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準備してますか?電子帳簿保存法 義務化は令和6年1月1日から

税理士・社会保険労務・行政書士達が所属する専門家のグループ企業:みらい創研のnoteを御覧いただきありがとうございます。

みらい創研グループの動画はこちら→ https://youtu.be/qq7F7V3KcYk

はじめに

今回は【電子帳簿保存法】を取り上げます。
特定の取引形態について、従来の紙の保存認められなくなるということで、令和3年10月頃から中小企業が急ぎ準備を進めていたところ、同年12月に義務化を2年間延期することになりました。政府としては2年あれば準備が可能であろうとの目論見が有ったのかもしれませんが、世間的には果たして進んでいるのでしょうか?

留意事項
本情報は令和4年6月1日現在の情報を元に作成されており、内容について今後変更される可能性が有ります。

制度の背景

この法律の正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」と言い平成10年に作られた法律です。名前の通り貸借対照表や損益計算書・仕訳帳など帳簿や領収証の保存を紙ではなくデータで保存して良いとする法律でしたが、要件が厳しくて中小企業にはあまり利用されない制度でした。

政府が掲げたDX推進を背景に、事務の生産性の向上、記帳水準が向上するように要件を緩和しようというのが今回の改正の狙いです。

改正のポイントは3つの項目に分かれます。1つずつ解説します。

電子取引

メールで受け取ったり、自分でメールで送った領収証や請求書・見積書などはデータで保存しなければなりません!
ネットショッピングなどを利用した仕入、自分がネット上で販売して発生する売上などこれら経理に関する書類もデータで保存しなければなりません!

と、電子取引だけは「しなければならない」と義務規定になっているますが、他の「電子帳簿等保存」と「スキャナ保存」の2つはやってもやらなくても良い規定です。ここが電子帳簿保存法の肝になっている部分と言えます。

電子取引で対象となる書類や取引とは?

電子取引の対象となるのが、取引先にメールで送信・受信した領収証や請求書・見積書、ネット上での取引です。パソコンやスマートフォン上で売り買いをした場合は全て対象になります。
この他、クレジットカード決済、アプリやICカードを利用した電子マネー決済、請求書など経理処理に必要な書類をFAX受信し、パソコンや複合機の画面で確認できるようにした受信データも対象になります。

令和6年1月1日からは、これら電子取引上で発生した領収証や請求書・見積書などを印刷して紙で保管することが認められなくなり、データで保存しなければならなくなりました。

保存先はパソコン、外付けのハードディスクやサーバー、クラウドなど種類は問いませんが、税務調査時に直ぐに保存データの閲覧やプリントアウトができるように準備しておかなければなりません。

電子取引のルール
電子取引におけるデータ保存のルールですが「ディスプレイ・プリンタの備え付け」「改ざん防止の措置」と「取引年月日、取引金額、取引先で検索できるようにする」と3つのルールが有ります。

「ディスプレイ・プリンタの備え付け」とは税務署の職員が権限に基づいて取引データを見せて欲しいと要請した場合にそれに対応できるようにしてするためのルールです。具体的にはパソコン・ディスプレイ・プログラム・プリンター・操作マニュアルをセットしておきます。

「改ざん防止の措置」は例えば保存した領収証のデータの金額を書き換えたり、削除できないよう予防措置をとることを求めたルールです。具体的にはデータ保存の後にタイムスタンプを付与したり、一度データを保存すると削除や訂正ができないようなデータ保存システムを利用することになります。

タイムスタンプとはスタンプを付与されたデータはそれ以降、内容や時刻に変更・改ざんがされていないことを証明できるものです。

アプリを使えばこれらの処理を自動又は少ない行程で行えますが、使わない場合は「訂正削除の防止に関する事務処理規程」という会社の事務処理のルールを作り、それを備付けることで「改ざん防止の措置」とすることも認められています。

「取引年月日、取引金額、取引先で検索できるようにする」とは、例えば、領収証のデータを保存する際にファイル名に取引年月日、取引金額、取引先を入れる等、必要要件を入力することで検索できるようデータを保存することを求めています。

これらを満たすのに一番確実で簡単な方法は、電子帳簿保存法に準拠して認証を受けたことを示す日本文書情報マネジメント「JIIMA」の認証マークが有るアプリやソフトを使うことです。データの保存方法のルールに合わせているので自分で行う作業がかなり軽減されます。

参考リンク JIIMA認証制度

電子帳簿等保存

貸借対照表や損益計算書、仕訳帳などをデータで保存して良いとする規定です。対象になるものは取引相手から紙で発行されたものか、自分で作成し紙で発行した領収証、請求書、契約書などです。これらの書類をスキャナやスマートフォンのカメラなどで撮影し、保存した場合は原本となる紙の書類は破棄しても良いとされています。
*注意
あくまでも税金上のルールです。別の法律で紙面による書類の保存が定められている場合はこの限りでは有りません。

スキャナ保存

紙で受け取ったり自分で発行した領収証や請求書などをデータで保存して良いとする規定です。データを保存した場合は、タイムスタンプを約2ヶ月以内に付与するか、データの訂正又は削除の事実及び内容を確認できるシステム(訂正又は削除できないシステムを含む)にデータ保存することになります。

また、電子取引と電子帳簿等保存と同様に取引年月日、取引金額、取引先で検索できるようにするか、税務調査等で帳簿書類データのダウンロードの求めがある場合に応じることができるようにする必要が有ります。

スキャナ保存をする際の注意点として、最大出力より大きい書類を読み取った場合については、紙原本を保存しておく必要があります。例えばA3サイズまでは出力できるスキャナとプリンターの複合機が有り、A3サイズよりも大きい契約書を受け取った場合は最大出力よりも大きくなるので紙での保存が必要です。

電子帳簿等保存法の対応方法のまとめ

一番簡単で確実な対応方法は電子帳簿保存法に準拠した会計アプリとデータ保存サービスを利用することです。また、売上・経費の決済もできるだけ現金によるやり取りを減らしネットバンキングやクレジットカードなどを利用すると更に経理上の工数を減らすことができます。

社内の経理体制を直ぐに変更できない場合は、義務化される電子取引の対応から始めましょう。取引先への代金請求をメールでしたり、備品の発注をネット通販で行っていたらデータ保存が必要だということを社員に周知して下さい。

会計ソフトやアプリを利用し複合機の有る会社であれば電子帳簿保存はスムーズに移行できると思います。

スキャナ保存はルールに合うシステムの導入が必要になりますが、経理処理の工数と書類の保存スペースを減らすことができるので会社規模に関わらず利用をおすすめ致します。

会計・税務のプロ=税理士から支援を受けるのも選択肢の一つ

電子帳簿保存法改正の対応は会計とITに関する知識が必要になります。社内で対応しきれないという場合はみらい創研グループの経理コンサルティングの利用もご検討下さい。
>>TEL:0120-572-133

電子帳簿保存法を動画で解説してます


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