「Post-Generation」 VISIONGRAPHが読み解くSXSW2020の8つのトレンド その2
新型コロナウイルスの影響で開催直前に中止となった幻のSXSW2020。
2012年よりSXSWに参加し、現在ではSXSW Japan Officeとしても活動するVISIONGRAPH Inc.では、未来の兆しが感じ取れる場所として毎年SXSWでのトレンドを分析してきました。もしSXSW2020が実現されていたとしたら、どんなトピックが話題になったのでしょうか?
既に発表されていたセッションプログラムや、アワードのファイナリストのサービスから、私たちが独自の目線で分析した8つのトレンドと、それぞれ象徴的な事例を紹介します。
②Post-Generation
長く続いた世代論の終焉。
GapからOverlapの時代へ。
「若者は○○だ / 50代は○○だ。」
「この商品はF1層がターゲットです。」
このように世代で区切るのは今の時代では通用しない!という風潮は昔からありました。
しかし今は人生100年時代。高齢者もそんなに“お年寄り”になっていないし、若者もそんなに“子供っぽい”わけではありません。
これからは世代間のGAPを埋めるためにテクノロジーを利用するのではなく、世代関係なく個人個人のスタイルのOverlapしている部分をどのような体験に仕立てられるかが、サービス開発の鍵になりそうです。
また、バーチャル世界の発展では年齢は関係なくなります。そのような中でどのように「世代」に代わる新しい概念が生まれてくるかも今後見逃せない面白いポイントです。
UneeQ
SXSW 2020 Pitch | Artificial Intelligence, Robotics & Voice
(画像は企業ウェブサイトより引用)
AIがリアルな人間の表情までを再現することで、従来のチャットボットではできなかった感情的な体験が可能に。実際に人間がいるのかAIなのか、画面越しでは判別がつかないほどに技術が進化しています。
Memory Lane
SXSW 2020 IIA | Innovation in Connecting People
(画像は企業ウェブサイトより引用)
お年寄りの話し相手になり、思い出話を聞き出すAI。話し相手がいない高齢者が痴呆症になるのを防ぎます。会話の内容を記憶し、パーソナライズされた質問を投げかける事で、より親密感のあるコミュニケーションが可能となるようです。
Lofty AI
SXSW 2020 Pitch | Innovative World Technologies
(画像は企業ウェブサイトより引用)
AIにより未来の不動産価値の変動を予測して、投資すべき物件を判断する。AIが提案した物件を購入した場合、その他の物件を購入した場合に比べて、1年で45倍以上ものリターンを上げたと発表されています。
Kaleidoscope
SXSW 2020 IIA | Student Innovation
(画像は企業ウェブサイトより引用)
自分の思考がどのような文化的背景による偏見を含んでいるかを知るためのインスタレーション作品。映像の人物に関する質問に対しての答えが実際とどのように違うかを知り、さらにそのデータが蓄積され、客観的な分析を得る事ができます。
VISIONGRAPH Inc.では、SXSWをはじめとする様々な海外イノベーション事例に基づくリサーチやコンセプトデザイン等を行っております。勉強会の開催など、ご興味のある方はこちらからお気軽にお問い合わせください。