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ワクワクと学ぶために環境は絶対に大事
こんにちは。
小学生がワクワクしている大人と一緒に学べる体験プログラムを提供するミライトラボの渡辺です。
このnoteでは、主に小学生の子どもたちの学びに対して、小学校教師のおっくんとともにミライトラボがどのように取り組んでいくのかを様々な角度からまとめていきます。
今回は、主に学ぶための環境についての話です。
学びにおいて環境が果たす重要な役割
子どもの学びにおいて、環境は非常に重要な要素です。
なぜなら、子どもたちがどのような環境に身を置くかで、思考や行動が大きく影響されるからです。
例えば、山本七平の「空気」の研究では、日本人が無意識に感じる「空気」を"誰でもないのに誰よりも強い「空気」"と表現し、環境の影響力を説明しています。
これは、世界中の人たちにも共通しており、行動経済学ではハーディング現象として説明がされています。
このように、環境は学びにおいて強い影響力を持っており、子どもたちがどのように学び、どのように成長するかをサポートするためには、その目的に沿った適切な環境を整えることが不可欠です。
ハーディング現象:
人間は、合理的な観点から物事の判断をしたり、自らの行動を決定するよりも、多くの人々と同じ行動をとることに安心感を抱き、周りに同調したり他人の行動に追随してしまう傾向があること。
物理的環境と人的環境の両面からのアプローチ
環境は大きく分けて、物理的環境と人的環境に分類できます。それぞれの環境が、子どもたちの学びに異なる形で影響を与えます。
物理的な環境
物理的環境とは、部屋のレイアウトや備品、設備といった、子どもたちが直接触れるものです。
ミライトラボでは、選択肢を増やす、刺激を与える、そして振り返る機会を持つことを物理的環境作りのポイントとしています。
例えば、ワクワクしている大人たちとの交流や、自分の成果を発表する場を提供することで、子どもたちが自ら発見し、学びを深める場を作っています。
人的な環境
人的環境とは、子ども同士の関係や、教師との関係によって形成される文化や空気です。
ミライトラボでは、子どもたちが自分らしく挑戦できる文化を大切にしています。そのため、子どもたち同士で比較することを避け、自分自身の成長に焦点を当てる姿勢を育てています。
これにより、子どもたちは安心して学び、挑戦することができる環境が整えられています。
目指す環境の作り方
良い環境を作るためには、「影響力」と「行動」の2つの要素が不可欠です。影響力とは、子どもたちが学びやすい雰囲気を作り出す力であり、行動とはそれを実現するための具体的な取り組みです。
影響力の使い方
影響力は、その場をリードする教師や大人への信頼感によって形成されます。
ミライトラボでは、教師や大人たちが「ワクワク」を体現し、その姿勢で子どもたちを導くことで、ポジティブな影響力を与えます。また、グループ全体の雰囲気作りにも配慮し、協力して学ぶ文化を育むことが大切です。
一貫した行動と繰り返し
ここでいう行動とは、子どもたちに提示されるルールや習慣を指します。
ミライトラボでは、競争ではなく自分自身の成長に焦点を当てるため、ゲームや活動の中では、勝ち負けを強調しない一貫した行動を取っていきます。このように全ての行動がブレず、頻繁に示し続けることで、子どもたちが安心して挑戦できる環境を作り出します。
例を出すと、アイスブレイクのためのミニゲームであっても順位や勝ち負けをつけてしまうと、それは場に競争を持ち込むことになってしまいます。なので、勝ち負けで競わせないことが重要です。
競争の原理は、私たちが普段の生活で無意識に取り入れている文化なので、かなり強く意識しないと入りこんでくるものだなと思っています。
環境と子どもの特性の関係性
どんなに良い環境を整えたとしても、すべての子どもに同じように作用するわけではありません。ここで重要なのが子どもの特性です。
子ども一人ひとりには、それぞれの性格や脳の発達段階があり、その特性に応じたアプローチが必要です。
例えば、ある子どもは好奇心旺盛で新しいことに挑戦するのが得意かもしれませんが、別の子どもは慎重であまり変化を好まないかもしれません。ミライトラボでは、子どもたちがそういった自分自身の特性を理解し、環境の中で自分らしく成長できるよう、サポートしています。
ミライトラボが目指す環境づくりと子どもへの働きかけ
ミライトラボでは、環境づくりと子どもの特性に応じた働きかけの両方をアプローチしていくことを目指しています。
子どもたちが自分の特性を理解し、自らの成長に責任を持つ力を育むことが、私たちの目標です。また、その成長を支えるための環境を、常に進化させ続けることも重要です。
環境と子どもが互いに影響を与え合うことで、子どもたちは自分のペースで学び、成長していきます。私たちは、子どもたちが自分自身で「ワクワク」を見つけ、そのワクワクを形にしていく力を育む場として有用であり続けるために、これからも環境づくりと子どもへの働きかけを続けていきます。