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根域制限で高品質の農作物を作る!

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。このところ体調を崩しており記事を書くのは久しぶりです。コロナになり発熱と気管支炎に夏バテが加わり、頭がボーっとしていたのでお休みをいただいていました。そろそろ再開してきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

今回は根域制限栽培についてお話したいと思います。根域制限とは字のごとく根の広がる領域を制限する栽培方法です。
通常の土耕栽培では植物は土の中を根がドンドン伸びて広がっていき土の中は見えないので根がどこまで張っているのかわからなくなります。そうなると土壌水分や養分の制御ができなくなります。肥料(養分)を与えていないつもりでも、思いのほか根が伸びていてたくさん養分を吸収していた、、というケースも多くみられます。

根域制限栽培は、根の生育範囲を制限することで、樹勢をコントロールし、高品質な果実を安定的に収穫することを目的とした栽培方法で、当初はブドウやミカンなど果樹が中心でしたが野菜など畑作物など広がっている栽培方法です。

<根域制限栽培のメリット>
・樹の生長抑制:
根域が制限されることで樹の生長が抑制され矮化(小型化)します。矮化することで、剪定や収穫などの作業が容易になり、管理が省力化されます。

・着花促進:
根域が制限されることで、生殖生長傾向が強くなり、花芽の形成が促進されます。

・果実品質向上:
根域制限栽培では、根の広がりが制約されるため養水分吸収において、ストレス栽培の状態になり、糖度や色味などの果実品質が向上します。

・栽培本数を増やせる:
根域制限栽培では、高密度植栽が可能になり、限られた栽培面積でも多くの果実を収穫することができます。

<根域制限栽培のデメリット>
根域制限栽培は、多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。以下に、代表的なデメリットをいくつか挙げます。

・水やりや肥料の頻度増加:
根域が制限されているため、土壌の乾燥や養分の不足が生じやすく、従来の栽培方法よりも頻繁な水やりや肥料が必要となります。(少量多潅水)

・病害虫発生リスク増加:
密植栽培になりやすいため、病害虫が発生しやすくなります。

・樹勢の衰退リスク
根域制限栽培では、根の生育が制限されるため、樹勢が衰退しやすくなります。

・ 栽培技術の習得
根域制限栽培は、従来の栽培方法とは異なるため、専用の栽培技術を習得する必要があります。特に、水やりや肥料の管理、病害虫防除などの技術を習得することが重要です。


普通に土耕栽培していると根はどんどん広がっていきます。根が広がっていけばより広い範囲から養水分を吸収できるので、樹自体は元気に大きくなります。
しかしそれでは養水分のコントロールができないため、根域を制限して、農作物を安定的に高品質にするのが根域制限栽培です。高品質にするためにリスクを取りつつ、より精密に栽培管理をすることが求められるので、ある程度の技術力が求められる栽培方法ですね!


【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
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