仕事、日常から人間が消えている
一連のいわゆる「バカッター」騒動において、飲食店アルバイトの不正行為は社会の一員として許される行為では無いし、厳罰に処されるべきであると思う一方で彼らだけが叩かれるのは間違いであるという意見にも一理ある。
「時給が高ければあんなことは起こらなかったのだ。」という意見は的はずれだと思う一方で、飲食店、スーパー、コンビニ業界は売れ残り食材を廃棄しているのは現実にある。その商品を出荷しているメーカーで働く労働者はどういう思いなんだろうか。「くら寿司」や「スシロー」の様な回転寿司チェーンだって周回して取られなかった皿のネタは廃棄しているわけだし。そういう光景を目にしていると食品が食品に見えなくなってしまうのかもしれない。ファミレスでお皿に料理を残したまま立ち去る消費者だって同じだ。その皿を洗う従業員の立場ならどう感じるか考えた方がいい。
生産性、合理性という言葉が飛び交うが、大量に作られて、消費されずに廃棄されるのは合理的なのだろうか?
物を買うとき、扱うとき、目の前にある物は色んな人の手に渡って自分の手元にやってきたんだ、そう考えられる人がいなくなっているんじゃないかと思う。お金を出せば当たり前に手に入る、そういう感覚しかないんじゃないか。人間不在の仕事は仕事じゃない。
目立ったことをするアホがメディアに吊し上げられると一斉に群がって批判はするけど、場所を変えれば対して変わらないことをやっているんじゃないか。
食材に限った話ではないけど、物の向こう側にいる人の気持ちを考えられないのであれば「もったいないおばけ」に連れていかれたらいいと思う。
人のことを言うのは簡単。では自分はどうか。
感情的にならず考えられる人間が増えてほしい。