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農業ハウスを建設する際に⑩ ~ハウス設備の仕様を決める(潅水システム)~

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
2022年の第1回目の記事は「農業ハウスを建てる際に⑩ ~ハウス設備の仕様を決める(潅水システム)~」です。

植物の体は90%が水で構成されています。植物の生育において水は①光合成の原料、②蒸散するときに気化熱で植物の体を冷やす、③肥料の輸送、④膨圧により植物のかたさに関わる、など植物の生育に非常に重要な役割を担っています。
このように植物において水は非常に重要ですので潅水をどのように行うかをしっかりと考える必要があります。

① 潅水の考え方

潅水をどれぐらい与えるか、どのように与えるかを考えるにあたっては、植物は蒸散により水分を放出することで吸水します。その蒸散に大きく影響するのは"日射"ですから、潅水は日射に合わせるのが適切です。基準値を決めずに経験や勘などで与えると過不足がおきる原因となります。
日射比例潅水を始めるにあたって、まず自分の土地では1日の積算日射量がいったいどれくらいあるかということをご確認しましょう。日射量が多い5月末から梅雨入りまでは1日・1㎡あたり18MJ前後ある一方で、日射量が少ない12月は7~9MJ前後と時期により大きな開きがあります。

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