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ハウス内環境と設備の動作モデル事例(2021年1月10日)【農業】

ある農園のハウス内環境の変化と設備の動作モデルを見てみます。
冬の環境制御の参考にするため昨シーズンのデータを見てみます。(2021年1月10日)

この農園のハウスは環境制御関連の設備としては、暖房機、天窓、側窓(上・下)、カーテン2層(保温、遮光)、CO2施用装置は入っていませんが、代わりに家庭用ファンヒーターを使ってCO2濃度を調整しています。軒高3m、間口8mの約1,000㎡のトマトハウスです。
(場所:兵庫県姫路付近)
2021年1月10日の1日の状況を見てみます。

まず温度・湿度のグラフから。

温度は最低温度を13℃に設定しているため、夜間温度は13℃付近で維持されています。下のグラフの暖房機の動きを参考にしていただければわかりやすいですが、夕方17から朝の9時まで暖房機が継続的に稼働しています。これにより昼間は18~25℃、夕方から朝にかけては13~15℃の温度管理ができておりDIFは8℃程度となっています。
(12月時点では15℃設定でしたが燃料費削減ですかね・・・)

また湿度については昼間の湿度は70~80%といい感じですが、夕方17時ごろの一時期は湿度は90%となりどうしても高めになってしまっています。
しかし暖房を継続的に稼働させ続けることで夜間の湿度をできるだけ高くしないようにしています。

飽差については光合成が活発な昼間で3~6g/m3と適切な範囲で推移しています。

CO2濃度については日射量も少なくなってきていることから朝の9~10時ごろにファンヒーターを動かしてCO2濃度を高く1800ppmまであげ、その後は天窓は10%だけ開いた状態で14時ごろには400ppm付近で維持しています。

日中の光がしっかりある時間帯にカーテンを開けて光を取り込むとともに、飽差が3~6g/m3と適正な状態で、CO2濃度も1800ppm~400ppmを維持しているのでしっかりと光合成をしている状態にあると思いますがもう少しCO2濃度を維持したいですね。

カーテンについては光合成が盛んな日中は開けてしっかりと光を取り込み、夜間においてはカーテンを閉めてハウス内空間を狭くして暖房機の燃料代を削減しています。
11月初旬には夜間の高湿度状態を解消するため、夜間でもカーテン、天窓は少しだけ開けていましたが、12月初旬から引き続きカーテンは完全に閉めて燃料費削減の方を重視しています。(天窓は10%だけ開いています。カーテンは完全に閉まっています)

この農園のハウスのカーテンは透湿性があるものを使っているためカーテンを閉めていても、カーテンの下部から上部に水蒸気が抜け少し開けている天窓から水蒸気を抜くことができます。
高湿度状態が続けばカビ病が発生しやすくなるため、こういった微妙な設備の動作モデルが非常に重要となります。


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t.ogawa19720117@gmail.com

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農業大好き❗ 小川隆宏
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