昇進昇格アセスメントのフィードバック
多いのか少ないのか全く予想が困難ですが、この記事を読んでいただいている方の中で、これまで昇進昇格アセスメントを受講された経験があり、そして担当講師から当日、フィードバックを受けたことがある方、または後日、フィードバックレポートが届いたことがある方、おそらくゼロに近い人数だと思います。
このような中での問題提起となると少し的外れかもしれませんが、一般的な観点、あるいは運営側の企業さん、御社側の人事担当者の方の立場で考えていただけければと本日、記事を書いております。
2日間~3日間で実施される昇進昇格アセスメントの場合、通常であれば受講者の方に対して担当アセッサーから直接、フィードバックが行われます。
また、直接のフィードバックが困難な1日間の日程の場合はフィードバックレポートといった形式でこれが実施されます。
このフィードバックについては、各観点から賛否両論があり、シンプルに功罪を語れるような代物ではありませんが、昇進昇格アセスメントの導入時、運営時において「なんとなくあったほうが良い」とされている代物です。
なぜあったほうが良いとされているのか?
受講者の方にフィードバックすることで・・・とコンサルティングファームの営業担当者は推奨してきますが「それ本当ですか?」が今回の具体的な問題提起です。
「ガス抜きです」「昇進昇格アセスメントの結果を伝えることは当たり前かな?」「昇進昇格アセスメント全体を互いに振り返ることで新たな気づきを得るためです」「受講者の方の納得を高めるためです」
いろいろ推奨理由が挙げられますが、どれも「うーん…」に近い内容で、強いていえば最後の「受講者の方の納得を高めるためです」が多少ましかなといった感じです。
● 受講者の方の納得を高めるため → 「何の納得?」
● コンピテンシーの凸凹の納得を → 「その目的は?」
● 受講者の方の今後の成長に向けて → 「成長? 昇進昇格アセスメントの目的は『評価では?』」
やはり昇進昇格アセスメントの目的を明確にしておくことが重要ということになります。
ただ、御社の人事部門の中には「このアセスメントは昇進昇格アセスメントであり、この結果によって来る次年度の昇進昇格者が最終的に決定します」のアナウンスがキツイと感じられる方も多く、どこかに醸し出すことでご自身の心を穏やかに保たれている気がしないでもありません…。
「この昇進昇格アセスメントは、受講者の皆さんの成長も促す内容です」
すると、コンサルティングファームの営業担当者が推奨する理由の一つである「ガス抜きです」も、誰のためかは別にして、案外、正解に近いのではないでしょうか?
以前、別チームである「みんなのアセスメント」の「インバスケットって何ですか」にあった記事のように、インバスケットをはじめとする昇進昇格アセスメントは評価を目的にしたものであり、それ自体が受講者の方の成長につながるものではありません。
一方、「TOEICの受講に向けて日々トレーニングするから英語のコミュニケーションスキルがアップする」
「昇進昇格アセスメントの受講に向けて日々トレーニングするから働く力がアップする」
このような共通理解の下、昇進昇格アセスメントでフィードバックが行われるのであれば、その存在に対しても賛成意見が増えてくるものと考えられます。
このように、昇進昇格アセスメントは評価のために実施するものであり、周囲にある「能力開発」「自己研鑽」「成長促進」など、これでもかのキーワードを塗された代物に対してはあらためて距離をとり、検証してみることが重要です。
以上で今回の記事を終わります。長い記事に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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