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ペロブスカイト太陽電池の可能性

 パナソニックがガラス建材としてのペロブスカイト太陽電池の量産に入りそうに見える。都市の壁面への設置は、日中の発電供給量の平準化にも寄与するものであり、期待はしたいところである。


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ペロブスカイト太陽電池の可能性には高いものがある(2024-09-09 14:17)

 従来のシリコン太陽電池では、その製造段階で大量のエネルギー消費を伴なう為、用途としては発電に最適な立地と設置運用が前提となり、結果として、その設置自体で森林伐採や農地転用等のCO2吸収を減少させるばかりか災害の誘因として自然破壊リスクを強める等の逆効果を招いているからです。
 ペロブスカイト太陽電池は、シリコン太陽電池に比べ、現時点では発電効率は未だ及びはしませんが、印刷技術での製造量産が可能であり、その製造時のエネルギー消費が格段に少なくなっていることが、発電専用部品としてではなく、日光が当たる箇所の建材の表面や建材そのものに装着した商品化の量産効果で、より安価に生活空間の隙間を埋める形での利用を拡げる可能性を持っています。

 壁張り、窓ガラス建材、屋根建材として安価に普及するならば、方角に関係無く建物全面にペロブスカイト太陽電池を覆い尽くすことも可能になります。多少変換効率が低く発電時間や照度に制約が在っても製造時エネルギー消費が少ないのでその分の回収時期は高くなりますし、全体としての発電時間は日中いっぱいに拡がり、電力消費の需給バランスへの影響度も緩和方向に持って行けます。
 一般的なメガソーラーでは、その地の南中時の日射角度に最適化した角度で方角も含め固定し設置していますので、全日快晴を前提にしても毎日南中時に最大の発電を行ない、前後は角度次第で減衰しているのです。それが同一経度で毎日起こっているのです。
 日本の国土の時差は約1時間程ありますので日中夜間の比が12:12として、東から日に1時間分発電のピーク時が移動しているのです。これに天候による局地変動が加わり、電力送電網のメガグリッドの需要平準効果ともその供給変動とのバランスをとることが、給電事業の必須要件なのです。
 ペロブスカイト太陽電池の配置だけて需給バランスの最適化は出来ませんが、多少の緩和には役立ちます。

 パナソニックのペロブスカイト太陽電池はガラス建材としての商品化予定とのこと。これは稼働窓に設置することは原則出来ませんが、
 高層ビルの壁面積は建屋面積よりも広く東西南北全面の窓に採用すれば、日の出頃から発電量が上がり東と日の窓は、南中頃には減衰傾向になります。
 南の窓も特に夏至の頃は真上近くの日射角度なので窓の発電効率は必ずしも高くはならないのです。その意味で発電量の平準化が図れるのです。
 多分、ビルのオーナーは真南の窓にはペロブスカイト太陽電池を付けないかもしれません。真東真西のみとするかもですね。壁の方位角は敷地の形状と道路の方向等で決まるので、高層ビルでのペロブスカイト太陽電池の活用は発電量分散で平準化につながる可能性は高くなります。
 無論、そうは言っても夜間電力需要には全く応えることは出来ず、昼間に揚水する揚水発電と不足を補完する火力発電の稼働が必須になりますし、基底需要を満たすベースロード電源としての原子力と大型火力発電所の常時稼働は必須なのです。

 人類の日没後の活動をエジソンの電球発明以前に戻し日没と共に就寝する様に戻さない限りベースロード電源は必要なのです。私はCO2削減はイデオロギーと経済的権益としては必要とされているだけで、現実世界への影響は無いと考えていますが、自然エネルギーでの解決は、生活スタイルの変更よりも無価値なのです。

 日没と共に就寝すれば、夜は長い。それだけで少子化も解決される。時間も江戸時代式に日の出、日の入りを決める様にし、例えば日没後2時間つまり一刻以降は供給を絞る契約を拡めたら、夜の世中は暗くなるけど、将来は明るくなり人口増加で活気は出ます。それがペロブスカイト太陽電池が拓く明るい未来なのかもしれませんよ。生物としての人には、CO2削減の前にすることがある。

 尚、一般家庭では、窓に貼り付けると暗くなり、結局日中も照明を点けることになります。高層ビル同様に東西の壁と屋根が順当なところかと思います。


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