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第五回 未来をつくるケアマネcafe

令和6年6月25日「医療福祉を地域にひらくコツ」~これから求められる場づくり~をテーマに、4名のゲストスピーカーをお迎えしてカフェが開催されました。

夕日と東京タワーをバックにしたカフェスイーツ


【ゲストスピーカー】
・森岡 真也さん 
株式会社モテギ 新宿ケアセンター長 ケアマネジャー 
・河合 麻美さん
 NPO法人ReMind代表理事 理学療法士
・野口 潔さん
 株式会社CLOVERファウンダー デイサービス経営企画
・宮地 紘樹さん
 掛川東病院 院長Dr.
 


東京会場での対面とオンラインのハイブリッド形式。今回、北は北海道から南は沖縄までの10か所のkaigoカフェが同時開催され、オンラインでつながりました。カフェのラストにいくつかの場所から映像が画面で共有され、さながら大晦日に全国各地の様子がテレビ中継されているかのようなライブ感がありました。
 
熱気に包まれるリアル会場で目の前のゲストの方の表情を見ながら耳を傾けたり、自宅などそれぞれの場所から、あるいは地域のカフェ仲間とテーブルを囲んでオンライン画面に見入り。一人のゲストの方がお話しする時間は10分ほど。4人の時間は、あっという間に過ぎていきました。

森岡真也さん

 【森岡 真也さんのお話】 
ケアマネとして事業所と利用者宅を行ったり来たりしているうちに、地域の人と何かやりたいなと思ったのがきっかけで、介護相談もできるカフェSunnydays Caféが生まれました。カフェ+コワーキングスペース+シェアキッチン+イベントスペース+ヒトハコ商店・ヒトハコ広告、各種イベント街のカフェとして、居宅療養管理指導で地域をまわっている管理栄養士とヘルパーが作る栄養満点の日替わりランチを提供しています。なんとこのカフェ、2年間で339件の相談件数がありました。小規模の地域包括支援センターと同じくらいの数であるとか。


河合麻美さん

【河合 麻美さんのお話】 
病院で理学療法士として働いていた河合さんは「7つの病院モヤモヤ」を感じていたと言います。1. 医療と地域の見えない壁2. 医療と行政縦割り社会3. IT技術が進み便利になったが社会との断絶 孤食・孤独・孤育て4. 障がい者に冷たい5. 障がいはなくても生きづらさを感じている。自殺者の増加6. 女性は自分の健康後回し7. 育児と仕事の両立大変 ReMindはリハビリテーションマインドという意味。みんなちがって、みんないいという誰も取り残さない包含社会をめざしています。「医療と地域を繋ぐ町の保健室」「医療と地域で支える子育て支援」「生涯現役社会推進」「バリアフリー社会推進」「ワーク・ライフバランス推進」「キャリアデザイン相談・コーチング」「専門職の働き方支援」「育児と仕事の両立支援」など様々な活動を展開中です。


  野口潔さん

 【野口 潔さんのお話】 
高齢者デイ・放課後等デイ・障害者シェアハウス・就労支援・介護人材紹介・飲食店等合計23の事業所を運営しています。 日本の福祉の流れはお世話型から社会参加型へと変わってきました。「人が集まる幸せなコミュニティづくり」をコンセプトに、認知症の人や障害者が過ごしやすい場所というよりも、誰もが過ごしやすいお洒落な内装を意識しています。デイサービスクローバー成城学園では、ブックカフェや子ども達に駄菓子を大人が肩代わりするクロチケのシステム、トイレ緊急時のマーク掲示、子どもが参加したくなるようなペットボトルキャップのアート作品などに取り組んでいます。


宮地紘樹さん

 【宮地 紘樹さんのお話】 
静岡県掛川市にある掛川病院は340床の病院。ここが地域のハブとなり、地域をつなげる場を創出しています。「誰でも幸せに活き活きと暮らせる地域」にするために展開されるコミュニティケア。病院職員と地域の人が繰り広げる取組は多岐にわたり、「さてつ」「ざつだん」「たわわ」などのネーミングもロゴマークも洗練されたお洒落感が漂っていました。病院の外にキッチンカーを呼んで職員と街の人が雑談できる場をつくったり(寒い日はこたつも出しちゃう)、企業や行政と連携してクラフトビールが飲めるひまわりビール列車を走らせたり。 「気楽な路上パーティー・かけがわPOTLUCK」「ワカモノ未来共創スタディツアー」「美尻プロジェクト」日常に医療がそっと入っていきます。 


 ゲストスピーカーのお話の後は、休憩を挟んで20分間ほどの対話の時間です。会場や各地のカフェではテーブルごとに、オンライン参加の人はZOOMのブレイクアウトルームでグループに分かれ、感想やこれから取り組みたいことの共有を行いました。

札幌でのカフェ会場からの振り返りの様子

「参考になった」「活力をもらえた」などの前向きな意見が飛び交い、ハイブリッド形式ならではの広がりのある立体的なカフェスタイルを感じました。

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記事執筆 下猶 好恵
デイサービスや小規模多機能型居宅介護の介護職員やケアマネジャー、管理者を経験し、現在は特別養護老人ホームの生活相談員。最近では自分の老後をイメージしながらニヤニヤすることにはまっています。

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