農業ハウスの見積もりをみてみよう!(農業)
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今回は農業ハウスについて記載してみたいと思います。農業をしているとやっぱり良い品質のものを安定的に作りたいと思いますし、農業って奥が深いので栽培技術や植物生育のメカニズムを知れば知るほど、しっかりと管理してより高品質・高収量を実現したいと思ってきます。
植物の栽培に一番影響を及ぼすのは自然環境です。
いかに自然環境(天候・虫・病気)の影響を受けずに栽培できるかを考えると、自然から隔離して、隔離した環境の中で 植物にとって最適な環境を作り出すのがハウスによる施設栽培であり、そうした考えを突き詰めたのが完全閉鎖型植物工場になります。
しかし完全閉鎖型植物工場は投資額が半端じゃないので、一般の農家では導入できるものではありません。現実的なのはハウスによる施設栽培であり、ハウスの中には暖房機、CO2施用機、換気扇、ミストシステム、潅水システム、カーテン、環境制御盤などがあり、これらを使って植物の光合成に最適な環境を作り出して光合成を促進させ、植物の生育を安定的に促進します。
では、実際には投資額はどれくらいになるのでしょうか。
渡辺パイプが提供している農業用ハウス見積もりシステム「らくちん」を使ってトマトハウスの見積もり算定してみます。(https://rakuchin.sedia-green.co.jp/)
トマトなので軒高は少し高めの3m、間口は7.2m、奥行きは50mの3連棟でハウス面積は1080㎡。約1反ですね。ハウスの形状は骨組みがしっかりとしていて私が好きなUFCタイプ。手動カーテン1層、換気は側面と谷換気。
ハウス内の設備は制御盤、暖房機、ミストシステム、CO2施用機、換気扇、栽培システムはロックウールによる養液栽培用を想定してみます。
「らくちん」システムでざっと見積もってみますと、約4,500万円が必要になりました。
さらに実際に建設するとなるとこのハウス建設費用のほかに、建設予定地を平らにするための「造成費用」や雨水などを流すための「外構工事費用」、各種設備を動かすためにはエネルギーが必要なので電気を引き込む「電気工事費用」、もしも栽培に井戸水を使うならば井戸を掘るための「井戸工事費用」などが追加で必要になります。
実際にはハウス金額は交渉しだいで多少の値引きしてもらえると思いますが、1反の施設栽培のハウスを建てるためにはかなり巨額な初期投資が必要になります。
もちろん国や自治体の補助金などもありますが、負担額は相当なものになります。
新築ハウスを建てる場合はしっかりとした資金を確保したうえで、事業計画をつくり、経営に無理のないように本当に必要な設備は何かを考えながら設備投資をしましょう。
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こちらのマガジンは農業ハウスを建設する際に考えること、必要な知識を集めています。これからハウス建設する方にはぜひ読んでいただきたいです。
施設栽培には様々な設備が必要です。ハウス建設に加え、様々な個別の設備についても記載しています。ぜひ読んでみてください。