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2021年予報⑥ニューリテラシーが必要 / New Literacy
*****2020年末に公開した11個の2021年予報をnoteにて公開します。2022年予報にもご期待ください*****
人は見たいものしか見ないと自覚して生きる
他人はバカで自分だけが正しいのだろうか?インターネット理想郷の黄昏
インターネット黎明期、インターネットはあらゆる権力から人を自由にし、群衆の叡智を信じ、尊重された個人をエンパワーすると考えられていました。2020年現在、こうした楽観的な理想郷からは、結果としてかなり遠い場所に来てしまったようです。
すでに様々なものが情報化され、ほとんどの人やモノがネットに繋がる状態となりました。多くの情報にアクセスし、多面的に物事を見られるようになったはずが、実際は検索やソーシャルメディアのアルゴリズムによって特定の一面しか見えておらず、しかもそれを信じてまう傾向にあります。フェイクニュースや陰謀論を信じてしまう人たちがいて、それを揶揄する人たちもいますが、自分に仕掛けられたフィルターバブルの中で、どんなバブルに入っているか常に把握して自分は正常だと自信を持って言える方はいますか?「人は見たいと欲する現実しか見ていない」とカエサルは言ったそうですが、現代のネットは見事にその欲する状態を叶えています。さらに私たちは、自分や自分たちだけが正しいと思いたいので、それが進むと集団として極端な思想に先鋭化していきます。ここで一番恐ろしいのは、誰もが無自覚であるという事だと思いませんか。
「私の周りはみんなこう思っている」「最近みんなこうだよね」これらの言葉は集団極性化のはじまりです。だからこそ今、常に自分を疑う目を養うための新しい複合的な(情報・デジタルだけじゃない)リテラシーが私たちに必要です。
2021年にあらわれる<かもしれない>もの
デジタル庁の新設、DX(デジタルトランスフォーメーション)、情報銀行のスタートなど、これまで情報化されていなかった領域にも手が入れられるようになりました。一方で、20年以上必要性が叫ばれてきたネットリテラシー、メディアリテラシーの向上については具体的な施策がないのが現状です。
・メディア恐怖症:それぞれのメディアごとにニュースに偏りや煽りがあるため、誰も信じられなくなる。
・SNSでのシェアには情報ソースを記載する事が義務化される⇔逆に何でも好きな事を言える裏掲示板が人気に
先進サービスはITに強い人のためのものと思われている人も多いかと思います。未来予報データベース上でも、ボトムアップな事例は少ないのが正直な所です。Youtubeでは陰謀論と思われる動画にWikipediaの情報を貼り付ける機能の構想が2018年にありました。他にも、フェイクニュースを見抜くために人工知能がコンテンツ分析を行うサービスなど発信事業者側ができることもたくさん考えられます。
煽ることを第一目的とせず、モラルを守るという発信者側のスタンスも2021年は厳しく見られていくでしょう。