#7 ここにいる奇跡
大学の講義を受けていてふと思い出したこと。
私は今、とある講義で性やジェンダーについて学んでいます。これまでは正直、この手の話に対してどうしても抵抗感があったので、保健体育や理科の授業などで説明を受けても聞き流していたのですが、教育者を目指す立場の人間としてきちんと理解しておくべきだと思い、後期でこの科目をとってみました。
昨日の講義は、月経とは?射精とは?妊娠・出産とは?といった内容でした。それぞれの仕組みや過程に関して、知らなかったり覚えてなかったりしたことが結構多くて、とても興味深かったです。月経なんて特に、毎月自分の体内で起こっているにも関わらず分からない部分があったので、この講義で初めてしっかりと理解できた気がします。(←さすがに遅すぎ…笑)
昨日の講義を受けて私が思い出したのは、中学3年の時の出来事です。
中3の夏に、理科の授業で生物分野の学習をしていた時、理科の先生が突然熱く語り始めたことがありました。話の内容を端的に言うと「卵と精子が結びつく確率はとても低くて、君たちが生まれたのも奇跡的なことなんだよ」といった感じだったのですが、当時の私は、どうして急にそんなことを言うのだろうと不思議に思っていました。授業後には、先生何かあったの?と、クラスメイトも少しザワザワしていたくらいで。先生は冷静沈着なタイプの方だったので、私たちはその時に初めて、普段と違う姿を目の当たりにしたんです。
先生の話の意味を理解したのは、それから数か月後。冬休み明けすぐの朝の会の時でした。今日の理科は自習になるという連絡があり、その理由は、先生の奥さんが出産したからとのこと。それを聞いて、あの頃おそらく奥さんの妊娠が発覚したのだろうということに気づき、先生の言動に納得しました。翌日の授業で子どもの話をしていた先生の表情は、幸せという言葉そのもので。その日、私は初めて命の尊さを実感しました。
自分が教員になった時に目の前にいる子どもたちもきっと、その先生と同じように、それぞれの親御さんが心から望んで、誕生を喜んで、大切に育ててきた子たちなはず。(もちろん、現実は全員が全員そうというわけではないかもしれないですが…)だからこそ、子どもたちには、自分の命も他人の命も大切にできる子になってほしいし、そういう子どもたちを育てるために、自分自身が性教育に関してもっと積極的に理解を深めなければいけないなと改めて思った昨日でした💭