大規模農園の紹介 ~㈱スプレッド~
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今日は京都になる巨大な人工光型植物工場でレタスを栽培している㈱スプレッドの紹介です。
そもそも人工光型植物工場ってなんですか?という人も多いので簡単に説明しておくと、光源に人工光を用い、空調を導入し、植物生育に必要な環境要因である光、温 度、湿度、CO2濃度、気流速を制御し、周年安定的に高品質の植物を栽培 する施設のことをいいます。
室内でLEDの光を植物にガッツリと当てた多段式の棚で育てているもので、最近、よくニュースなどでも見ることが多いと思います。
百聞は一見に如かずということで下の写真のような感じです。
もはや農園というよりも、まさに工場ですね!京都市下京区にある㈱スプレッドもこのような感じの大規模完全人工光型植物工場です。
野菜の流通事業を行っているトレード㈱のグループが自らの野菜生産拠点として立ち上げたのがこの㈱スプレッドという会社になります。そのため、生産-販売-物流などが出来上がっているビジネスモデルとなっています。つまりしっかりと安定した栽培ができれば販売先は出来上がっている状態ですね。
そんな㈱スプレッド。生産拠点は京都府亀岡市に「亀岡プラント」、京都府木津市に「テクノファームけいはんな」、千葉県に「テクノファーム成田」、静岡県に「テクノファーム袋井」
の4拠点を擁しており、レタスを始めとする葉菜類を栽培しています。
なんと日産19トンの生産体制ということです!!!!
1日の出荷量が19トンですよ!!
レタスは1玉300gとすると1日に63,300玉を出荷していることになります。
こういった植物工場は完全に自然から遮断したうえで人工的に最適な栽培環境を作り出すので、光合成に必要な「温度」「湿度」、「CO2」、「光量」、「潅水」をコントロールできるため生育も早く、種まき~出荷までのサイクルをいかに早く回すか、、ということが非常に重要となります。
設備投資額もハンパじゃないので、しっかりと出荷サイクルの回転数を上げて売上をあげていくことが経営上のポイントになります。
自然の影響を受けず周年安定出荷が可能なのですが、やはり植物の栽培で怖いのが病害虫。
棚に多段式に密植しているので病気が発生すると広がりやすいのと、特に水耕栽培は1つの液肥が流れている槽にはたくさん植えられており、仮に液肥に菌などの病気が発生すると、1つの槽が全滅してしまうので、衛生管理は徹底されています。
プラント内には関係者以外は立ち入り禁止ですし、プラントの入り口ではエアシャワーや手足の消毒、専用作業着など衛生管理の徹底ぶりはハンパないです。
またこれだけの量のレタスなどの葉物野菜を収穫出荷しているので、機械による自動化も非常に進んでいます。ほんとにオートマチックな未来の農園って感じですが、ミライじゃなく既に現実にビジネスとして行われているんです!
しかし、前述したとおり設備投資がハンパじゃないので、建設から数年間は赤字でしたが、今や黒字化を実現されています。
徹底した自動化と衛生管理の農業プラントとできたものをしっかりと販売していける流通・販売の両輪をしっかりと兼ね備えているのですから“完成された新しい農業”って感じですよね!
自然感があふれる農業もいいけど、こういった未来型農業もかっこいいです!
応援していきたいですよね!
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