いろんなことに夢中になったり飽きたり
サニーデイ・サービスの名盤
「東京」に収録されている曲
「いろんなことに夢中になったり飽きたり」
自分は昔から、好きになったもの、
夢中になったものをずっと追い続ける、
そんなタイプだと思っていました。
他の人からもそのように指摘されることがあり
その考えは、より強化されていきました。
ただ、40代に入り、10代や20代の頃が
遠くなったことで
「ずっと好きではあるが、夢中ではない」
そういうもののほうが圧倒的に多いことに
気づいたのです。
「推し」という概念が自分にないのは
これが理由だと思います。
好きなものがどんどん増えるが
夢中なものは移り変わっていく。
そんな自分に気づいた時、
一瞬残念でしたが、
好きなものが増えていくことは
自分の支えが増えることなので
全く悪くないじゃないかと思い直しました。
まさに
「いろんなことに夢中になったり飽きたり」
飽きがくることは自然なことで、
飽きたからまた何かに夢中になれる。
ヒャダインさんとのトークユニット
genEric genEsisは、
過去から未発掘の音楽を見出す活動なので、
現代ではなく過去へのアクセスなのだけど
毎回常に新鮮、それゆえに飽きない。
今毎日Spotifyで配信している
「ミラッキの帰り道ラジオ」は
新曲の紹介なので
「また自分、同じこと喋っているな」にならない。
常に新鮮。飽きない仕組みを作れた。
新鮮で刺激的なこと
いっときのブーム
仕事や日常生活のルーティン
性質の異なるものがまじりあう日々
その中で「飽きる」もまた
大事な能力のひとつにカウントしていい、
そんなことに気づきました。
サニーデイ・サービスのアルバム
「東京」の発売は1996年2月21日。
あの春から29年。
本当にいろんなことに夢中になったり飽きたりしてきました。
あまりにも多くのことに。
それゆえ、29年前はもう、
「前世」と表現したくなるほどの昔となりました。
遠すぎる過去を
「今と繋がっているのだ」と照らしてくれる、
それが音楽です。