冬季に備えて準備を始めよう!(施設栽培)
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。
施設栽培では暖房機の準備を始めなければならない時期になってきました。早いですね~。
今週中ごろから夜間温度が10℃付近になってきます。この間まで暑い暑いと言っていたのにもう暖房機の準備をしなければならないのかあ、、、と思っちゃいます。
しかし重油価格が高い!!!重油価格はズーっと高止まりが続いています!
多くの施設栽培では冬場に温度を制御するためには重油暖房を使っていますし、農業ハウスは非常に広く体積的に大きな空間を温め続けるので、重油代は経営にのしかかる大きなコストです。重油単価が上がると農業経営にとって大きな痛手になります。
何とか節約したいものですね。しかし重油代を節約するためにハウス内の設定温度を下げたりしたら、収穫量に直接的に影響が出てきます。収穫量が減ってしまったらもちろん収入が減りドンドン悪循環に陥ってしまいます。
収穫量への影響が出ないように節約をしていかなければなりません。しかし大きな設備投資もなかなかできないものです。
となると、なんとか無駄を省いてやりくりするしかないですね。
そこで、まずは「ハウスの隙間」を塞いで気密性を高くしましょう。
一般の家でも同じですが、壁や窓にすき間があり風がヒューヒュー入り込んでくる状況では家の中は温まりません。ビニールハウスでも被覆の破れはもちろんですが、天井のカーテンのつなぎ目やハウスの出入り口付近、側面とカーテンのつなぎ目、天井や肩部の付近、内張りカーテンの裾付近など、すき間ができやすい部分を意識的に点検して「止め金具」や「重し」などを使って完全に塞ぐことが大事です。換気扇のあるビニールハウスならば換気扇のシャッター部分もすき間ができやすい。こういったところにしっかりと目配りして徹底的に塞ぎましょう。
よく農家ハウスを見させていただくと、意外と小さな破れや隙間が放置されているケースが多いです。1つ1つは小さい隙間かもしれませんが、小さい穴を寄せ集めてみると相当大きな隙間になっているものです。
小さい破れや隙間かもしれませんがしっかりと見つけて塞ぐようにしましょう。
またお金がかからない対策としては暖房機の温度設定も確認してみましょう。もちろん先に記載したようにむやみに削減するのは良くないですが、無駄に高い温度に設定していないか、荒っぽい温度設定になっていないか・・・きめ細かい温度設定を行い不必要な暖房機の使用は控えるようにしましょう。
さらに少しお金はかかりますが、天井やサイドなどの被覆の多層化も燃料費対策には効果的です。人間でも服を「重ね着」すると体温で温められた「空気の層」ができるので暖かく感じます。ビニールハウスでも被覆を多層化することで「空気の層」ができるのでハウス内を暖かく保つことができます。
今後も燃料価格は高止まりが続くといわれていますので、長いスパンで農園の燃料対策を考えていく必要はあります。その際にはしっかりとした設備投資計画を考えて、ヒートポンプの導入なども考えていく必要はあると思いますが、今はまず目の前のできることをしっかりと取り組んでいくようにしましょう。
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