今からでもできる暑さ対策 (農業)
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今年の気象状態はラニーニャ傾向が強いとのことでしたので、ラニーニャの時は雨が多いということで梅雨は長引くと予測していましたが大外れであっという間に梅雨は開けてしまいました。
まだ6月下旬から40℃を越える日が各地で起こるなどもう夏ですね。。。
農業のハウス栽培では連日ハウス内は40℃越えの日が続いています。
そこで今からできる暑熱対策について今日はお話します。
ハウス栽培で暑熱対策というと「細霧冷房」とか「パット&ファン」、「ヒートポンプエアコン」などという名前がよく挙がってきます。先進的な技術で話題にもなりますし、やはり暑熱対策には非常に効果があります。
しかし設備金額は高額でさらに工事など時間もかかり、今すぐに暑熱対策のために使えるものではなりません。こういった設備を導入するにはしっかりとした計画・準備が必要です。
今すぐに暑熱対策をしたい!という場合には以下の方法があります。
① ハウスの屋根散水
屋根散水とはハウスの屋根上に散水し、屋根面を冷却することでハウス内部の気温を下げる方法です。屋根面の冷却効果の90%は水が蒸発するときに奪う気化熱によるものです。
② 遮光用の被覆資材を使う
高温期に利用される暑熱対策として遮光も広く行われています。寒冷紗などを使用して遮光を行う場合、作物に必要な日射量を制限しすぎると徒長や黄化、生育の遅延などが発生するため、作物と季節に応じて適切な資材を選択する必要があります。この点で光合成に有効な光の波長域はできるかぎりカットせず温度上昇効果の高い遠赤色光域をカットする遮熱資材も各メーカーから出されています。遮光資材の被覆方法には外部被覆と内部被覆があります。外部被覆は遮光資材をハウスの外側からハウス外面に直接被せるもしくは外側から少し離して覆う方法です。遮光資材を常時被覆したままの固定式、遮光不要時に巻き取る可動式、いずれにおいても台風などの強風時には注意が必要です。内部被覆 (内張り)の場合、ハウス内で日射を遮る形になるので昇温抑制効果は外部被覆方法より劣る場合があります。
遮熱資材には遮熱性を持ったネットやフィルム、カーテンなどがあります。施設栽培では外張りやカーテン、ハウスサイドに、露地栽培ではトンネルに使用します。
<製品>
●スリムホワイト45
高い遮熱効果を持つデュポン™タイベック®を素材に使用し、耐水性、透湿性、通気性、耐久性に優れた資材です。反射率が高くシートに蓄熱することがないため、昼間の高温時には温度上昇を抑え、夜間には熱を逃がさず保温できます。ハウスサイドに使用すると散乱光によってアザミウマ類などの侵入抑制にも効果を発揮します。
・素材:デュポン™タイベック®、ポリエチレン糸
・サイズ:幅2.0m
・遮光率:45%
・色:白
・用途:内張カーテン、ハウスサイドなど
●タキイ涼感ホワイト 50
赤外線(熱線)を反射することでハウス内を明るく保ちながら、室温や果実内温度の上昇を防ぎます。 紫外線劣化防止剤入りなので耐久性にすぐれ、伸び縮みしません。
・素材:ネット状ポリエチレン不織布
・サイズ:幅2.1×長さ100m
・遮光率:45~50%
・色:白
・用途:ハウスの外張りやトンネルなど
●ホワイトハイブレス
吸水性や透湿性が高く、夕方の温度低下などで発生する霧・モヤを吸収します。内張りカーテンやサイドカーテンに設置します。遮光、遮熱効果があり、夏冬兼用で使用することができます。
・素材:PVA(ポリビニルアルコール)
・サイズ:幅2.0×長さ100m
・遮光率:45~50%
・色:白
・用途:内張りカーテンやサイドカーテンなど
●ら〜くらくスーパーホワイトライト L55
反射率が高い(80%)素材により、高い遮熱・遮光効果を発揮します。高い遮光率を持ちながらもハウスを明るく保ちます。ハウスの内張りや外張り、露地栽培にも使用できます。
・素材:ポリエチレン
・サイズ:幅2.0m
・遮光率:50~55%
・色:白
・用途:外張りや内張カーテンなど
③ 遮熱剤を使う
遮熱塗料とは、夏場の農業用施設内の温度上昇を防ぐため、屋根の部分に使用する特別な塗料です。ビニールハウスへの塗布は、遮熱塗料の原液を希釈し、動力噴霧機で屋根の外側からスプレー状に散布します。遮熱効果に優れていながら、遮光効果がほぼない点が特色。ハウス内の明るさを維持できるので、作物の光合成に影響を与えません。そのため、近年徐々に普及している遮熱資材です。ビニールハウスの屋根や外周に動力噴霧機で直接希釈液を吹き付けます。
●レディヒート
多くの熱線(IR)を反射する⼀⽅で、光合成有効放射(PAR)をより透過する特別な成分を含む特殊な遮熱剤
●Q4ホワイト
温室やハウスの被覆材に塗布して遮光率を自由にコントロールできる遮光剤 焼け、花焼け、萎れなど作物に悪影響を及ぼす夏の日射量を調整 幅広い被覆材に対応
今からできる暑さ対策。ぜひ試してみてください。
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