日が暮れて立ち止まったまま…
働くってなんだろう?
子供の頃から本を読む事が好きだった。
いつからか自分で書く様になり、10代前半の頃に400字詰めの原稿を数枚書く度に、学校の司書室の先生に見せては赤ペンで用紙を容赦なく埋め尽くす程の直しを入れられた覚えがある。
作家を夢見ていたその頃、テレビでは最年少で芥川賞を受賞した綿矢りささんがニュースで取り上げられていた。
そして、そこで知った芥川賞の名前にある芥川龍之介の本を読んだ。
13才くらいの自分には芥川龍之介の本の内容など理解できなかった。羅生門を読んで嫌な気持ちになった。
人はなんて気持ち悪くて醜いんだろうと思った。自分勝手で無自覚で。13才の自分にとっての「人」とは大人を意味していたと思う。
夢や希望に満ち溢れた作品を書いていた脳や精神が未熟な自分が、大人になるに連れ挫折を繰り返し、上手く取り繕う為に理由を付けてやるべき事から逃げ回っていた。
まるで、羅生門の主人公の様に悪の道に闇に消えて行く様に、振り返ると間違った選択をしては勘違いしたまま生きてきてしまった気がする。
12〜18才までは夢中で描いていた未来も、今思えばあっという間に破れ去っていった過去の産物になってしまった。
そして、今までも、満たされないまま生きて生きるために仕事をして、将来を不安に思う事もなくその日を暮らすのがやっとの日々だった。
働くとは、ただ生きていく為に必要な事で、子供の頃の自分にとってそれは特別じゃなく平凡で何にもなり得なかった者の末路だ。
では、これからどうする?
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