サインデザイン分析 #1 韓国編
今年の1月に韓国に行ったので、仁川空港で見たサインデザインを分析していきたいと思います。分析というか、自分が感じたり思ったりしたことを忘れないように書いているような感じなので、気軽に読んでいただけると幸いです。
1 ピクトグラムたち
仁川空港でピクトだけの案内板を発見!なんだか斬新。日本ではこれだけの数並んでいるのはあまり見ない気がします。
ぱっと見わかりづらいものもちらほら。右端の鳥と?のピクトは未だに解明できません…
ピクトグラムに頼り過ぎな感じはありますが、余白もあってごちゃごちゃした感じはしません。マップもかなりシンプル。ただ、距離感が掴めなくて、少し迷いました。
とりあえずトレースしてみることに。フォントはおそらくFrutigerですが、持っていないので、Tahomaで代用しました。
かわいい!サウナのが一番好きかなぁ〜
そんなことより…
案内板によって①ピクトだけ と ②ピクト+文字 の2種類あったんですが、ピクトが同じものがあって、コピペしながらつくっていたら、
若干形が異なるものを発見🧐 これには何か意味があるのでしょうか。
同じ空港内だから、統一したデザインがいいのではと個人的には思いますが。
文字との相性とか関係してるのかな〜とぼんやり考えました。
そもそも文字情報がなくても伝わるようにしたのがピクトグラムなのだから、文字はいらないのでは?と思ったり。
それと、AirlineOfficesに至ってはピクトではありませんでした。
両替のピクトも、よくみると通貨の種類が異なっていました!
なぜ? この表記通りの通貨しか両替できないことはないはず…
2 デジタルの案内板
仁川空港出発ロビーにあった案内表示。大きさは多分3m × 12mくらい。
デジタル表示になっていて数秒で広告に切り替わります。表示をみていたら急に画面が広告になってびっくりしました。
(切り替わる秒数を計測しておけばよかった...)
私が感じた問題点は3つ
⑴ 28や4Fなど繰り返しの情報がある
異なる言語でも数字や記号などの共通した部分は省くべきだ。どこを見ればいいのか分からなくなりますから。
⑵ 搭乗口番号 (101-270) / 場所の番号 (28) と 階 (4F) の区別がない
番号と階は別のカテゴリーだから同じ色にするとややこしいと思うのです。フォントは統一性を図るために同じでもいいと思いますが、色は見直すべきだと感じました。
⑶ 日本語が英語
きっとtax refoundが分からない人は、タックスリファンドにしたところで分からないはず…だからカタカナにするくらいなら、表記しないか、日本人が分かる訳にすべきだと思います。ブックカフェも、わざわざカタカナにする必要性はないと感じます。たとえbook cafeが分からなくても、さほど困らないと思いますし…
問題点を踏まえて、改善案を考えました。フォントはDINです。
意識したことは情報の優先順位。重要度の高い順に
①搭乗口番号 ②tax refund ③book cafe
と考えて、情報を整理してみました。搭乗口番号は大きくそして、瞬時に伝わるピクトグラムを使い、文字情報は排除しました。
全てを訳すのではなく、必要な部分だけに絞ることで情報量を最低限に抑えました。
そして、背景色は空港内の他の案内板と揃えました。
これがベストなのかはわかりませんが、とりあえず今自分ができる改善をしてみた結果こうなりました。きっと、外国人からみたらもっと違う問題点が出るんだろうな。デザインと言語は深く関係してるなぁと改めて感じました。
3 遠くから見ると
これも仁川空港。いよいよ搭乗口へ。
搭乗口番号の案内板が見えたのですが、手前のカフェPASCUCCIのロゴが邪魔して、やや見えにくいことが気になりました。サインデザインは本とかとは違って、周りの空間を考えなければならないのが難しいなと思います。
さらに、38と37は左、34は右なのでしょうが、ぱっと見た時、37が右かと思っていしまいました。区切りとして37と34の間には、細い縦線が入っていますが、37と34の文字間が狭くセットのように見えてしまします。
37と34の文字間をもう少し開ければもっと良くなると思いました。
4 まとめ
今回は韓国仁川空港で見たサインデザインを分析しました。
日本人の視点で日本語の組版をより注意深く見てきたつもりでしたが、違和感のある日本語は見つかりませんでした。
全体的に日本の空港よりもピクトグラムを多用している印象でした。
インフォメーションなど、立ち止まって目的地を探したりする案内板も多くの情報が盛り込まれているわけではなく、かなり情報が絞られていました。
詳しい情報を期待していたので、なかなか欲しい情報が見つからないという事態もありましたが、至る所に案内表示があったのでそこまでわかりづらい感じはありませんでした。