メルカリ出品で見つけたもの
3月19日、旦那に「メルカリに出品する」と宣言した。
今までメルカリはやったことがない、というか見たこともなかったのだが、大量に抱えたドール小物の処分法として最適に思えた。
ヤフオクに始まりネット通販、イベント販売と20年以上続けてきたドール小物の輸入販売。
コロナ禍でドールイベントの中止、参加の自粛があいまって4年のブランク。ただでさえオールドストックだった在庫がさらにオールドになってしまった。
そこに乳がん。昨年7月に手術、右乳房全摘、リンパ郭清。抗がん剤治療・放射線治療と続き、現在はホルモン治療中(たって薬飲むだけだけど)。
1月に放射線治療を終え、3月に在宅の職場復帰。
6月のイベントへの参加も検討したのだが、リンパ郭清でリンパ浮腫にちゅうしなけらばならない。重たいものを持ったり、過労は大敵。
大箱を一人でやっさもっさするのは、もう無理かも。
そんなこんなで導き出した結論だった。
決めたことは、無理はしないこと。
在庫を置いているお義母さんの空き家で、自転車で持って帰れる分だけピックアップするだけで、ぜいぜい。
スマホで物撮りしてPCにダウンロードしてGIMPでトリミングするだけで、ぜいぜい。
PCで出品手続きをするだけで、ぜいぜい。
でも、売れだすと面白い。
定型文書だけのやり取りで済ますこともできるのに、一言、感想を書いてくれる人がいて嬉しい。
放射線治療が終わるまでは、ゴミ捨てにすらいかずにこもっていた。
職場復帰後も、恐る恐るの慣らし運転だった。
しかし、一日にいくつも売れ、ポストへ往復したり、ちょっと離れた郵便局に自転車で往復したりしているうちに、すっかり乳がんになる前の生活に戻っていた。
ひそかに自慢していたものが売れ、喜んでもらえると本当に嬉しい。
白くてふかふかの毛皮が気持ちいいこのウィグ用毛皮は、これが最後となった。なかなかイベントでは売りにくかった商品だけど、リピーターがついてうれしかった。
別の品物を探していて偶然、見つけたウィグの大箱。中には一番人気のプラチナやハニーブロンド、パステルピンクのモヘアウィグが。
なんで今まで見過ごしていたのだろう?
エイジングしてしまった箱からウィグを取り出してジッパー袋に詰め替え、空き箱をつぶしながら、暑いフィリピンでこの箱を組み立てていた人たちに思いを馳せる。
クリックポストでも使える発送用段ボールを組み立てながら、韓国映画「パラサイト」で半地下に住む一家がピザの箱を組み立てるシーンを思い出す。
ウィグの袋の空気を抜いてノシイカのようにぺったんこにして、厚さ3センチの箱に収め、クリックポストでポストに投函する。
4つも立て続けに投函したら、入り口から手を入れると触れる状態になり、あふれるのではないかとビビる。
梱包材を選んだり、ピンクの布テープで封をしたり、イラストをあしらった発送元シールを作ったり。
そうした作業が楽しい。
ちょっと遠のいていたけど、ドールとドール小物が大好きだった自分を見つけた。
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