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まず、粗筋より始めよ―書評を書いてみるの巻

オンラインの翻訳講座を受講したご縁で、2年ほど前から書評を書く機会をいただくようになりました。先日の『ビロードの耳あて』で、図書新聞に掲載していただいた書評がようやく10本目です。

講座の卒業生(2クール受講したら「卒業」扱いとなり、自主勉強会に移行)のみなさんが書かれたすばらしい書評を読んで、この人たちは何者!? と衝撃を受けると同時に、わたしには到底無理・・と思っていました。

だから、「書評を書いてみませんか?」と初めて声をかけていただいたときも、ずいぶん悩みました。でも、せっかくの機会なのだから勉強させていただくつもりで挑戦しよう!と決心し、まずは書評って何を書けばいいの?というところからスタート。

その時に読んだのが、豊﨑由美さんの『ニッポンの書評』でした。小説を大八車にたとえて、作家、批評家、書評家、それぞれの役割を説明される文章になるほど!と思いました。

小説を乗せた大八車の両輪を担うのが作家と批評家で、前で車を引っ張るのが編集者(出版社)。そして、書評家はそれを後ろから押す役目を担っていると思っているのです。

豊﨑由美『ニッポンの書評』

具体例も多く、わかりやすい内容ですが、だからといって、すぐに書評がすらすら書けるわけではありません。
ただ、「粗筋紹介も立派な書評」という言葉にすがる思いで、時間をかけてメモをとり、誠実にあらすじを書くことを心がけました。

また、書評を書く対象に似ている作品を探し、実際に新聞に掲載された過去の書評を読んでみました。たまたま、まさに豊﨑さん言うところの「オレ様」書評に遭遇し、こんなのアリ~? とちょっと驚きましたが、反面教師としてよいサンプルだったと思います。

その後、豊﨑さんが講師の書評講座に思い切って参加するようになり、そちらでも数回、書評を書きました。そう簡単に上達はしませんが、注意すべき点に気づかされ、他のメンバーの書評に刺激を受け、貴重な機会となっています。

今年(2025年)は放送大学で日本語に関する科目を受講しようかなと検討中。微力ながら「大八車の押し手」となれるようがんばります。

※トップ画像は「大八車」で検索したもの。実は、リヤカーを思い浮かべていたのですが別物ですね。。


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