたい。
みんな、スシローへ行こう。