40歳で転職したら退職金はいくらもらえるのか?
信頼できるファイナンシャルプランナーがあなたのそばに。(ミライブ)
アメリカでは、転職回数はポジティブに捉えられますので、平均勤続年数
が、4.2年というデータがあり、労働年数を40年で計算すると
約8回転職(9社経験)になります。
日本の平均勤続年数は、12.1年でアメリカの2.9倍です。同じく労働年数
を、40年で計算すると約2回転職(3社経験)していることになります。
転職経験者としては、「ずっと同じところで働ける人、すごい。」と、
純粋に思ったりしますが、「退職金、満額貰えるのはうらましいかも。」
とも思います。
今回は、退職金制度の概要や相場についてまとめましたので、ご参考
までに。
1.転職しても退職金はもらえるか?
もちろん、就職先に退職金制度があれば、支給条件を満たすことで
退職金はもらえます。あまり記憶に無いかも知れませんが、就業規程
の中に、「退職金規定」もあるはずです。
だいたいですが、「3年以上勤務」が支給条件になります。
ただ、ここで言いたいのは、「満額」の方かと思います。
勤続30年の場合の退職金の相場
☆大企業に30年間勤めた場合
自己都合退職なら約1,706万、会社都合退職なら約1,915万
☆中小企業に30年間勤めた場合
自己都合退職なら約653万、会社都合退職なら約754万
だそうです。
仮に、金利ゼロで、30年で、1,000万円貯めるためには、
「毎月 27,777円の衝立」×12ヵ月×30年
が必要になります。
やはり退職金の威力はすさまじいですね。
退職金(総務省統計局)
退職金制度がある企業の割合(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/000685361.pdf
2.「勤続年数」による退職金の平均相場
勤続年数による、退職金の増え方ですが、階段のように
均等に積みあがるわけではないようです。
大企業(会社都合)の場合 :
勤務3年:69万円、勤務10年:310万、定年まで勤務:2,563万
中小企業(会社都合)の場合 :
勤務3年:33万、勤務10年:149万、定年まで勤務:1,091万
規程にもよりますが、一般的に、「25年勤務」を境に、勤続期間
が多いか少ないかで、大きく伸び幅が異なるようです。
また、「勤続年数」以外にも、
・会社の規模(大企業・中朝企業)
・職種や役職(一般職・総合職・役職)
・学歴(高校卒、大学卒、院卒)
・退職理由(自己都合・会社都合)
により異なります。自分の退職金はいくらくらいになるのか、
一度確認してみても良いのではないでしょうか。
3.退職金の受け取り方次第で、「手取り」が変わる。
退職金を受け取る際には、「受け取り方」が選択できるのが一般的
ですが、「受け取り方」によって、税金の掛かり方が異なります。
① 一時金での受け取り
退職金を一括で受け取る方法です。
一時金での受け取りには「退職所得控除」という所得控除が適用される
ため、同じ金額の給与所得に比べて税金が大幅に軽減されます。
退職所得控除の額は勤続年数によって異なり、勤続年数が長いほど
控除額も大きくなります。
②年金での受け取り
退職金を分割して受け取る方法です。
年金での受け取りのには、企業が年金を運用し続けることで運用益が
見込めるため、一時金受け取りよりも受取総額が多くなる点です。
しかし、年金受け取りには「公的年金等控除」が適用されますが、
「仕事をしながら年金ももらう。」「他に収入がある。」など、
場合によっては、所得税や住民税の負担が大きくなる可能性があります。
③一時金受け取りと年金受け取りの併用
一時金受け取りと年金受け取りを併用する方法です。
この場合、一時金部分には退職所得控除、年金部分には公的年金等控除
が適用されます。
企業によっては併用に対応していない場合もあるため、事前に勤務先に
確認しておきましょう。
4.「退職金」と「年金」だけで、生活できるのか?
「老後資金2,000万円問題」、このワードは聞いたことがあります。
老後は年金以外の資産として、「2,000万円必要だ」と騒動になりました。
金融広報中央委員会の調査(2022年)によると、世帯主が60歳代の
世帯における金融資産保有額は、平均1,819万円、中央値は約700万円
となっています。
最近は、iDeCoやNisa、企業型確定拠出年金(DC)など、運用が、
強制的に身近な世の中になり、経験を積むチャンスも増えてきて
いますが、
「金融資産」「退職金」「年金収入」を、例えば65歳から、99歳まで、
毎年5%で運用していくことは、なかなか簡単には行かないのでは
ないでしょうか。
やはり、「転職経験者」は「退職金の代わり」を準備しておく必要が
ありそうです。
でも、1番大切なことは、「いつまでも健康でいられるための準備」
かも知れないですね。
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