収量を増やすなら光をしっかりと! (農業)
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。
植物の生長には「光」は非常に重要な要素です。
光合成は水(H2O)と二酸化炭素(CO2)を材料にして光のエネルギーで糖(C6H12O6)を作り出し、副産物として酸素(O2)を排出しています。
そして光合成で生み出された糖(C6H12O6)と根から吸収された窒素(N)とがタンパク質や炭水化物となり植物の体(細胞)を作っています。
植物にとっては光というのは生長していく上で非常に重要なものなのですが、とりわけトマトは光の要求度が高い植物で、光飽和点は7万ルクスにもなりこれは真夏の太陽光ぐらいの強い光です。
トマト栽培の世界では「1%ルール」といわれるものがあり、「光量が1%増えれば、収量が1%増える」ともいわれています。そのため農業者は光がしっかりと葉にあたるように栽植密度に気を配ったり、建物などの陰にならないように気を配ったりします。
栽植密度を考えるうえではLAI(葉面関指数)を一つの基準として用います。
LAIというのはLeaf Area Indexの頭文字であり、ある土地の面積とその上部にある植物のすべての葉面積の合計との割合であり、例えばLAI=3は、1㎡の地面の上にある葉の面積の合計が3㎡あることを意味します。しかし葉の面積の合計を計算するのは実務的に難しいので、一般的にはトマトでは葉が13~15枚ついた株が1㎡あたりに1本あればLAI1として考えられています。
植物の栽培においては光は非常に重要なので、このように植付けの段階からしっかりと光がどれくらい必要かを考えて栽培されています。
トマト自身も非常に賢く、自ら光を受けられるように下記の写真(↓)のように同じ方向から葉を出さないようにしています。
光エネルギーをしっかりと得られるか否かが植物にとっては生きていくための生命線なのでしっかりと進化してきた証ですね。
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