肥料価格の高騰について (農業)
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。肥料価格高騰は農家を大きく悩ませています。
肥料価格の高騰の理由は、複合的な要素が絡んでいます。
まずマクロトレンドとして、日本では人口は減少していますが、世界的にみると人口は増加しています。つまり世界全体の人々に食料を供給するためにはもっとたくさんの食料を作る必要があります。つまり農業分野においては農作物の生産を増やす必要がありますのでそれに伴って世界中で肥料の需要は高まっています。このようになると肥料の取り合いとなり日本に回ってくる肥料の量も減少していく、、ということになります。
日本は化成肥料の原料はそのほとんどが輸入に頼っていますので、肥料の原料の調達が今後も厳しい状況が続くのは間違いないと思われます。
世界的な人口増加を背景に世界各国が食料の生産増のために肥料の原材料の取り合いという状況で、肥料原料の輸出国は自国優先にならざるを得ないので、日本での肥料価格高騰は今後も続くのは間違いありません。
また国際状況については国際紛争などによるモノの動きの停滞も大きな影響を及ぼしています。代表的なのは原油高です。窒素系の肥料の原料となるのは原油など化石燃料だからです。つまり原油価格の上昇に加え、各国の肥料材料の取り合いという状況になっているということです。
さらに日本の場合は、原油価格上昇+各国の取り合いに加えて“円安“が肥料価格高騰に拍車をかけています。
いわばトリプルパンチ状態で肥料価格が上昇している状況です。このトリプルパンチの要因のどれをとっても、短期間で解消されるものは見当たらない状況です。
農家は自分ではどうにもできない原因(トリプルパンチ)により、農業経営が圧迫されるという状況になっています。もちろん政府の助成などで対策をすすめていますが、おそらく肥料高が今後も永続的に続くとすれば、政府がいつまでも助成してくれるとは思えないため、しっかりと自身で対策を立てていく必要があります。
ポイントとしては以下の4点です。
①肥料の転換
土耕栽培の場合は堆肥などの国内で調達できる有機系の肥料に切り換える。
②無駄を省く
土壌分析などを行い、必要な肥料を必要な分だけ投入することで、無駄を省いた施肥をする。ドローンなど新しい技術を使った肥料の削減。
③肥料の共同購買
できるだけ仲間と肥料を共有化して、購入する量をまとめてスケールメリットにより購入価格を下げる努力をする
④肥料購入先の見直し
どのようにすれば購入単価を下げられるか一緒になって検討してくれる肥料の購入先をえらびましょう。
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