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読書メモ|サイコロジー・オブ・マネー|モーガン・ハウセル

低コストのインデックスファンドにドルコスト平均法で投資することが、ほとんどの人にとって長期的に成功する確率が最も高い投資法だと考えている

第20章 告白 私の「投資」に対する考え方

結局、これに尽きる。同感です。

私たちはウォーレンバフェットを目指してはいけない(略)誰かの成功や失敗の原因が100%その人の努力や判断にあると思い込むことにも注意が必要だ。(略)大切なのは、特定の個人の事例ではなく、もっと大きなパターンに注目することなのだ。

第二章 運とリスク P55

何事も見かけほど良くも悪くもない(略)必ずいつかは偶然が自分にとって良い方向に働く時が来ると信じながら、プレイし続けるのだ。

第二章 運とリスク P57

このインデックスファンドの4割の企業は実質的に倒産している。だが、7%の構成銘柄が極めて優れたパフォーマンスを示したことで、十分に相殺できたのだ。(略)このように株式市場で得られるリターンの大半は、少数の超優良企業の株が占めている。これらの企業の内部にも、さらに多くのテールイベントがある。2018年Amazonは『S&P500』のリターンの6%を牽引した。そのAmazonの成長の大部分は「Amazonプライム」と「Amazonウェブサービス」が牽引したものだ。同じくリターンの7%を占めているアップルの成長を牽引しているのは「iPhone」である

第6章 テールイベントの絶大な力 P113

投資において今日「何を」するかは重要でない「周りの人間が正気を失っている時に、普通のことができる者である」ことが大切

(前提)
1900年から2019年まで毎月1ドルずつ貯金したとする
(行動)
「スー」相場に関係なく毎月米国の株式市場に投資する
「ジム」景気が交代したら株式を売却して現金で貯金し、景気後退が終わったら株式市場に投資する
「トム」景気交代から6ヶ月後に株式を売却し、景気後退が終わって6ヶ月後に投資を再開する
(結果)
スー 43万5551ドル
ジム 25万7386ドル
トム 23万4476ドル

第6章 テールイベントの絶大な力 P117

この業界で際立って優秀な人でも、正しい判断をするのは10回のうち6回程度だ

第6章 テールイベントの絶大な力 P119

『我々の作品がヒットする確率は高すぎる。もっとリスクをとれ、もっとクレイジーなことに挑戦しろ』とネットフリックスCEOリードヘイスティングス

第6章 テールイベントの絶大な力 P119

どんな高い給料よりも、どんなに大きな家よりも、どんなにステータスのある仕事よりも、「好きなときに、好きな人と、好きなことができる」生活を送れることの方が、人を幸せにするのである。(略)お金が人生にもたらす最大の価値は「自由」

第7章 自由 P126

モノではなく時間こそが人生を幸せに導く『1000人のお年寄りに教わった30の知恵』の著者カールピレマーがインタビューした人たちが大切にしていたのは、温かな友情、高貴で大きな目的のための活動への参加、子供たちとゆったり過ごす充実した時間などだった。

第7章 自由 P137

お金には多くの皮肉がある。中でも重要なのは「豊さは目に見えない」というものだ(略)人は目に見えるものから誰かの豊さを判断しようとする。それが目の前にある唯一の情報だからだ。他人の銀行口座の中や、証券会社の明細を見ることはできない。(略)車、家、インスタグラムの写真、(略)しかし実際には、富とは購入しなかったら高級車であり、買わなかったダイヤモンドである。身につけていない時計、着ていない服。乗らなかったファーストクラスの座席である。富とは、目に見えるものに変換されていない金融資産のことなのだ・

第9章 本当の富は見えない P145

これが私たちが富を築くのが難しい理由だ。世の中には地味に見えて実は裕福な人や、裕福に見えても破産寸前の生活をしている人がたくさんいる。

第9章 本当の富は見えない P151

高い投資リターンや高い収入を得られればそれは素晴らしいことだ、達成できる人もいるだろう。だが、それは自分でコントロールし難い。(略)個人がお金を貯蓄し、倹約することは、唯一コントロールでき、将来的に確実な効果が期待できる

第10章 貯金の価値 P157

収入-エゴ=貯蓄
知性の競争が激化し、従来の技能の多くがテクノロジーにとってかわられた世界では、優位に立てるのは、コミュニケーション力や共感力など数値であらわしにくいソフトスキルを持つ人材だ。中でも重要なのが柔軟性を持つことなのだ。貯金がもたらす余裕があれば柔軟性は高まる。(略)時間や人生をコントロールできることは、世界で最も価値のある「通貨」になりつつある

