「のれん」でお店を決めた話
こんにちは
群馬県高崎市の「あなたの街の看板屋さん」未来社のHMです
週末は、群馬県富岡市のマルシェなイベント「道楽市」を覗いてお買い物、その足で妙義山に紅葉狩りに行くも少し早かったようです。
昼食となりお店探し…ネット検索…
横川駅前の「松一食堂」に決めました。
決め手は食べログの写真の中の一枚
店先に掲げられた真っ白な「のれん」
「お食事処」「松一」と控えめに描かれています。この感じにハズレはない。
「おばあちゃんが一人でやってる」というのも期待度高し。
選んだ「とんかつ定食」のとんかつは、まずデカい。厚い。中はジューシー、外はカリカリで私好み。脂身もしっかりあってジュワー。久しぶりの不健康を味わい尽くしました(笑)
さて、とんかつでなく「のれん」
たった一枚の「のれん」の写真で、人って心は揺れてしまうのですね
看板屋さんとして、その事実を改めて再認識します。
靴を見ただけでオシャレな人と感じたり、ガッカリしたり・・・
美味しいと評判で出掛けるも、黒Tで腕組みの店主の写真を見て入るのをやめたり・・・
看板って実は重要な入店動機に関わっていること再確認します
ここからは「のれん」の蘊蓄。のれんの色について
店先にある「のれん」の色には、歴史的な背景や意味合いがあります。主な色とその特徴を紹介します。
藍色・紺色のれん
藍色や紺色のれんは、呉服屋、酒屋、そば屋などで多く使われています。
この色が選ばれる理由として:
藍には虫除け効果があるとされ、商品を虫から守る意味がある
藍染めの技術が発達していたため、染めやすかった
白色のれん
白色のれんは、主に菓子屋や薬屋で使用されていました。
その理由として:
砂糖の白さをイメージしている(菓子屋)
清潔さや純粋さを表現している(薬屋)
茶色のれん
茶色のれんは、タバコ屋やお茶屋で使われていました1。
これは:
タバコの葉の色を表現している(タバコ屋)
庶民が飲んでいた番茶の色を表している(お茶屋)
紫色のれん
紫色は特殊な意味を持っていました。
江戸時代には:
金融機関から借金をした店が、返済するまで掲げなければならなかった
暖簾(のれん)の色には、伝統的な意味合いに加えて、現代的な解釈や用途もあります。
以下に、先ほど触れなかった色の意味合いを紹介します。
赤色のれん
赤色は、以下のような意味合いを持ちます:
活気や情熱を表現
目立ちやすく、人目を引く効果がある
飲食店、特に居酒屋や焼き鳥屋などでよく使用される
ただし、赤字を連想させるため、文字色としては避けられる傾向にあります。
緑色のれん
緑色は次のような意味を持ちます:
自然や新鮮さを表現
リラックス効果がある
野菜料理店や健康食品店などで使用される
黄色のれん
黄色は以下のイメージを持ちます:
明るさや陽気さを表現
注意を引く効果がある
カフェや洋菓子店などで使用されることがある
黒色のれん
黒色は次のような意味合いがあります:
高級感や落ち着きを表現
シックで洗練されたイメージを与える
高級料亭や寿司屋などで使用される
オレンジ色のれん
オレンジ色は以下のイメージを持ちます:
温かみや親しみやすさを表現
活力や元気さを感じさせる
カジュアルな飲食店やファストフード店で使用されることがある
のれんの文字色
のれんの文字色にも意味があります:
赤色の文字は通常使用されない(「赤字」を連想させるため)
黒色の文字が一般的(「黒字」経営を表す)
伝統的な色使いを知ることで、日本の商業文化の歴史や知恵を垣間見ることができます。
現代では、伝統的な色の意味合いにとらわれず、以下のような傾向が見られます:
ブランドカラーの使用:企業やチェーン店が自社のブランドカラーを用いたのれんを使用
デザイン重視:色彩だけでなく、パターンやグラフィックを取り入れたデザイン性の高いのれんの使用
季節感の表現:季節に合わせて色を変えるなど、柔軟な使用方法
のれんの色は、店舗の雰囲気や提供するサービス、ターゲット顧客層などを考慮して選ばれることが多くなっています。伝統的な意味合いを理解しつつ、現代的なマーケティング戦略に基づいて色を選択することが重要です。