SXSW 2021から読み取る7つの兆し ②Ambient Computing
3月に行われたSXSW Online 2021を振り返り、VISIONGRAPHが独自に読み取った7つの兆しをご紹介します。
Humane Design Principles for The Era of Ambient Computing
インターフェースレス時代に向けて進化するテクノロジー、その時代に必要となるデザインの新たな原則づくりとは?
Googleの発表などで業界内にも言葉が浸透しつつあるAmbient Computing。
人がコンピュータに指示をするのではなく、デバイスのある環境や状況に応じてコンピュータが自律的に動く世界を表す言葉です。
インターフェースが限りなく無に近づいていく。
ユビキタス社会、M2M、IoTという構想が実現され、マウスやキーボード等はおろか、人々が指示する必要さえない状況を作り上げるために技術は進化しています。果たして、その時に必要となるデザインはどのようなものでしょうか?未来はディストピアに近づくのか、それともより快適なユートピアになるのか、これからのデザインの力にかかっています。より人間らしい体験を提供するための、デザインの方法論の模索が始まりました。
Futuristが考える、Ambient Computingの未来予報:UXにどの程度「人感」を与えるかを検証する、デザイナーのためのワークショップ
サービスやプロダクトを開発する上で、セレンディピティや驚きといった、効率性を求める中ではノイズとされてしまう「人間らしさ」をどのくらい残すべきか?
現在は直感的に決めているUXデザインも、これからはある程度の試作検証が求められる時代になるでしょう。例えば、「Ambiance Chart」というようなフレームワークを作成し、細かくデザインの検証をした上で、どのようなUXが最適か?もしくはカスタマイズができるように検討することで、様々なものが自律的に繋がる未来をより豊かな社会にできるのではないでしょうか。
SXSW 2021で発見した、Ambient Computingの未来を考えるきっかけを与えてくれた兆し3選
①人々の空気感をデザインに取り入れる Session: More Human Ambiance in Ambient Computing
Googleのデザイナー Hector氏のセッションでは、Human Ambiance(人々の空気感)がもっと必要であるという提案がされました。デザインの指標として、体験の温度感をもっと考えていこうという動きが高まっています。
②脳波とリンクして集中力を上げるヘッドホン
ブレインマシンインターフェースで以前から注目を集めているNeaurable社はヘッドフォン型のデバイスの構想を発表。科学的なデータに基づくリサーチをもとに、生産性向上・メンタルヘルスケアなど「Future of Work」という文脈で、Apple Watchのように毎日装着することで、働き方が変化するというコンセプトを提示しました。
③空間音で離れた相手の存在を感じる
Vocalytics AIは、空間音の解析によりその場で起きている異常や危険を察知する音声分析サービスを開発するスタートアップ。例えば一人暮しの老人が転倒した時の音や、入院中の患者の呼吸音等から異変を検知する事ができるといいます。映像ではなく音で見守る、という視点が新鮮に感じました。
数ある事例から兆しを抽出し、未来のコンセプトをつくる
VISIONGRAPH Inc. / 未来予報株式会社は、イノベーションリサーチとコンセプトデザインを強みにした未来像{HOPE}をつくる専門会社です。SXSW Japan Officeとしても活動しています。
世界のイノベーティブな事例のリサーチや、コンセプトや戦略の設計、Futuristによる講演・勉強会の開催など、お気軽にお声かけください。
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