接ぎ木苗は栽培しやすい!(農業)
こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今日は接ぎ木についてお話いたします。
トマト栽培でよく使われる接ぎ木苗。接ぎ木苗とは根の部分と茎や葉の部分が違う品種をつないだ苗のことをいいます。
接ぎ木苗は実生苗よりも価格は高くなるのですが、そもそも接ぎ木ってなんだろう?接ぎ木することの目的は??などと思いますよね。
<接ぎ木苗を使用することの効果>
実生苗に比べて価格の高い接ぎ木苗。接ぎ木苗を使うことでどのような効果があるのでしょうか?
接ぎ木苗を使用すること主な効果は以下の通りです。
1. 連作障害に強い
連作障害に耐性のある台木に接ぐことで連作障害に強い苗ができます。青枯れ病に強いトマトやミニトマト、ネコブセンチュウに強いナスなど連作障害に強い接ぎ木苗を使うと連作が可能になります。
2.草勢が強くし、長期栽培でも栽培が安定する
草勢が強い台木を使うことで、栽培のスタートダッシュを強気したりや長期栽培でも栽培が安定するなど安定・多収を狙うことができます。
3. 病害虫に強い
病害虫に抵抗性のある台木に接ぐことで病害虫に強い苗ができます。疫病に強いピーマンなど病害虫に強い接ぎ木苗を使うと病害虫に対する心配が減り農薬の散布量を減らすこともできます。
4. 環境ストレスに強い
寒さや暑さ乾燥など環境ストレスに強い台木に接ぐことで環境に強い苗を作ることができます。例えば寒さに強いキュウリの接ぎ木苗を使うと地温が低い春先でも根の伸びが良く普通の苗より早い生育を得ることができます。
<接ぎ木のメカニズム>
接ぎ木は、植物のもつ癒合能力を利用した技術です。
植物は傷つけられると、傷の周囲にある細胞が分裂し、回復のために組織を再生・癒合します。このような癒合能力は、植物の表皮のすぐ内側にある薄い「形成層」で活発に行われています。
そのため、穂木と台木の形成層を合わせて密着させることで、傷口を癒合する組織「カルス」が形成され、傷ついた部分が再生されます。
その結果、穂木と台木が無事に繋がり、互いに養水分が流動して育成が始まります。これを「活着」と呼びます。
<トマトの台木>
見てきたように、台木をしっかりと選ぶことで、病害虫対策になったり、草勢を強めて長期栽培を安定させたりすることができます。
主なトマトの台木は以下の通りです。ご参考ください。
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