第10章 貯金の価値 P163

発熱すると、体の免疫系が活性化します。熱は体が感染症と闘うのを助けているのです。37から40度程度の発熱は、病気の子供にとっては好ましいことなのです」(シアトル小児病院のウェブサイトで提供している情報)
熱は生物の進化の中で体を守るために膨大な時間をかけて築き上げられた仕組みなのに、親も患者も医師も、もちろん製薬会社も、発熱は速やかに排除すべき不運な出来事だとしか考えていない。こうした考えは科学の見解とは一致しない。ある研究者は「ICU環境で発熱を治療しようとするのが一般的なのは、科学に基づいているというよりも、独断に基づいた古い慣習に従っているだけだと言える」と述べている

第11章 合理的>数理的 P169

経済学者でさえ、数学的に正しい投資戦略を取れない

第11章 合理的>数理的 P171

「知らない企業」より「好きな企業」への投資がリターンを生む理由(略)前述した通り、不況時にも同じ戦略を貫くことほど、長期的に投資のパフォーマンスを上げる要因はない(略)企業理念や製品、運営方針など、投資対象の企業に関心があれば、悪い時期(必ず訪れる)も応援している気持ちが生まれ、途中で諦めずに継続するモチベーションになる

第11章 合理的>数理的 P175

「人は家族のためという理由で何かをするものだ。確かに私がしていることは一貫性がないかもしれない。だが、人生は常に一貫しているわけではないんだ」ジャックボーグル バンガード社(世界最大級の資産運用会社)創業者

第11章 合理的>数理的 P169

ファイナンスの答えは過去にない
投資をハードサイエンス(物理や数学のような分野)として捉えれば、歴史は未来への完璧なガイドとなる。地質学者は過去10億年分ものデータに基づいて地球の今後の変化を予測するモデルをつくれる。気象学者もそうだ。医師が扱う人間の肝臓も、2020年と1020年でその働きが違っていたりはしない。しかし、投資はハードサイエンスではない。膨大な数の人々が限られた情報に基づいて不完全な意思決定を行い、その意思決定が人々に大きな影響を与えている(略)リチャードファインマンは「もし、電子に感情があったなら、物理学はどれほど難しくなるだろうか」と語った。投資家には感情がある。投資において過去のデータから次の動きを予測するのが難しいのはそのためだ

第12章 サプライズ! P181

あらゆる物事は結びついていて、わずかな違いで未来は変わり得る。だからこそ未来を予測するのは難しいのだ。例えば9.11の米同時多発テロの結果何が起こったか。まず、FRBが利下げを実施し、住宅バブルを引き起こした。それが金融危機につながり雇用市場が悪化した。そのため数千万の人々が大学進学を希望するようになり、それが米国全体で1兆6000億ドルもの学費ローンを抱えるという状況をもたらした。結果学費ローンの債務不履行は10.8%に達している。19人のハイジャック犯が犯した事件と、学費ローンの返済に苦しむ米国人とは一見すると無関係のように思えるが、一握りの例外的なテールイベントにより実際に起こったことなのだ。

第12章 サプライズ! P187

巨大な影響を及ぼす前例のないサプライズは必ず起こる
福岡原発は、過去の最悪の地震に耐えられるように建設されていた。それ以上の事態を想定しておらず。前例のないサプライズが起きることを理解していなかった。

第12章 サプライズ P189

米連邦準備銀行によると、大卒者のうち専攻に関連した仕事に就いているのは27%に過ぎない。専業主婦の29%も大学の学位を持っている。もちろん、大学に入ったことを後悔する人はほとんどいない。とはいえ私たちは「18歳の時には想像もつかなかった人生の目標を30代には考えてるかもしれない」という現実をもっと認識すべきだ。

第14章 あなたは変わる P221

「過去の自分」の囚人になってはいけない
気がつくとカーネマンはそれまでとは別物かと思うほど書き換えられた原稿を送ってくる。書き出しも終わりも違って、思いもよらぬ逸話や証拠が加えられ、聞いたこともない研究結果が引用されている(『ファスト&スロー』執筆時のダニエルカーネマンの話)

第14章 あなたは変わる P225

投資の神様は代償を払わずにリターンを求めるものを嫌う
投資の代償とは、ボラリティや恐怖、疑念、不確実性、後悔などに耐えること。実際に問題にぶつかるまでは存在に気づかないものばかりだ。

