トマトの旨さのヒケツは?(農業)
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今日はうま味成分の話。
人間が「旨い!」と感じる成分は主にグルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸です。 グルタミン酸はタンパク質を構成する20種類のアミノ酸の中の一つでイノシン酸、グアニル酸は核酸に分類されます。 グルタミン酸は、多くの食品に含まれており、イノシン酸は肉や魚に多く含まれています。 かつおぶしはイノシン酸を多く含む代表的な食品です。
身近でわかりやすいところでいえば「味の素」のの主な原材料は、グルタミン酸ナトリウムです。そしてトマトの主なうま味成分もグルタミン酸です。
旨いという味覚は人それぞれなので一概に「グルタミン酸などが多い=旨い」とは言えませんが、研究した統計的には「グルタミン酸」と「旨い」には相関関係があり、多くに人がグルタミン酸などが多いと旨いと感じているようです。
●品種によってグルタミン酸の含有量が異なる。
旨さのヒケツであるグルタミン酸の量は品種によっても異なります。以前の記事でトマトの美味しさは糖度/酸度比率が大事、、と記載しましたが、その際にコクや味の深さみたいなものも大事と述べました。まさにコクや深さに影響してくるのがグルタミン酸です。
●トマトのグルタミン酸は熟すほど増える!
特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンターのサイトによると、トマトにはグルタミン酸がたくさん含まれていますが、それは熟すにつれてグルタミン酸の量が増えるとのことです。
だから樹上完熟のトマトはおいしいのですね!
一方、一般のスーパーマーケットに並んでいる多くのトマトは市場出荷のもので、生産者→JA→卸売業→仲卸→小売業 という流通する時間も考えて、トマトは少し青い段階で収穫されます。
生産者である農家の方もおいしいものを作りたいので赤くなってから出荷したいのですが、流通する時間を考えるとどうしても青い段階で出荷せざるを得ないのが現状です。ですからトマト内部でグルタミン酸がたくさん生成される前に収穫してしまっているケースが多いです。
そう考えると畑で真っ赤になった樹上完熟トマトがおいしいという理由がわかりますよね!
トマトの旨さはもともとの「品種の力」と「収穫時期」が大きく関わっていますね!
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