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農業は自然との闘い・・とにかく深い!

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。農業といえば植物の栽培を考えますよね。植物の栽培といえば、肥料をどうするか、潅水量をどうするか、栽培環境をどうするか、植物の生育や作型をどうするか、、という知識やノウハウが必要になりますが、それ以外にも必要な知識は盛りだくさんです。

その一つとして非常に知識が必要なのは「病害虫対策」。これは非常に多くの知識が必要になる分野ですね。

病気や害虫は種類も多くその一つ一つがどのような症状として現れ、どのような害を及ぼし、繁殖はどのように繰り返すのか、、、という病気や害虫の性質の理解とともに、対策としてどのような薬剤があり、どのようにして使うと効果的なのか、、まで理解ないといけません。こうなるともはや医者ですよね。

ふだんは親のように植物を育て、何か異常が起こった際には医者のように対応する、、と考えると農家の仕事は幅も広く、内容も深いので、農家って儲からないといわれますが、もっと収入が多くてもいいように思いますよね。

例えば、アザミウマの場合。
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トマトやミニトマトに加害するアザミウマは、1~2mm程度で体形が細長くとても小さいサイズです。生育サイクルは15日~45日ほどで、2週間~10日で卵・幼虫・蛹・成虫と変化しますので、対策を怠ると爆発的に増えていきます。20℃~25℃前後の温暖な気候を好み、暑い時期は短期間で成長して被害をもたらします。アザミウマは植物の組織内に産卵し、幼虫は加害しながら、時期を見て葉から土壌へ落下し、土中で蛹になってしまうため、寄生されていることがわかりにくいうえ、殺虫剤が効きにくいといわれています。また成長速度が速いため殺虫剤に対する耐性が発達しやすいというやっかいな性質があります。種類にもよりますが、体色は主に黄色や茶色をしています。

<アザミウマ食害の症状>
植物の花粉を好んで食べ、植物に針を突き刺して内部の汁を吸い取り、食害にあった植物は、傷がついてカスリ状に色が抜け、葉全体が斑点状に白や黄色に変化したり花弁が変色したりします。株全体に蔓延して枯れてしまう場合や、新芽が褐変(萎縮)したり実が大きくなりすぎたり、花が咲かなくなったりする症状がみられます。成虫や幼虫が羽を持ち、植物に飛来し、さまざまなウイルス病の媒介になることもあり注意が必要です。黄化えそ病を引き起こし、発症すると植物の生育が抑制されるため、収穫量が減少するおそれがあります。花や葉の内部に潜り込んでしまうため、防除薬剤が効きにくいといわれています。

<アザミウマの予防方法>

・こまめに除草を行う
雑草はアザミウマが越冬するのに最適な場所とされています。さまざまな植物に寄生しますので、寄生場所を減らすために除草しましょう。

・防虫ネットを活用する
体長の小さなアザミウマには網目が0.4~1 mm程度のネットでアザミウマが侵入しにくく対策に適しています。昆虫は赤色を認識することができないため赤色のネットを張るのがおすすめです。赤色はアザミウマが認識できる可視領域を上回っているため真っ黒なカーテンで覆われているように見えると言われています。

・人間による連れ込みに注意
人がハウス外で除草作業などを行い、そのままハウスに入ると人についてアザミウマが入り込むことがあります。1日の農作業の流れを考えて、ハウス外作業を行った後にはハウスに入らないなどの工夫が必要です。

・反射光を使う
アザミウマは、光の乱反射が苦手です。作物の株元や地面にシルバーマルチや銀色の反射テープを張っておくと良いでしょう。遠ざける効果だけでなく雑草が生えにくくなったりもします。

<アザミウマの駆除方法>

・天敵を活用する
生物農薬を使ってアザミウマを駆除する方法です。スワルスキーカブリダニ・タイリクヒメハナカメムシなどはアザミウマを捕食対象としているため、駆除効果が期待できます。ただし、単純に生物農薬を放すだけでは防除効果が出にくく、捕食対象としている虫の生態も理解する必要があるため、高度な防除方法といえます。

・粘着テープを仕掛ける
株の周りに黄色や青色の粘着トラップを設置して対策する方法です。アザミウマの黄色や青色に強く引き寄せられる習性を利用した駆除方法です。

・農薬を使用する
アザミウマの種類によって効きやすいものと効きにくいものがあります。まずは種類を特定することが大切です。アザミウマは繰り返し使用すると薬品抵抗性が高くなりやすいといわれています。
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と、まあこれだけの知識やノウハウは必要になります。

農業を本格的に行っていくには収量・品質の安定は必須なので、こういった知識をしっかりと持っていないと、判断を誤ったり、対処が遅れたりして被害が大きくなり、農園経営の業績に大きく影響を及ぼすことになります。

農業って実は広い知識と深い知識が必要な職業で、奥深いですね。

【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAIL:t.ogawa19720117@gmail.com

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