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ROOM’s CIRCLE テーマ:法/政治「ゲスト:遠藤ちひろさん」
ミラツクのメンバーシップ「ROOM」で展開する「ROOM’s Circle」。コミュニティ内外から素敵なゲストをお招きし、緩やかにお話を伺うオンラインの場です。人にフォーカスし、ゲストの魅力を通じて、ネットワークや繋がりを創造しています。
本日は2022年2月10日にお招きした遠藤ちひろさんの会をご紹介します。
|本編|
|ゲスト|多摩市議会議員 遠藤ちひろ
1976年1月茨城県生まれ。奨学金で2006年に早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。大学在学中に人材ベンチャー「早稲田ルースター」を起業する。2010年に多摩市長選挙に出馬し僅差で惜敗するも、翌年2011年には市議選でトップ当選を果たす。現在3期目(無所属)で、これまで予算・決算特別委員長(2015-16)や議会運営委員長(2015-)などを歴任。多摩市の子育て支援や高齢者・障害者支援を始め、起業経験を活かして、活力あるまちづくりのために尽力している。現在、次期市長を目指し、日々新しいことにチャレンジしている。
著書に『市議会議員に転職しました』『暮らしの中で「使える」政治』がある。
|お話を伺ってみて|
政治といえばネガティブな印象を持たれる方も多い中、遠藤さんには、政治の世界が民間や行政と異なるところ、魅力や面白さを語っていただきました。
学生時代から政治には興味があったという遠藤さん。メディアの世界に入って外から意見を言って政治を変えるのか、政治の中に入って自分で実行するのか25歳くらいの時に真剣に悩んだそうです。結果、人生は1回なので、内側に入って世の中を政治から変えてみたいと思い、出馬する決意をされたとのことでした。
出馬される前は、ベンチャー企業を経営されていたそうで、その経験も選挙に活きたといいます。
売り込んで支持を得るという活動は、マーケティングも政治の選挙活動も同じだと感じました。売り込むものが商品なのか、自分なのかの違いです。
選挙はマーケティングだと考え、対立候補を分析して、その方の強い層と苦手な層を調査し、仮説と検証を繰り返しました。
今までの選挙は、若さや経験などの特徴やガッツをアピールするだけの選挙戦が多かったですが、これからは、科学的知見やマーケティングの知識を入れて選挙活動を変えていくべきです。
実際に支持者にヒヤリングをして投票に行った理由を伺い、次へ活かすことも心掛けたそうです。一体どういう理由で、有権者が政党や候補者を選んでいるのかのデータを取り、分析をおこなって、仮説と検証をしながら改善していくのは、民間の新規事業のプロセスに通じるものがある感じました。
選挙に勝つためのプロセスは様々です。そういう意味で政治の世界はイノベーティブであり、一発逆転で明日から首長になれるチャンスがある面白い世界です。
究極勝てばよく、評価も投票数が全てなので、実は若者が活躍しやすい業界なのではないでしょうか。
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政治の魅力は、「決める」ということにあるそうです。議論ではなく、提案ではなく、決めたことは法令になり、条例になり、ルールになる。そこが政治の一番のダイナミズムと遠藤さんは語ります。
確かに選挙は大変だし辛いけれど、社会課題の解決に向けて、不満を言うのではなく、立法をして世の中を変えることができる。合意形成をして立法をしていく魅力があるのは政治だけです。
ただ、残念ながら投票率が上がらない、候補者が少ないことは今の政治の課題とのこと。多様性がもっとも欠けている現場でもあるとお話を伺い、本日のセッションが政治への関心を高める機会になればと思いました。
—セッションハイライト—①
Q:民間ならでの視点で変えた事例はありますか。
一つ、都市計画税という税があります。固定資産税にプラスされている目的税で、これは5-6年前までは、都市の下水や道路といったインフラの新築にしか使えませんでした。
しかし、これだけ社会が成熟してきている中で、また新たに色々作るのは、維持コストも掛かりますし、都市部においては合っていないと考えました。
そこでメンテナンスや維持に使えるように用途を変更できないか、ということで改正を提案したのです。
しかし、最初は反対されました。でも、社会が法律のためにあるのではなく、社会を良くするために法律があるのだから、法律が時代に合わないのであれば法律を変えるべきと演説し、市議会で決議して、国会で審議してもらい、半年後に変えることができました。
言いたいことは、法律やルールは維持することが目的ではなく、社会を良くすることが目的なので、必要ならば変更すべきだし、変えられる。これが民間視点でおこなった例の一つです。
—セッションハイライト—②
Q:候補者不足という話がありましたが原因は何だと思いますか。
議員報酬は人口規模に比例しており、日本全国の町村の議員の方は、議員の報酬だけでは生活できない実態があります。
しかも、過疎地のほうが課題が多く、仕事も多いのですが、人材がそこに行かない仕組みになってしまっているのです。
都議会のようなところは別として、そうでないところはボランティアベースもしくは兼業でやらないと議員が生活できないところにも光を当てて、現状を変えていく必要があると思います。
政治は予算分配をどうおこなうかを決める場でもある、というお話も印象的でした。選挙にいかないと、自分の世代や背景を代理をしてくれる議員の発言力が低下し、回りまわって損をするのは、選挙に行かない人たちというのは、心にグサリと響きました。
いかがでしたか。今まで政治に興味のなかった方にとって、少しでも政治との距離が近くなれば幸いです。
さあ、選挙に行きましょう!
インタビュアー・文責:ミラツク研究員 鈴木諒子
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