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仮想通貨の税金・確定申告!相続税のことも少し解説

最近、インターネット上の検索数や弊社のYoutubeチャンネルの人気動画を見る限り、特に30~40代の会社員を中心に「投資」という概念が馴染んできたなと感じます。大きなコンビニや本屋さんの棚には投資専用のコーナーが有り、世間全体の投資に対する関心が定着していることを感じます。

さて、投資の経験年数がある程度の長さになってくると、株式・債権・投資信託以外の投資対象を探している方も居ると思います。FX、外貨、コモディティと並び仮想通貨も投資先に考えている方もいると思います。今回はこの仮想通貨の投資をした後の税金・確定申告について解説します。

先ずは税金がかからない例

はじめに税金が掛からない例をお話します。単に仮想通貨を購入して持っているだけでは税金は発生しません。何かしらの利益を出した時に税金が発生します。
例えば、令和3年に現金10万円分のビットコインを購入しました。そのまま保有し、令和5年中に値上がりして20万円の価値になったとします。ただし、特に換金や取引はせずに保有のみしている場合…これは税金は掛かりません。法人の場合は税務上の扱いが異なりますが、個人の場合は値上がりを期待して持っているだけでは税金が掛かりません。
では、次に取引のどのようなタイミングで利益がでたとするのか?と言う考え方について解説します

仮想通貨取引で税金がかかる場合

1.仮想通貨の売却時
まず最初にご紹介するのはシンプルに仮想通貨の売却時に利益が出た場合です。
・ 4,000,000 円で4BTC を購入した。
・ 0.2 BTC を 210,000 円で売却した。
計算式がこちらです。ビットコインの購入時と売却時の差額が所得とされます。所得とは収入から経費を引いた差額を所得といいます。この所得が出た場合は所得税の確定申告義務が有ります。

2.仮想通貨で買い物
次の例は仮想通貨でNFTなどを購入した場合です。
・ 4月2日 4,000,000 円で4BTC を購入した。
・ 10 月5日 403,000 円(消費税等込)の商品を購入し、決済に 0.3 BTC を支払った。

単にビットコインで買い物をしただけなのに何で利益が出てきたんだ?という疑問をお持ちの方も居ると思いますので時系列で解説いたします。

4月2日にビットコインを購入した時は1ビットコインの価値は100万円でした。0.1ビットコインは10万円です。
4,000,000円÷4BTC
1BTC=1,000,000円
0.1BTC=100,000円

10月2日に403,000円の買い物をする際に0.3ビットコイン支払いました。すると、30万円の支払いで403,000円の買い物ができたことになります。この差額を利益と見て所得税の課税対象にするとしています。

3.仮想通貨の交換
仮想通貨同士の交換について見ていきましょう。先程の仮想通貨による買い物を思い出していただければ想像しやすいかと思います。

・4月2日 4,000,000 円で4BTC を購入した。
・11 月2日 40XRP(リップル) を購入し、決済に1BTC を支払った。なお、取引時における交換レートは1(リップル)XRP=30,000 円であった。

計算例の通り、1リップル3万円で40リップル購入すると本来は120万円掛かります。しかし、支払いは1ビットコインで行い、20万円分得をしたのでこの分が課税の対象になるというものです。

税金が掛かる3つの取引について例を挙げました。どれも、言わんとすることは理解できますが、現時点では利益の計算をして確定申告の手間が発生します。株式など他の金融商品取引の様に確定申告不要制度ができる等の大幅な制度改善に期待しております。

確定申告や税金の計算方法

ここからは、仮想通貨取引を行った際に必要になる確定申告・計算方法について解説します。この解説は個人の方を前提としてお話しします。

先ずは確定申告から…基本的な考え方として、仮想通貨の取引で利益が出たら確定申告が必要だと思ってください。しかし、会社員の方で既に給与所得が有って、その他、仮想通貨の利益が20万円以下であれば「所得税」の確定申告は不要となります。

住民税の場合は収入や所得で何万円以下なら申告不要という制度はありません。原則として収入ー経費の計算で1円でも所得が出ていれば申告の必要ありとなります。

では、何が経費になるのかと言いますと、先ずは売却や交換をした仮想通貨の原価です。例えば令和4年中に4ビットコインを400万円で購入して、1ビットコインを売却した場合はこの1ビットコイン分100万円が原価となり経費になります。まだ手元にある3ビットコイン300万円分は在庫として残ります。

