【遊戯王MD】炎王スネークアイ デッキ構築とあれこれ【12月/DC1stStage】
今回遊戯王マスターデュエルの12月のDCの1stStageを走るのに使用した【炎王スネークアイ】デッキを紹介しようと思います。計測していないのですがLV12からスタートし5時間ほどで突破に至りました。
使用感・実態
正直デッキパワーは高くない
最初に注意書き的な意味としてこの通り記載しておきます。単体初動の存在や手札誘発スロットの多さから、現代遊戯王についてきてはいるのですが、規制の厳しさなどからデッキパワーは低く、最新デッキたちと真っ向勝負するとどうしても見劣りする部分があるのは否めません。
私はMD復帰してから環境上位デッキである粛声を主に使い続けてきたので、炎王スネークアイを握ってからそのパワーの落差を実感しまして、いい学びになったかなと思います。
アドリブが多く習熟度が必要になる
次項と表裏になるのですが、展開にアドリブがやや問われます。
規制により『エクセル召喚、無効系をキリンでカバー』のような簡単で強い動きが取りづらくなっています。素引きしてしまったポプルス・フランベルジュ・オークなどをどう展開に絡めるかを制限時間内にこなすには慣れが必要です。
私は当初は基本展開から身に着ける必要があったのですが、1人回しも含めて3~4日くらいは必要でした。
そのためデッキパワーの課題もあわせて、強さを見込んで組むデッキではないのかなと思っています。
プレイしていて楽しい
いきなりネガティブな内容が連続してしまったのですが、個人的にはかなり好きなデッキです。
展開は途中で分岐があり、自分の意図にあわせてその場でアレンジできますし、展開の途中で相手の場に触る機会も多いので遊戯王している感があります。リソースや妨害も手札・場・墓地に散っているので、(除外系永続以外には)いきなりやられてしまうこともなく、ゲームを楽しむことができます。
遊ぶ用にミッドレンジデッキを組んでみたい場合はオススメだと思います。
デッキ紹介
炎王スネークアイの強み
初動札の多さと貫通札の多さがウリです。
またギミック内・リンク展開の途中で相手の場に触れる機会が複数存在するため、後攻性能も高いです。
ほか打点の高いモンスターを送り込めたり、レイジンジーランによるワンキル性能も無視できません。
炎王とスネークアイの両テーマを用いることで、それぞれのテーマ内の強い名称ターン1効果を使えるため、良いとこどりができているのも特長です。
炎王スネークアイの弱み
現在の炎王スネークアイの弱みは何と言っても初動の不安定さと言えます。
エクセルやポプルス、キリンなどデッキパーツ自体は存在するため、これらを都合良い状態で引ければ全盛期に劣らない展開を行うことができます。そのためデッキパワーの最大値としては落ちていないのです。
問題は、規制が厳しすぎて最大展開が見込めないもしくは、初動が細くなりすぎて相手の手札誘発で簡単に止まってしまうことです。そのためデッキパワーの平均値が落ちてしまっているのです。
規制による課題
エクセル・ポプルス・キリン・罪宝狩りの規制がどれも厳しいものです。
最も有名なのがポプルスの1枚制限で、これを素引きしてしまうとエクセルや篝火での強い動きが失われてしまいます。
キリンも引きこめば無効系の貫通になりますし、罪宝狩りはディアベルスター初動でのディスアドの回復の役割が大きかったはずです。
さっと続けて規制の問題を紹介しましたが、整理すると以下のようになります。
デッキ構築の方針
上記のように強みと課題が整理できたところで以下のようなデッキ方針にすることにしました。
まとめると『単体初動にはならないが複合初動になりうるカードを散らして採用する』ことで初動の不安定さのカバーを図っています。
具体的なカードについては次項を参照ください。
採用カード、枚数のピックアップ解説
・《炎王妃 ウルカニクス》3枚
今回の構築方針に最も沿っている1枚と言えます。他の炎属性が手札にあればこれの召喚が初動にもなりつつ、キリンや孤島とあわせて貫通札になったり、展開のグレードアップを図れたりと複合初動であることさえクリアすれば非常に器用な働きをします。
リンク値を3まで伸ばすことができれば、咎姫から蘇生することでキリンを回収することもできるので、先攻展開の1ルートとして抑えておきたいです。
・《スネークアイ・オーク》1枚
展開のグレードアップに使いたいカード。器用さに劣るためそこまで評価は高くなく、原罪宝のサーチ先やデッキ内の炎属性の確保で入っている意味合いが強いです。
咎姫やフランベルジュ以外での気軽に使える蘇生効果という役割はあり、素引きしてしまったポプルスをディアベルスターや孤島で墓地に一度送り拾い直すことでスムーズなサーチ起動ができます。
