見出し画像

スーパーアニュエーション徹底ガイド

オーストラリアで働く皆さん、給料明細に「Superannuation」という項目が気になった方も多いのではないでしょうか?難しそうな名前ですが、実はとてもシンプルな仕組みです。今回は、この制度について詳しく解説していきます。

基本の仕組み

スーパーアニュエーションは、オーストラリアの「将来のための貯金制度」です。日本でいう企業型確定拠出年金制度(通称401K)です。個人型はiDeCoと呼ばれているので、もしかするとこの名前の方が馴染みがある方も多いかも知れません。

iDeCoは個人型なので加入は任意ですが、に似ていますが、企業型の大きな違いは「働いている人は必ず加入しなければならない」というところです。なぜなら、企業が皆さんに変わって年金を積み立ててくれるからです。これが企業型の大きな特徴です。

ワーホリの人も、留学生も、パートタイムやフルタイムで働くオーストラリア人も、働いていれば必ず関係してくる制度です。日本では自分で年金や貯金を管理することが多いですが、オーストラリアでは会社が従業員のためにお金を積み立てることが法律で決められています。

具体的な計算方法

会社があなたの給料の10.5%を追加で支払い、専用口座に積み立てていきます。

○例えば時給$25で週20時間働いた場合...
週の給料$500(時給$25×週20時間)
$500×10.5%=52.5

この$52.5が毎週会社が積み立ててくれる金額です。
給料とは別に会社が支払うお金なのであなたの手取りから減ることはありません。

対象になる人は?

  • 18歳以上:給料の額に関係なく、必ずもらえます

  • 18歳未満:週30時間以上働く場合、または雇用契約書がある場合

  • ワーホリビザの人:もちろん対象です!

  • 学生ビザの人:働いていれば対象になります


ファンドの開設

口座の開設方法は主に3つあります。それぞれのメリットを見ていきましょう。

1. 会社が開設してくれる場合
最も簡単な方法です。雇用時に必要書類を提出するだけで、会社が全ての手続きを行ってくれます。ただし、自分の口座情報はしっかりメモしておく必要があります。

2. 銀行で開設する場合
ANZ、コモンウェルス、ウエストパックなど、主要な銀行で開設可能です。通常の銀行口座を開設する際に、一緒に手続きができることが多いです。日本語対応可能なスタッフがいる銀行もあるので、英語に不安がある方におすすめです。

3. オンラインで開設する場合
人気なのは「AustralianSuper」です。オーストラリアで10人に1人が使用している大手で、10年連続で最も信頼されているスーパーファンドに選ばれています。手数料が安く、運用実績も良好です。

口座開設に必要な書類は以下の通りです:
・タックスファイルナンバー(TFN)
・パスポート
・オーストラリアの住所
・電話番号
・メールアドレス

帰国時の手続き

スーパーアニュエーションで特に重要なのが、帰国時の手続きです。以下の条件を満たせば、積み立てたお金を受け取ることができます:
・ワーホリや学生ビザで働いていた
・オーストラリアを出国している
・ビザが失効している
・永住権を持っていない
・オーストラリアやニュージーランドの市民権を持っていない

申請の期限にも注意が必要です:
・ビザ失効から6ヶ月以内の申請がベスト
・最長でも5年以内に申請する必要がある
・期限を過ぎると受け取れなくなる可能性がある
・早めの申請がおすすめ

申請方法は主に2つあります:
1. オンラインでの申請
・ATOのウェブサイトから直接申請可能
・処理期間は約4~6週間
・日本の銀行口座でも受け取りができる
・手数料は無料
・英語での手続きが必要

2. 税理士に依頼
・英語に自信がない場合におすすめ
・日本語対応可能な税理士も多数いる
・手数料がかかる
・手続きの手間が省ける


知っておくとお得な情報

・1年間フルタイムで働くと、約1,000ドル程度の返金が期待できます
・複数の会社で働いても、一つの口座にまとめることができます
・現金払いの仕事では支払われないことがあります(これは違法です)
・口座残高はオンラインでいつでも確認できます
・返金時には税金が差し引かれます(通常35%程度)
・オーストラリアの口座を解約していても、返金を受け取ることができます
・スーパーの特約でTPD保険に入っているか確認しましょう
 → 大きな病気やケガをして永続的に仕事が出来なくなった場合に、大きな補償を得られます

まとめ

スーパーアニュエーションは、オーストラリアで働く全ての人の権利です。少し面倒に感じるかもしれませんが、きちんと管理すれば帰国時にまとまったお金が戻ってきます。分からないことがあれば、会社のスタッフやATOのヘルプデスク、日本語対応の税理士に、また、TPD保険の利用は弁護士までご相談くださいね♪



TPD保険のご相談はこちら↑↑