見出し画像

読書メモ|2030年ジャック・アタリの未来予測

2015年に執筆されて、2017年に日本語版が出版されています。おじいさんなのであまり期待しなかったのだけどさすがでした。「未来」のことを断言するのは嘘つきだと思ってたけど、色々当たってます。アタリなだけに!

4.国の巨額債務バブルの崩壊は、中央銀行が大量に供給する調達コストがほぼゼロの流動性によって引き起こされる。いずれにせよ、巨額の債務は維持できなくなり、金利と物価は急上昇する。特に日本が抱えるリスクは著しく高い。その理由は、日本はすでにマネタイゼーション(日銀の国際買入れ)を積極的に行っているからであり、また、人口に占める退職者の割合が増えるため(彼らは生活のために預金を取り崩す)今後5年の財政収支は赤字で推移するからだ。日本の危機により、日本円の価値は大幅に下落する。

第三章99パーセントが激怒する P165

2022年現在、日本円の価値は大幅に下落してますよね!

世界最古の民主国家インドは、2022年ごろに人口ランキングで中国を抜き、世界一になる。

第一章 憤懣が世界を覆い尽くす P83
出所:国連「世界人口推計2022」(中位推計)を基にジェトロ作成

国連が11日に発表した報告書によりますと、2022年の時点で、世界トップの中国の人口は14億2600万人、世界第2位のインドは14億1200万人としています。そして2023年にはインドが中国を抜いて、世界最多になると推計しています。インドの人口はその後も増え続け、2050年には16億6800万人となり、中国の13億1700万人を大きく引き離すと見ています。

NHK NEWSWEB

これも当たり!

あと、さすがだなと思ったのは読みやすいこと。もともと活字中毒の自分でさえ、以前より格段に文字読むの苦痛です。この本は見出しと少しの説明なのでとても読みやすいです。

で、予測してこれからどうするかなのですが、結論としては、「利他」です。

われわれは、現代を席巻する利己主義、貪欲さ、野蛮さなどに代わる、利他主義、共感力、優雅さの倫理を次世代の利益にいかすために、死ぬ瞬間まで必死になって闘わなければならないのだ。

第四章 明るい未来 P183

最後に、快適な時間を過ごす手段を自身に与えると同時に、他者もそうした時間を過ごせるように手助けしながら幸せで持続的な世界を作り出すためにすべきことが10段階紹介されています。

  1. 自分の死は不可避だと自覚せよ

  2. 自己を尊重しろ、自分自身のことを真剣に考えろ

  3. 変わらない自分を見つけろ

  4. 他者が行おうとすること、そして世界の行方について、絶えず熟考しながら自分自身の意見をまとめろ

  5. 自分の幸福は他者の幸福に依存していることを自覚せよ

  6. 複数の人生を同時かつ継続的に送る準備をせよ

  7. 危機、脅威、落胆、批判、失敗に対する抵抗力をつけろ

  8. 不可能なことはないと思え

  9. 実行に移す

  10. 最後に、世界のためにも行動する準備をせよ





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?