015.「物が捨てられない…」は貧しさの象徴?「物量」と「お金」の関係性
あなたのお部屋は片付いていますか?
お部屋の片づけといえば「断捨離」。
この言葉は、やましたひでこさんの著書『断捨離』をきっかけに日本中で広まり、多くの人が実践を試みました。
不要な物を手放すことでシンプルでスッキリとした生活を手に入れた方も多い一方、日本人特有の「もったいない」という精神から、物を捨てられない人も少なくありません。
「物を捨てられない」ことは、仏教用語である「執着」と表現されることがあります。仏教における「執着」とは、物事や人、考え、欲望に対して強く固執し、手放せない状態を指します。
「執」は「つかむ」「握りしめる」、「着」は「しがみつく」という意味があり、何かにしがみついて離れられない様子を表しています。
仏教や禅では、この「執着」が人生における苦しみ(苦)の原因の一つとされています。
物を手放せない心の正体
物を手放せない心の奥には、実は「おそれ」の感情が隠れていそうです。
具体的には、「また使うかもしれない」「捨てると罰が当たるのでは」「大切な人からもらった思い出を失う」といった不安が物を捨てることを妨げています。
つまり、物が多いお部屋は、その人の心の中にある「不安」が反映されているともいえます。
特に、物がなかなか捨てられない方は、収納スペースを超える量の物に囲まれて暮らしていることが多いです。「物に囲まれた生活が落ち着く」と感じる一方で、手放すことへの不安が次第に強まり、物への依存が深まる傾向があります。
モノとお金の関係性
この「物を手放せない心理」は、お金との関係にも通じるものがあります。物への執着が強い人は、お金を支払う(手放す)ことにも不安を抱きやすい傾向があります。たとえば、以下のような思い込みが挙げられます。
「どんどんお金が減っていく」
「お金は無くなる一方だ」
「支払ったお金は戻ってこない」
これらの思い込みは、お金に対する不安をさらに増幅させ、その結果、現実にも影響を与えることがあります。
お金の手放し方についてのヒントは、昨日の記事に書かせていただきました。
↓↓読んでない方はこちらをご確認ください↓↓
【お金を手放す時は、「豊かさ」を持って手放すことが大切です。】
豊かさとお部屋の関係
興味深いことに、映画やドラマでは「貧しい家庭」を演出する際、部屋を物でいっぱいにして空きスペースを埋めることがよくあります。
一方、「お金持ちの家庭」は、部屋の空白スペースを多く作ることで、豊かさを表現します。
これは、物の多さと心の状態、お金の豊かさが密接に関連していることを示唆しているのではないでしょうか。
物が多い状態は、心の執着を映し出しているといえます。
執着心が強いと、お金を手放す際にも不安が生まれやすく、結果的に豊かさを育む心を阻害してしまうことがあるようです。
逆に、物を減らして生活を整えることで、心の豊かさが増し、お金との関係もより豊かさがますようになると思います。
仏教の教えでは、「万物は変化するものであり、何一つ永遠ではない」と理解することにより、物や人に対する執着を和らげることを説いています。
生まれてきた時は、何も持たずに生まれてきて、この世を去る時にも何一つ持ってていく事はできないのだから、私たちは物を所有することで安心感を得ようとしますが、物質は永遠に存在するわけではありません。壊れたり失われたりするのが自然の摂理です。
心を軽くし執着を手放すことの大切さをここから学べるのではないでしょうか。
心地よい空間を作ることは、心やお金との向き合い方を見直す良い機会となるはずです。ぜひ、ご自身のお部屋や心の中と向き合う時間を作ってみてください。