実際の取引上の利益計算について国税庁から仮想通貨の計算書というExcelの計算ツールがダウンロードできます。取引所から発行された取引報告書の数字をこのExcelに入れると自動計算してくれます。Excel表の下段にある所得金額が確定申告雑所得欄に記入する数字です。

この他、取引時に発生した手数料も経費になります。注意が必要なのが、インターネット回線やパソコン等の代金を経費に入れる場合です。例えばインターネット回線をプライベートで使うものと同じ回線を使うなら全額を経費に入れることはできません。按分が必要です。パソコンやスマートフォンの購入代金も同様に按分が必要ですし、購入代金が10万円を超えるなら減価償却といって数年に分けて費用化しなければなりません。

仮想通貨の利益は、所得税の計算上で雑所得というものに該当し総合課税という制度で税率を計算します。これは、給与や事業所得、不動産所得などで得た利益と仮想通貨で得た利益を合計して、途中で社会保険料控除など所得控除の計算を経て、残った利益に応じた税率を掛けて計算します。

仮想通貨の損益通算

仮想通貨の売買で損が出た場合、例えばビットコインの取引で10万円の赤字が出て、イーサリアムで20万円の利益が出た場合は損益通算といって仮想通貨同士の損と利益は相殺できます。しかし、ビットコインの取引で出た10万円の赤字を、給与所得など他の所得から差し引くことはできません。

所得税の暗号資産の評価方法の届出書

さて、ここまで、確定申告に関する解説をしていたのですが、これからご紹介するのは申告の前、購入した仮想通貨の単価計算の方法についてお話します。国税庁の書類通りに言うと「暗号資産の譲渡原価」になるのですが、チョットわかりにくいので言い回しを変えてお話したいと思います。

この単価計算をする場合、2つの計算方法が有ります。一つが「総平均法」でもう一つが「移動平均法」です。原則として初めて仮想通貨を購入した年の確定申告期限…つまり次の年の3月 15 日までに、税務署に対して「総平均法」か「移動平均法」どちらかの計算方法を選択しますと届け出ます。

この他、別々の種類…たとえば最初にビットコインで運用をしていて、途中でイーサリアムも始めた場合はこのイーサリアムについて届け出が必要になります。

ちょっと面倒だと思った方も居ると思いますが、届け出をしないという方法も有ります。本来は仮想通貨の種類ごとに届け出を出すのですが、出さない場合は全て「総平均法」になります。

「総平均法」の計算

先ず総平均法はどんな計算をするかというと…こちらの表を御覧ください
・4月1日に4,000,000円で4BTCを購入
・7月1日に3,000,000円で4BTCを追加購入
・10月1日に2BTCを2,000,000円で売却

この場合、購入費用の総額7,000,000円を8BTCで割ると単価が875,000円となります。2ビットコンを2,000,000円で売却しているので250,000円の利益が出ました。この様に、1年間の購入費用の総額を、購入個数で割って単価を出す方法を総平均法と言います。これは仮想通貨の種類ごとに行います。ビットコインとイーサリアムの2種類をお持ちなら、それぞれに総平均法で計算をします。

「移動平均法」の計算

次に移動平均法の計算に入ります。
・4月1日に4,000,000円で4BTCを購入
・7月1日に2BTCを2,400,000円で売却
・10月1日に3,000,000円で4BTCを購入

この場合はどうでしょうか?
利益は400,000円になります。移動平均法の場合、仮想通貨の購入毎に単価の計算をするからです。そして、10月に再度ビットコインを購入した後の単価に変化があります。5,000,000円÷6で833,333円となりました。先程の総平均法と比べて単価に4万円以上の差が出ました。

どちらの計算も先程ご紹介した国税庁が提供しているExcelの計算ツールを利用すると便利です。

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kakuteishinkokukankei/kasoutuka/index.htm

仮想通貨は相続財産にも該当します

今のところ事例はそう多くないと思いますが、仮想通貨は資産です。つまり、仮想通貨の所有者が亡くなった場合は相続財産として金額を出さなければなりません。

こちらの国税庁の「暗号資産に関する税務上の取扱いについて」でも「相続や贈与により取得した仮想通貨の評価方法」として相続時の仮想通貨の値段の付け方に触れております。

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf

相続時における仮想通貨の評価方法は大まかに3つ有ります。
仮想通貨交換業者が発行する残高証明書の価格、実際に仮想通貨を売却した時の価格、相続人が既に複数の仮想通貨交換業者と取引をしていている場合は相続人の選択した交換業者が公表している取引価格…この場合は相続発生時の価格になりますが、これで評価しても良いとしています。

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