・《スネークアイ・ワイトバーチ》1枚
単体初動はおろか複合初動にもなりづらいカードですが、このデッキではいぶし銀の役割を果たします。
不足してしまったリンク値の底上げが主な用途で、エクセルからサーチして即送り込める炎属性としても評価が高いです。
手札でかさばるおそれもないため、キリンをすでに確保した状態でのサンライトウルフでの回収はこれになることが多いです。
元々は上記の《スネークアイ・オーク》2枚目を入れていた枠なのですが、あまりに初手のオークに役割がなく困っていました。並行して純スネークアイデッキも試していて、そこでの動きが非常に良かったことからオーク2枚目と差し替える形で投入したら期待通り良い動きでした。
・《黒魔女ディアベルスター》2枚
上述の通り、これに初動を任せる際の手札消費の激しさが気になっていました。単体初動としての役割が薄いとして一時期アウトも試したのですが、これの貫通札としての性能が高いこと・抱き合わせである《財宝狩りの悪魔》のドロー効果が強いことから、枚数を減らして続投にしました。
複合初動として捉えると、手札でだぶついたオークやフランベルジュを墓地に送り込めたりするため悪くありません。
・各種手札誘発、《D.D.クロウ》1枚、《エフェクト・ヴェーラー》1枚、《屋敷わらし》1枚
抹殺で無効にできるように散らしていますが、特に深い意味はありません。現状ヴェーラーが弱く、クロウが強い環境と思っているのでクロウを優先して入れると良いかなと思っています。
このデッキでは相手のクロウや墓穴の指名者が致命的なため、シークレットテクのようなつもりで屋敷わらしを1枚だけ入れていますが、引きムラになると思うので、クロウ2枚でいいんじゃないかなぁと思います。
・《キキナガシ風鳥》1枚
特に対天盃メタとして採用が見られるカードで、半信半疑で私も入れてみたのですが思ったよりいい働きをしました。コイントスで先攻を譲られた以外でも、ガンマやうさぎなど特徴的な誘発を撃たれた場合は天盃が匂うためこれを送り出していきます。
怪獣系やクルヌギアスなどでないと除去できないため、相手が天盃なら確実に1ターンもらえます。一滴すら効きません。
炎王スネークアイは返しが強く、天盃の天球程度の妨害なら易々越えられるのでその点でも相性が良いです。
・《真血公ヴァンパイア》不採用
昨今だと採用している構築をよく見ますが、私はお試しで採用してあまり有効に使えなかったので抜いてしまいました。EXの抜ける候補が、フェニックス・エタニティ・咎姫2枚目くらいなのですが、出すシーンがヴァンパイアよりも多かったです。
ヴァンパイアが必要になるシーンは、『ポニクス+炎がいない初手』、『ウルカ+キリンにうららもしくは無効系を2回もらうケース』で、これらから動き出せることは価値が高いのですが、本構築では複合初動を積み増すことで解決できるシーンが多かったです。
おまけ:基本展開
代表的な2パターンを紹介します。
・炎属性4体パターン
主にスネークアイが絡まず炎王だけで展開したときに頻出します。
最終盤面は、場にアンブロ・手札にキリン・墓地に咎姫とマスカレーナとなります。アンブロ単騎ということですね。
画像のように『炎属性が4体+キリンが墓地にいる』のが条件です。二つ注意があります。
※展開によってはポプルスをリンクリボーにして墓地に送らないと、キリンで蘇生する炎王ネームがないケースがあります。その場合は、リンクリボーを咎姫のリンク素材にする、もしくはキリンの追加効果でリンクリボーを割ることになります。
リンクリボー素材から咎姫を出す場合は、咎姫を素材にサンライトウルフを出す展開から先に考えると良いでしょう(そうしないとウルフかマスカレーナのどちらかが立たなくなる)。キリンをすでに持っている場合はウルフを諦めると展開がしやすくなると思います。
1枚目の盤面から、サンライトウルフ→マスカレーナの順にリンク召喚します。
マスカレーナがサンライトウルフのリンク先に出せるため、サンライトウルフが起動しキリンを回収できます。
サンライトウルフとマスカレーナの2体で咎姫をリンク召喚し、適当なモンスターを蘇生します。
咎姫と蘇生したモンスターでアンブロエールをリンク召喚します。
これによって、場にアンブロ・手札にキリン・墓地に咎姫とマスカレーナを達成することができます。
これが最小展開と覚えておき、例えばこの図の状況だと墓地にガネーシャがいるため場にモンスターを1体送りこめれば最終盤面にガネーシャを残すことができたりします。
こんな感じで展開のグレードアップを図っていくと良いでしょう。
・フランベルジュ込み4体パターン
主にスネークアイと炎王ギミックの両方が通った場合です。こちらもウルフでキリンを回収できるため、回収するならキリンを落とすのも条件です。
