虫に食べられるのはおいしい野菜の証拠は間違い! (農業)
昔は「虫に食べられるのはおいしい野菜の証拠」とよく言われました。生産者もこのセリフをよくいっていたし、このセリフを信じている消費者もが多かったですね。今でもまだまだいるのではないでしょうか?
しかしこれは大きな間違いです。
虫に食べられるのはその野菜が軟弱で健全に育っていない証拠なのです。窒素成分の多い土で育てた野菜は窒素を吸収しすぎて生育過剰、つまりメタボ状態になっています。窒素はいわば成長促進剤みたいなもので、窒素成分の多い土壌で育った植物は葉が大きくなり、一見 立派に育っているように思えます。しかし実際はドンドン成長してしまっているため細胞壁を強固にすることが追い付かず、風船のように細胞が膨らみ、細胞壁が薄くなってしまって病害虫に侵入されやすくなります。
窒素を多く溜め込んだ野菜は「えぐみ」や「苦み」が強く人間にとって食味は良くないケースが多いです。 さらに窒素成分の多い土壌で育つと細胞壁の薄い軟弱な細胞になるため病害虫の侵入がたやすくなるうえに、窒素成分を求めて病害虫を呼び寄せてしまうので、余計に病害虫に浸食されやすくなります。
つまり “虫に食べられている作物はおいしくないケースが多い” ともいえるのです。
一方、窒素成分が控えめな土で育った野菜は細胞壁が厚くなり病害虫が侵入しづらくなります。細胞内に留まる窒素成分が少なく「えぐみ」や「苦味」も抑えられます。 土中にすぐ吸収できる窒素成分が少ない環境では野菜自身が根を伸ばし苦労して養分を吸い上げます。つまりしっかりと適度運動しながら適度な量の食事をとり健全に育っているわけです。
すぐに吸収できる窒素成分がないと野菜自身が根を伸ばすなど積極的に活動して有機物を分解・吸収するので、細胞壁の生長に見合った窒素成分を吸収するため、厚みのある丈夫な細胞壁が作られ簡単に病害虫の侵入を許しません。
健全に育った野菜を見極める目を養いましょう!!
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