今後、もみ殻活用が人気に? (農業)
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今まで処分に困っていたもみ殻が、最近、脚光を浴びつつあります。
以前の記事でも紹介した「もみ殻の薪化装置」と「もみ殻の炭化装置」。
米を籾摺りするとだいたい1haで1トンものもみ殻が出ます。収穫したお米が集まってくるライスセンターなどでは大量のもみ殻が発生し、一部は土壌改良材として利用していますが、多くは廃棄処分されてきました。
また廃棄処分も産業廃棄物として燃焼処分されていますので費用もかかります。これが毎年、毎年発生するのでもみ殻の処分費用も毎年、毎年かかります。
しかし昨今の原油高や環境配慮の考え方から、もみ殻の活用に脚光が浴びつつあります。
その一つが、「もみ殻の薪化装置」。
すごく簡単にいうと、もみ殻を圧縮して薪のような棒状にする装置。作られたもみ殻の薪のことを「モミガライト」と呼ばれています。
原油高やカーボンニュートラルなどの観点から、化石燃料をあまり使いたくないという傾向が出てきていますが、もともと燃焼処分していたもみ殻を化石燃料の代わりにモミガライトを使用することができますので、ハウス栽培の燃料やバイオマス発電の燃料、BBQの燃料など様々な場面で代替燃料として使えます。今までコストでしかなかったもみ殻が収益源として活用することができるようになってきています。
そしてもう一つが「もみ殻の炭化装置」。もみ殻を炭にする装置です。もみ殻を炭にして農地に戻すことでCO2を地中に固定化できることから、カーボンニュートラルの視点見るとCO2のマイナス効果があるとしてJ-クレジットの対象にも挙げられています。
低い温度で加熱するともみ殻は炭になるのですが、炭になると分解されにくくなるので、空気中に炭素を排出するスピードが遅くなるためCO2のマイナス効果があると考えられています。
もみ殻の炭化といえば、昔から使われていた「もみ殻燻炭」です。
土壌改良にも役立ち、微生物の住処にもなるよい農業資材ですよね。
J-クレジットの対象となることで、削減したCO2量を国が「クレジット」として認証してくれるのでこのクレジットを売却することで収益を得ることができます。
少しわかりにくいかもしれませんが、
例えば企業が工場でモノづくりをする際にたくさんのCO2を排出しますが、企業にもCO2の削減目標があり、CO2排出の削減努力をしなければなりません。努力しても削減目標をオーバーしてしまった場合、オーバーしてしまったCO2量分に応じたクレジットを購入して穴埋めしなければなりません。ですから、農業者がもみ殻を炭化してクレジットを取得しておくと、企業などに販売することができるのです。
大手企業ももみ殻炭化(バイオ炭)のビジネスに参入し始めています。
このように、現在、もみ殻の利用に注目が集まっています。
今まで費用をかけて処分していたもみ殻が収益源となれば農業者にとってはうれしいですね!
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