根域制限栽培にチャレンジ!
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。いや~暑いですね。
大阪の週間天気予報ですが、37~38℃の気温の日が続くのでゾッとしますね。農業など屋外で働く方は熱中症に気を付けてくださいね。
前回の記事は根域制限栽培を行う目的やメリット・デメリットについて記載しましたが、今回は前回の続きで、「根域制限栽培」の種類について見ていきたいと思います。
<根域制限栽培の種類>
根域制限栽培には、主に以下の3つの方法があります。
・コンテナ栽培:
苗木をコンテナに植え付け、根域を制限する方法です。コンテナ栽培では40〜70L程度の培土を使用することが多いです。必要に応じて容器を樹ごと移動できる利点があります。
省スペース化やコンテナごとに移動できるのは非常に便利で、例えば病気の出た株を撤去するにおいてもコンテナごとハウス外に持ち出すことができ、またコンテナ単位で分離されているので根系の病気の伝染を防ぐこともできます。
・ベッド栽培:
地表に防根シートを敷き、その上に盛り土をして苗木を植え付ける方法です。大規模な栽培に適しています。
・防根シート栽培:
土中に防根シートを設置し、その枠内に苗木を植え付ける方法です。既存の果樹園に導入しやすい方法です。
防根シート栽培やベッド栽培では1樹当たりの土量は60〜200L程度が多い。土壌水分調節のため土の厚さは20〜30cmが適当であり、浅根性の温州ミカン、ブドウ、モモに適しています。
用いる防根・透水シート(主に不織布)には十分な強度と耐久性が必要で、根がシートを貫通し、枠外の土壌に伸長すると、根域制限の効果を著しく低下させる。
それぞれの方法には、メリットとデメリットがありますので、栽培する果樹の種類や栽培条件に合わせて最適な方法を選択する必要があります。
一般栽培に比較して根域制限栽培では、1樹当たりの収量が少なく、収量を確保するためには多くの株数を必要とし、資材費や苗木経費がかさむ欠点があります。
根域制限栽培では果実は一般に小玉化し、着色や味は良好となります。これは、根密度が高くなるため、水ストレスがかかりやすくなるためです。
樹の高さも低くなるため、栽培管理が大幅に省力化され、加温施設栽培を組み合わせて早期出荷も可能となりますが、樹勢や収量の維持が難しく、きめ細かな管理が必要となります。とくに、水分管理が最も重要な技術であり、自動灌水装置による少量多潅水がよく行われています。
一般の土耕栽培に比べて栽培難易度は高くなりますが、高品質で作業性も高い根域制限栽培にチャレンジしてみてはいかがですか?
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