志の実現は現場から始まる!現場を起点としたスタートアップの自律的強化
ーー清水さんの現在のお仕事について教えてください
飲食店向けの食品流通DXを推進するスタートアップ企業に経営参画しています。社長室・成長統括として、“成長に繋がることならなんでもやる”をモットーに活動しています。参画当初は、企業全体の経営管理の体制構築、アライアンスの強化などに従事し、マネージャー育成や組織再構築を主導したりしてきました。現在は新規事業構築にも携わっております。
ーー清水さんは、MIRARGOに入られる以前は経営コンサルティング企業で実務を積まれてきたと伺っています。元々「企業経営」に興味をお持ちだったのでしょうか?
経営に興味というよりは、日本がもっと強く活気ある状態になるには何が必要か、私自身にできる事は何かという考えが私の根底にあります。
ーーその思いを持たれるきっかけは何だったのでしょう?
きっかけは、大学時代の就職活動に遡ります。私が就活していた頃は、バブルが崩壊し就職氷河期と称される1999〜2000年。企業に目を向けても、ニュースを見ていてもとにかく悲観的なことばかり。「Japan as No.1」と言われた時代はとうに過ぎ去り、日本は他国からの評価も下がる一方。これからビジネスパーソンとして人生を懸けるのであれば、こうした大きな課題に向き合いたいと思ったのがきっかけでした。
ーー社会に対する課題提起が清水さんの原点なのですね。実際にはどの様なことをされてきたのですか?
新卒で日系のシンクタンクのSI部門に入り、流通業の業務を効率的に運営できるITの企画・運用に携わっていました。当時、私が担当していた顧客は業界屈指のエクセレントカンパニー。そんな会社と接していると、強い企業はITだけでは成り立たないのではないか?と感じることがあり、悶々とする日々を過ごしていました。
ちょうどその頃に、経営コンサルティングで様々な実績を積まれていた遠藤功氏著書のビジネス本「現場力を鍛える」に触れ、現場を起点とする根源的な競争力の強化、というコンセプトに出会いました。
その後、自身も経営コンサルティングの世界に活動の場を移し、”現場”を起点とした、戦略提言にとどまらない経営支援するスタイルを追求してきました。企業規模はスタートアップから大手企業まで、改革テーマは新規事業から事業再生まで、そして支援スタイルはアドバイザリー業務から出向を伴う経営支援まで、様々な経験を経てMIRARGOにジョインしたという流れですね。
ーーMIRARGOはグロース支援でのコミット力が強みとされています。参画先での”現場”エピソードは何かありますか?
参画企業が対峙するお客様は飲食店の方々で、個人商店として長年やられている方、地方で営まれている方など「テクノロジー」や「DX化」を敬遠される方も多いです。こうした特性を持つ方々にも支持されるSaaSとなるには、やはり現場に足を運び、お客様の立場で考えないといけない。
また、支援先のみなさんに負けないコミットメントを背中で示さないといけないとも思っています。時に自ら電話でコールドコールによる架電アポを取ったり、自らも飲食店で働いてみたり、行動と実績で一定の信頼を頂いていると思っています。
ーー支援する中で意識されている事や心がけている事はありますか?
一番意識しているのは、主役は参画企業であるということ。そして、その企業で働くメンバーが、自分達だけで自走していけるような仕組みづくりと経験機会の提供を心掛けています。新規事業やプロジェクト立ち上げ時の事業計画や運用方針などの経営基盤の設計は私の方で担当していますが、全て作り上げてしまうのではなく、メンバーの意見を抽出したり、仕組み化後の運用過程で出てくる課題の対処法などはメンバー自身が考えられるようアシストしたりしています。
若い方には「こうしたらどう?」とか、「こういうやり方もあるんじゃない?」とかティーチングに近い形でサポートし、マネージャーたちには「前回と今回で差がついた要因はどこにあると考えるか?」など問いを与えて、自身で考えて答えにたどり着いてもらうようにするなど、相手に合わせた接し方に気を使っています。我々MIRARGOのメンバーがいなくなったとしても困る事の無いよう、ナレッジや実績をメンバー自身が保持し、磐石な経営体制にまで持っていき、スタートアップの志が体現されること、これが私のミッションだと捉えています。
ーー今後挑戦してみたいことは何かありますか?
私が仕事をする上でモチベーションとなるのが「社会にインパクトを与えられる様な働きをする」であり、社会の歪みを立て直すようなことをしていきたいですね。経営支援はそれを実行する手段になっているとも思っています。