第15章 この世に無料のものはない P229

ネットフリックスの株価は2002年から2018年までに350倍以上にも上がった。だがこの期間の94%は前回の史上最高値を下回る値で取引されていた。モンスタービバレッジの株価は1995年から2018年までに3190倍の値上がりを見せたが、この期間の95%は前回の最高値を下回る値で取引されていた。

第15章 この世に無料のものはない P232

投資の代償は「罰金」ではなく「入場料」
ボラリティや不確実性の高い投資(ディズニーランド)への料金は現金保有や債券(低額で遊べる公園)よりも高い。それは高いリターンを得るために必要な入場料なのである。(略)ただし。必ず報われる保障はない。ディズニーランドにも雨が降ることがある。

第15章 この世に無料のものはない P239

人々が、予言や占星術、夢、逸話にこれほど夢中になったことはなかった(略)重要な何かを守ろうとする時、人はなんでも信じようとする。お金の場合も同じだ。

第18章 なんでも信じてしまう時 P281

市場やビジネスまでコントロールできると思うな
もうすぐ1歳になる娘は、世の中のことをほとんど何も知らない。にもかかわらず、それを自覚していない。自分が知っているわずかな情報に基づいて、目の前に起きていることを理解しているからだ。私たちは年齢に関係なく同じことをしている。(略)誰もが複雑な世界を理解したいと思っている。だから、自分の知らない世界とのギャップを埋めるために、都合よく、ストーリーを作り上げてしまうのだ。
宇宙物理学は高精度の予測が可能な分野だ。人間の行動や感情の乱れに影響されない。ビジネスや経済、投資は不確実性が高い分野であり、冥王星のへの旅のように明確な公式では簡単に説明できない。誰かの判断一つで大きな影響が生じる。

第18章 なんでも信じてしまう時 P287

他人の計画や能力が影響を与えることを無視する
能力ばかりに注目し、が結果に及ぼす役割を無視する
知らないことを軽視し自分の考えを過信してしまう
コントロールできると思う人がたどる道筋についてのカーネマンの説明

第18章 なんでも信じてしまう時 P289

・うまくいっている時は慎重に、うまくいかない時には寛容に
運とリスクの存在を認めれば、自分がコントロールできることに集中できる
・エゴを減らせば豊になれる
今、この瞬間を楽しむことばかりにつかってしまえば富は築けない
・夜安心して眠れることを優先してお金の管理をすべし
お金についてのあらゆる判断における最高の指針である
・投資で結果を出すための最大の秘訣は、時間軸を長くすること
時間は最大の武器である。小さな積み重ねを膨らませ、大きな失敗を風化させる
・うまくいかないことがあっても問題ない、半分は間違っていても資産は増やせる
個々の結果に一喜一憂していると、うまくいっているものは実際よりよくみえ、うまくいってないものは惜しいと思えてしまう
・自分の時間をコントロールするためにお金を貯め、使う
ファイナンスの最高の配当は、好きなことを、好きな時に、好きな人と、好きなだけできることだ
・他人に富を見せびらかさず、誠実に接しよう
どんな高級品を持っていても他人を感動させたりしない。優しさや謙虚さの方が効果的である
・貯金をするただ貯金をする貯めるのに特別な理由は必要ない
人生では最悪のタイミングで予期せぬ出来事が起こり得る、そのリスクに対する備えとなる
・成功のために必要な代償を見極め支払う準備をする
価値あるものはタダでは得られない
・誤りの余地を大切にする
予想外の出来事に耐えやすくなると、ゲームに長く参加し続けられ、多くのリターンも得られる
・極端な判断は避ける
目標は時間の経過とともに変わる
・リスクを好きになる リスクは利益を生む
ただし、身を滅ぼすようなリスクには細心の注意を払うこと
・自分がしているゲームを明確にする
別のゲームをしている人に影響されないように注意する
・多様な意見を認める
唯一の正解はない。自分にとって有効な答えがあるだけだ。

第19章 お金の真理

米国の投資信託会社のポートフォリオマネージャーの半数は自社のファンドに1セントも投資していない
同じように「医師はどのように死ぬか|ケンマレー」によると『医師は治療をあまり受けないことを選ぶのだ。患者を癌から生還させるためにはどんな手段でも使おうとするが、自分の場合には延命を諦めて緩和ケアを選択する』
誰にでも当てはまる有効な方法などない、自分にとって有効な方法があるだけだ。

第20章 告白

お金に関する最大の目標は常に「経済的自立」だが、高収入を得る必要はない。大切なのは贅沢をせず身の丈に合った生活をすることだ。「真の成功とは、ラットレースから抜け出して、心の平穏のために生きることだ|ナシーム・タレブ」

第20章 告白

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