最終盤面は、場にアンブロとアポロウーサ・手札にキリン・墓地に咎姫とマスカレーナとなります。俗にいうアンブロウーサです。
途中盤面を全て記すと大変になるのでポイントを箇条書きにします。
初期盤面から、サンライトウルフのリンク召喚→サインライトウルフを素材に咎姫を出し、咎姫の蘇生でサンライトウルフをEXゾーンの真下(咎姫の真下)に出す。
フランベルジュは先にリンク素材にしても後にしてもOK。残っているとニビル後にモンスターが並ぶが、状況は正直あんまり変わらない。
咎姫と場に残ったモンスターでアンブロを出し、サンライトウルフを起動しキリンを回収する。
場にリンク以外のモンスターが2体残るはずなのでマスカレーナを作り、ウルフとあわせてアポロウーサへ。
場にアンブロとウーサ・手札にキリン・墓地に咎姫とマスカレーナとなります。これが最大展開になります。
現在のゲームシーンだと妨害は散らした方が良いので、ここからグレードアップする際は、ウーサの素材を増やすよりも、リンクリボーやガネーシャやフランベルジュを横に沿えるのが良いと思います。
おまけ:純炎王は試していない
後述の純スネークアイは試したのですが、純炎王は試していません。
ポニクスや孤島を増やしたり、ハヌマーンを入れたりすると何か可能性はあるかもしれませんが、基本的には強みの項目で書いた通り、スネークアイと炎王のそれぞれのテーマ内の強い名称ターン1を使っていくのが良いんじゃないかと思っています。
スネークアイに寄せる場合
上記の炎王スネークアイが個人的には今の結論ではあるのですが、その過程で試したスネークアイに寄せた構築をいくつか紹介します。
細部を解説すると大変なので軽く一言ずつ添えていきます。
スネークアイの強み
エクセル・オーク・ポプルスがいずれもデッキからのサーチ効果を持つため、どれかが一度動き出せば再現性の高い盤面を作ることができます。
また原罪宝やフランベルジュなどリソース確保に秀でているため継戦能力が高いです。
スネークアイの弱み
テーマ内での妨害手段がシルウィアくらいしかなく、汎用カードで妨害するのですが妨害数が圧倒的に足りません。手札誘発は多く積めるため、汎用札の威力が低い環境だとこうなりがちだと思います。
また相手の場に触るカードが、フェニックス・アクセス・ジーランなので大振りなカードが多く相手場の脅威に対する解決札の用意が難しいです。
これらの弱点を克服するためにも炎王とのミックスが良いと思いました。
デッキ①:炎王を減らした炎王スネークアイ
炎王カードを6枚のギリギリまで少なくしています。先攻3ターン目の返しになるターンでキルにいく性能はそこそこだったのですが、先攻1ターン目の妨害数が少ない問題が解決できませんでした。
デッキ②:純スネークアイ
一般的なリストだとヒートソウルを基本展開で目指し、サンライトウルフやピットナイトを素材用に入れると思いますが、これらはリソース確保にはなりますが、妨害としては弱めです。
そのため、スプライトエルフを採用し、クルヌギアスとあわせて直接の妨害を期待しています。が、それでも妨害としてはあまり強くなかったです…
そもそも純構築にすると初動が細くなりがちで、神殿など単体で初動にならないカードに頼ることになってしまいました。
デッキ③:幻奏型スネークアイ
たすくさんも配信で一時期使っていた幻奏と組み合わせたスネークアイです。ルフラン+カノン→ヘルフレイムバンシー→ポプルスサーチという初動が見込めるため、オスティナートとルフランの合計6枚が初動札として追加されます。
初動問題は解決されたようですが、オスティナートはさすがに強いですが、ルフランが召喚を使うため無効系が重く、また一度場に出すとディアベルスターのコストにならないため誘発貫通もしづらく初動は多くても貫通しきれないジレンマにぶち当たってしまいました。
オスティナートから出るリンクも汎用カードたちなので、最終盤面の妨害もそこまで強くありません。その割に素引きした融合素材はそのまま無駄になりますし、やや噛み合いの悪さを感じました。
と、スネークアイ関連のデッキにて、初動・貫通・妨害の質・返しの課題を感じて、最終的には今回紹介の炎王スネークアイに落ち着きました。
いま振り返るとホルスギミックと混ぜたりすると面白いかなと思ったりしますが、どうなんでしょう。
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございました。
炎王スネークアイの、貫通や妨害に関しては現環境が天盃が環境から消えだしたら解決すると思っていて、初動の細さはエクセルやポプルスの緩和があればかなり改善するので、将来性は高いデッキなのかなと思います。