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プルリク小説『二人で紡ぐ未来』

この小説の楽しみ方

この小説『二人で紡ぐ未来』は、読者の皆さんと一緒に物語を作り上げる「プルリク小説」です。読んでいただくだけでなく、次回の展開について「こんな展開が読みたい!」というリクエストやアイデアを送っていただけます。その意見をもとに、物語はどんどん広がり、深まっていきます。

「もし自分が登場人物だったら、どう行動するだろう?」
「こんな場面があったら面白そう!」
そんな想像を巡らせながら読んでいただけたら嬉しいです。

一緒にこの物語を紡いでいきましょう!
それでは、第一話をどうぞお楽しみください。


第1話:閉ざされた心

高橋陽介は、いつものようにスマートフォンのアラーム音で目を覚ました。6時30分。ベッドの隣には昨夜遅くまで作業していたノートパソコンが置かれている。薄暗い部屋の中で、かすかに聞こえるのは外を走る車の音くらいだ。

31歳、独身、ITエンジニア――。
この肩書きだけが、今の陽介を形容するすべてだった。

「また今日もこれか…」
自嘲気味にそう呟き、乱れた髪を手ぐしで直しながらベッドから起き上がる。カーテンを少しだけ開けると、曇天が広がっていた。

彼の日常は、同じサイクルの繰り返しだった。朝、ベッドから起き上がり、コーヒーを淹れ、PCを立ち上げる。そしてリモートワークが始まり、昼休憩には適当にコンビニ弁当をつまみ、夕方にはログオフ。その後はNetflixかYouTubeを流し見して、また眠る。それ以上でも以下でもない。

休日は部屋に引きこもり、ゲームをしたり、ネットを見て時間を潰す。誰とも話さない日が当たり前になり、久しくリアルな会話を交わした記憶もない。


昼休みの棘

「昼だな…」
陽介は、机の上に置いたコンビニ弁当の蓋を開けながら、スマートフォンを手に取った。特に意味もなく、同期とのグループチャットを開く。

「先月、ついに結婚しました!」
「おめでとう!めっちゃ幸せそうだな!」
「最近うちの子が歩き始めたよ~」

画面に流れるのは、同期たちの「幸せな日常」だった。陽介は黙ってスクロールを続ける。彼らが幸せな家庭を築き、次々と人生を進めている一方で、自分は足踏みを続けている気がした。

「…まあ、関係ないか」
そう思おうとしても、胸の奥に小さな棘が刺さるような感覚が残る。これまで何度か恋愛に挑戦したことはあった。マッチングアプリにも手を出してみた。しかし、メッセージのやり取りが続かず、ようやく会えた相手とも沈黙が続き、気まずい雰囲気で終わった経験ばかりだった。

「俺なんかが、誰かと付き合うなんて無理だよな…」
自分にそう言い聞かせ、スマホを机に置いた。


田辺からの電話

その日の夕方、仕事を終えて少しだけゲームをしていた陽介のスマートフォンが鳴った。画面には「田辺修一」の名前が表示されている。大学時代からの親友で、今も会社の同期として付き合いがある数少ない人物だった。

「よう、元気か?」
陽介が電話を取ると、いつもの軽い調子の声が聞こえてきた。

「まあ、普通かな。仕事して、寝て、起きての繰り返し」
「お前、相変わらずだな。そろそろ彼女とか考えないの?」

田辺の言葉に、陽介は苦笑いを浮かべた。

「またその話かよ。別に俺は一人でも困ってないし」
「はあ?お前、それ本気で言ってんのか?31歳で一人なんて、結構寂しくねえか?」

田辺は陽介にとって唯一無二の友人だが、たまにこうやって無神経な一言を投げてくることもある。

「別にいいだろ。俺の勝手だし…」
「いやいや、お前のために言ってんだよ。ちょうどいい子がいるから紹介してやるって。カフェで軽く会うだけでいいからさ」

「いや、面倒だって…」
陽介が断ろうとすると、田辺はさらに畳みかける。

「お前、このまま一生一人でいるつもりか?俺はな、お前に幸せになってほしいだけなんだよ!」

田辺の言葉には一理あった。陽介は言い返せず、少し黙り込んだ。

「分かったよ。でも、あんまり期待すんなよ?」
「よし、それでいい!じゃあセッティングしとくから、空けとけよ」


一人の夜

電話を切った後、陽介は深くため息をついた。田辺の押しに負けた形だが、どこか胸の奥に小さな期待が芽生えている自分もいた。

「本当に俺に、そんなことができるのか…?」
ベッドに腰を下ろしながら、過去の失敗が頭をよぎる。初対面で無理に笑顔を作ろうとした自分。話題が途切れるたびに流れる気まずい沈黙――。すべてが失敗に終わり、「もう恋愛なんてしなくていい」と自分に言い聞かせたあの日。

しかし、薄暗い部屋の中で、一人で過ごす自分の姿を想像すると、胸に小さな冷たさが広がった。

「まあ…会うだけならいいか」
そう自分に言い聞かせ、陽介は布団に潜り込んだ。


未来活性結婚相談所 アシスタント 佐藤千佳より

はじめまして!未来活性のアシスタント、佐藤千佳です。
現在はこちらでお客様の婚活や転職のサポートをしています。このたび、初めての挑戦として小説『二人で紡ぐ未来』を書かせていただきました。

私がこの小説を書こうと思った理由は、結婚の魅力をもっと多くの人に伝えたいという気持ちからです。恋愛や結婚に一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

また、この小説のもう一つの特徴は、「読者の皆さんと一緒に物語を作る」という新しい試みです。エンジニアの世界で「プルリクエスト(Pull Request)」という言葉がありますよね。これは、ソフトウェア開発の現場で「こうしたらもっと良くなる」という提案をする仕組みのことと聞いています。この仕組みを小説に取り入れ、読者の皆さんのアイデアやリクエストをいただきながら、一緒にストーリーを紡いでいきたいと考えました。まさに「プルリク小説」です!

次回の展開や登場人物の行動について、「こうしたら面白いんじゃない?」というご提案をぜひコメントでお寄せください。皆さんからのプルリクが、この物語に新しい風を吹き込んでくれることを楽しみにしています!


質問:次回の展開で期待するものは?

  1. 陽介がカフェで初対面の麻奈と出会うシーン
    ぎこちないながらも少しずつ打ち解けていく様子を描きます。どんな会話が生まれるのか、ぜひアイデアをお聞かせください!

  2. 陽介の過去を深掘りする回想シーン
    初対面を前にした夜、彼が感じる不安や、過去の恋愛経験を振り返るエピソードを挿入します。

  3. 待ち合わせ場所に向かう途中の予期せぬ出来事
    陽介が街で遭遇した小さな出来事が、物語の後半につながる伏線になるかもしれません。


この小説が、皆さんの日常に少しでも温かさや勇気を与えられたら嬉しいです。次回もどうぞお楽しみに!
佐藤千佳

よろしくお願いします!

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