トマトのいろいろな仕立て方法(農業)
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。果菜類の栽培では仕立て方法で栄養生長・生殖生長のコントロールをすることができることを以前の記事でお話いたしました。この仕立て技術をしっかりと使いこなすことで、収穫のタイミングや収穫量をコントロールすることができます。「短期間でガッツリ収穫モデル」と「長期間で着実収穫モデル」です。
●短期間でガッツリ収穫モデル
年に2回、春~夏 と 夏~秋 にトマトを栽培している。1回の作が短期間であるため、短期間で果実をたくさん成らせて一気に収穫してしまうイメージですね。
ポイントは 第1花房を直下の側枝を伸ばして第2主枝とし、主枝とこの第2主枝をトマトの誘引用のクリップで1本にまとめること。2本の主枝の花房が同じぐらいの位置に来るので、一見、花房がダブルでついているような株姿になります。
肝心の収量は主枝一本仕立てに比べて、1株当たり約1.5倍。
2本の主枝を離して仕立てる普通の2本仕立てと比べても同じ面積に 1.5~2倍の株を植えられるので、やはり多収になります。
2本の主枝がまとまっているため芽かきや摘葉の作業が一度にできるのもメリットです。しかし2本仕立てにして短期的に収量をガッツリ増やすと株が疲れてしまい弱ってしまうのであくまで短期ガッツリモデルとなります。
●長期間で着実収穫モデル
長持ちコースとして提案するのは 主枝1本仕立てで最上段まで行ったら 摘心 し、その後は側枝を3~4本 伸ばして株の寿命を延ばす仕立て方です。
主枝をそのまま伸ばして支柱の先端で捻枝する方法もありますが、なり疲れもあり 6~7段あたりの果実の出来が悪くなりがちです。芽かきも常にしなければなりません。
それに比べてこの仕立て方なら主枝の最終段の果実までしっかり収穫した上で、側枝に期待をつなぐことができます。とはいえ 夏場は特に着果しにくく 一花房に1~2果しかつかなかったり 段が飛んだりします。そのため 複数の側枝を出すのが重要です。 長期間の栽培になるので古い葉や 主枝から出てくる 脇芽は適宜 取り去り、栄養分の浪費を防ぎましょう。
【関連記事】--------------------------------------------------------------------